(勝手に)神保町三大「神ってる店」の一つに認定! 洋食店「仙臺」のクオリティと安さと人情がハンパなさすぎ

カレーや洋食の激戦区、神保町で話題のお店「仙臺」(せんだい)をご存知でしょうか?老舗が並ぶ中、2015年にこの激戦区をあえて選んだお店ですが、その選択が間違いでなかったことは、行列を見れば明らかなんだとか。「げんぱち」や「南海」、旧小学館ビルにあった「七條」などと並び語られる日々はそう遠くないはずです。人気のオムライスから激安のカレー、そして仙台と言えばの牛タン、なぜ置いているのか?のエビめしまで、どのメニューを食べても満足間違いなしです。神保町へお出かけの際は足を運んでみてはいかがですか?(神保町のグルメ洋食・西洋料理

(勝手に)神保町三大「神ってる店」の一つに認定! 洋食店「仙臺」のクオリティと安さと人情がハンパなさすぎ

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こんにちは!デカ盛りと食べ放題を求めて津々浦々のライター、猫田しげるです。

 

また一軒、自分の嗅覚を誉め讃えたいほどの名店に出会いました。その名も神保町の洋食店「仙臺」(せんだい、と読みます)。2015年8月、神保町に開店しました。

 

いきなりで恐縮ですが、筆者の周囲では「仙臺七不思議」が囁かれています。

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①読めない

「せんだい」=仙台です。だから牛タンなんですね。

 

②カレー激戦区と知らずにこの場所に開店しちゃったのか

向かいには「ばんび」、並びには「パンチマハル」。近くに「まんてん」。有名店に囲まれています。

 

③450円なのに旨いの?

ポークカレーもチキンカレーも450円。チェーン店並みの安さです。

 

④というか、何屋?

カレー屋だと思っていたら、店の前のノボリには「シチュー」やら「牛たんやき」やらいろいろな文字が踊っています。

 

⑤えびめしって何だろう

牛、牛、牛のメニューの中に突如出てくる「えびめし」。誰もが一度頼んでみたいと思っているはずです。

 

⑥店主が謎。そして怖そう

確かに、「笑顔を見た」という声をあまり聞きません。しかもレストランの料理長だったとか、どこかの名店にいたとか、いろいろな説があります。

 

この謎を解いていくほどに、「仙臺」の神っぷりが明らかになるのです・・・!

ちなみに七不思議その⑦は後ほど。

 

仙臺、とりあえず安い

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昼と夜でメニューが微妙に違います。が、どちらも安い。ビーフカレーでも550円。昼もほぼ同じ値段なのが嬉しい限りです。

 

ビーフカレーは550円なのに驚くほど肉がたっぷり

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まずはビーフカレー550円。長時間煮込んで柔らかくなった牛肩ロースが贅沢に入っています。カレーソースは独特な漆黒。じんわりスパイシーで、ものすごく沢山の種類の具材や出汁を使って丁寧に作られた味がします。

聞くと、牛や鳥のブイヨン、野菜など、企業秘密の材料をミキサーにかけて手作りするのだそうです。

 

ちなみに・・・「カレールウ」のルウは本来、「カレーのもと」を指すのであって、「カレーソース」が正式な言い方なのだとか。

 

ほかではあまりお目にかかれない、牛テールカレー

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二大看板の一つ、牛テールカレー750円。テールスープならよく聞きますが、テールカレーは珍しいですね。これは凄いです!とろけるようなテールに、こってり濃厚な中辛カレーの奥深い味が見事に調和。ご飯はデフォでも300gと多めなのですが、バクバクいけます。

 

七不思議の六つ目、「謎の店主」の経歴に迫る

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みなさん・・・「怖そう」と恐れられている藤原さんですが、大きな誤解です。まずその経歴から。

 

出身はその店名どおり仙台。宮城県内の役所に勤め、日本製紙など大手企業にも勤務しましたが、「面白くないから」と辞めてしまいまいした。その後叔父を頼って北海道の会社を紹介されるも、就職祝いの日に叔父と喧嘩して「世話になんかならん!」と破談に・・・。そして、たまたま入ったラーメン屋で「仕事ない?」と聞いたら、「あの道を左に曲がったところで従業員を募集している」という情報を入手。早速目指しましたが、間違って右に曲がってしまいました。と、そこにあったレストランで調理見習い募集の広告が。そうして洋食の道への第一歩が始まったのです。しかし当時から「俺は社長になりたい」という夢があった藤原さん、その店で洋食の利益率の高さに驚き、これを商売にしよう!と思い立ったそうです。

 

その後は札幌や仙台などのレストランの料理長も経験し、カレーをメインにしたフランチャイズを展開する実業家として成功しましたが、倒産・・・。そこから夫婦で働いて働いて、やっとこの店を開店するまでに至るわけですが、あまりにも濃すぎる人生談なので、それはまた某ガイアの夜明けや某情熱大陸などに出て話してもらうべきでしょう。とにかく欧風料理や和食など多ジャンルの料理経験が長く、某大手企業の商品開発を監修したなどのエピソードがとめどなく出てくるのです。

 

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さりげなく神保町にオープンした「仙臺」の店主の経歴はスゴすぎました。

 

一番びっくりしたのはタンシチュー980円

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みなさん・・・夜のメニューをしげしげと眺めつつ気になっていませんか? そう、「シチュー」です。牛たんシチュー、牛テールシチュー、ビーフシチューがあります。ランチ時に「夜に来てこれを食べてみたい」と思う憧れの存在。これも、藤原さんの技が存分に発揮された一品です。

 

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この盛り付け!まさに一流レストランの洋食です。どの料理もそうですが、盛り付けが実に美しい。ホテルだったら3,000円ぐらいしそうです。

 

コク深くて濃厚なデミグラスソース!

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一口食べた瞬間、「わー!」と叫んでしまうほど芳醇な味わいです。そしてタンの食べ応え!口当たりの良さ!添えられているのはなんとピーチやブドウといった果実。フランス料理ではフルーツを使う料理が多く、このソースにも絶妙に合うんです。何度も「これが980円⁉︎」と聞いてしまいました。缶詰などは使わず、ソースは一からすべて手作り。こんなにおいしい料理になって、牛タンも感謝していることでしょう。

 

 

夜のたん焼きも尋常じゃない

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夜のメニューでこれも気になるたん焼き。単品1,400円(定食1,300円)で、「高え~~」と思いがちですが、それはこの店のメニューの中で一番高いだけであって、他店と同等もしくは安いぐらいです。そして、このボリューム!厚いタンが3~4枚。火の入れ加減が絶妙で、塩胡椒が効いた味付け(詳しくは企業秘密とのこと)もたまりません。

 

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そして・・・えびめし

さて、この店のオモシロさ真骨頂がここからです。メニューにさりげなく混じった「えびめし」。おそらく多くの人が「このえびめしを頼んでみたい。でも今日もカレーにしちゃった。俺って意気地なし」というプチ懺悔をしているのではないでしょうか。

 

えびめしは、コレです。

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隠れた名物えびめし。藤原さん曰く「こればっか食べる人もいるんだけどね・・・」

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えびめしといえば岡山のソウルフード。それがなぜここで出てくるかというと……藤原さんの波乱万丈人生の中で、キーとなっている渋谷のカレー店「いんでいら」について語らないわけにはいきません。でも長くなってしまうので端的に言うと、

えびめしは「いんでいら」の初代シェフが考案。藤原さんは30年前に「いんでいら」の支店料理長として働いていたことがあり、その初代の味を伝えたく「仙臺」でも出すことに。

「自分の作った味じゃないからね・・・」と謙遜する藤原さん。その控え目な想いとは裏腹に、「えびめし」にやたらと興味を持つ人も多いようです。

 えびめしは見た目はジャンキーですが、意外とマイルド!「お、洋食だね・・・」と感じ入ってしまう味です。

 

まさかの、影の人気メニューは「オムライス」だった

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牛たん、牛テール、たん焼きと、本当に牛推しですが、ほかによく出るメニューは?と質問したところ、返ってきた言葉はまさかの「オムライス」。

ななななんでやねんとズッコケてしまいましたが、それも藤原さんのオムライスは、「全部巻いてあるオムライス」という技ありの一品なのです。

通常、オムライスは卵をかぶせるだけでなく、綺麗にくるんとライスを巻いて口を閉じるものなのだとか・・・

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ちゃ~んと口が閉じられていますね。

ひょっとして中は牛のブイヨンを使ったこだわりのライスとか・・・?と聞くと、「ケチャップライス!」

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それホントに普通じゃ・・・とツッコミそうになりましたが、これも藤原さん、「オムライスはね、ケチャップライスが一番おいしいんです」。そうか、確かに。「今日はオムライスが食べたい!」という人のオム欲を100%満たすような、完璧なオムライスです。これも750円。卵のふるふわ感も最高です。

 

ああ・・・気になるメニューがまだまだありますね。ハンバーグにハヤシライスに、「次これ食べてみたい」リストが増えていくばかりです。どれも確かな腕で作られた味なので、全メニュー制覇しても無駄な投資ではないでしょう。

ところで、七不思議②「カレー激戦区と知らずにこの場所に開店しちゃったのか」問題。もう想像はつきますが、藤原さんにぶつけてみると、

「勝つ自信があったから、あえてここにした」

かっこいい・・・。

昼の満席ぶりを見れば、その勝算が確かだったことは一目瞭然です。

 

さらにまさかの、とっても仲良しな夫婦

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「店主が怒っていた」「夫婦のやり取りに妙な時間差がある」など諸説飛び交いますが、ご夫婦、とっても仲良し。藤原さんは「自分の女房を悪く言うヤツは嫌いだ」と素晴らしいポリシーをお持ちです。一見ぶっきらぼうに見えるのは、東北の人は素朴だから(筆者調べ)でしょう。藤原さんは話すと超フレンドリーで、いい具合にマイペースです。仲良くなりたい人はぜひ、夜の時間帯に「みんなのごはん見てきました」と言うと歓迎してくれるはずです。

 

ちなみに仙薹はカレー屋ではなく、れっきとした洋食店でした。

それにしても安い。

 

……七不思議その⑦がまだだった

ところで藤原さん、年齢は?と聞くと、なんと「74歳。女房は73歳!」

見えませんねえ。牛のコラーゲンがアンチエイジングに効果的なのでしょうか。

仙臺七不思議の最後の一つでした。

 

 

紹介したお店

仙臺

住所:東京都千代田区神田神保町1-64-1 田中ビル1F

TEL:03-5577-4051

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※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。 

 

 

プロフィール

猫田しげる

デカ盛りと食べ放題を求めて津々浦々。おいしいものもおいしくないものも大好きです。

 

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