お父さんのための「それなりに美味しい」カレーの作り方【中川淳一郎の「今も飲んでいます」第七回】

飲んでいるときに「今度中川さん、カレーを作ってもらえない?」と美女から突然のオファーを受けた中川淳一郎さん。OKしたものの、「人様からカネをもらえるようなカレーをオレが作れるのだろうか」と不安を感じていたようですが、結果は大成功!「それなりにウマいカレーは市販の食材で簡単に作れる」ということで、イベントの模様を写真とともに振り返ります。カレーが食べたくなる、そんな記事です。(豪徳寺・経堂のグルメカレー

お父さんのための「それなりに美味しい」カレーの作り方【中川淳一郎の「今も飲んでいます」第七回】

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「今度中川さん、カレーを作ってもらえない?」というオファー

旧知の仲間と渋谷の居酒屋の名店・Yで飲んでいた時、そこにいた美人ギャル・宮脇ゆうび嬢から突然言われた。

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「私、バーの雇われ店長になったの。色々イベントとかやってるんで、今度中川さん、カレーを作ってもらえない?」

 

私の密かな趣味はカレー作りである。アラフォー男女が集って「ポポポポーン」と手と手を合わせる集い「ポポポポーンの会」(通称「ぽ会」)ではカレーを振る舞うことが多い。ここで食べるカレーを同会メンバーがFacebookで公開することにより、私がカレーを作ることを宮脇嬢は知っていたのである。以下、私がこれまでに作ってきたカレーの写真を紹介しよう。いずれも「ぽ会」メンバーで編集/記者の漆原直行氏による撮影である。

 

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2012年、初めて「ぽ会」で作ったカレー

 

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ワタリガニをダシに使い、カレー粉と唐辛子とともに炒めたトッピングを添えたもの(左端にカニトッピングはあります)

 

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タイカレー! グリーンカレーです。辛すぎて悶絶する人続出で、以後控え目に。

 

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ビーフカレー。ホウレンソウトッピングを覚えました。

 

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ビーフカレー。まぁ、いつも通りです。今回作るカレーもこんな感じでいきますかね。

 

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これもビーフカレー。恐らく大食いの漆原さん、おかわりしたのでしょう。目玉焼きトッピングが乗っていませんね。

 

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「ふるさと納税」でもらった地鶏1羽を使ったチキンカレー。レバーや砂肝なども入ってます。

 

でも、オレに出来るだろうか……

さて、私の作ったカレーを紹介しましたが、話は宮脇嬢の件に戻ります。居酒屋・Yでは酔っ払っていて思考能力もなくなっていたため、「あっ、いいっスよ」と安請け合いしてしまった。一杯650円取ると宮脇嬢は言ったものの、人様からカネをもらえるようなカレーをオレが作れるのだろうか……と正直不安に思うのであった。

 

しかし、すでに告知も開始され「20杯限定」ということで6月20日(土)に宮脇嬢の店「大人cafe&bar usausa」(東京都世田谷区船橋1-1ジョイパーク千歳船橋)カレーを作ることが決定した。

やると決めたからには腹をくくるしかない。「まずいよ!」「なにこのヒドいカレー…」といったdisりが来ることも覚悟しつつ、私は事前にカレーを一旦作り、予行演習を行った結果、「まぁ、ウマいかな」という判断ができた。

 

それなりにウマいカレーは市販の食材で簡単に作れる

それで、結論としては皆さん「ウマい!」とホメてくれたのである。その様子なども後に報告するが、今回は「それなりにウマいカレーを作る方法」をご紹介する。別に、「スパイスを13種ブレンド」もいらないし「タマネギを2時間炒める」もいらない。とにかく材料を揃え、牛肉を柔らかくなるまで煮込んでおけばそれなりにウマいカレーなんてもんは市販の食材で簡単に作れる、ということを御理解いただきたい。

 

それほど広くない店内だとは聞いていたため、ある程度の準備はしておいた方が良いと判断。野菜は切っておき、牛肉はニンニク・塩胡椒・ドイツで買ったガラムマサラとともにすでに炒めてジップロックに入れておいた。そして、それらを紙袋に詰め込み、小田急線に乗っていざ千歳船橋へ!

 

【材料紹介】

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  • 左上:ブロッコリー、ナス、シメジ
  • 真ん中上:炒め済みの牛肉
  • 右上:ニンジン、ブロッコリーの茎、タマネギ(最初から煮るものはここに入れておく)
  • 左下:ニンニク
  • 真ん中下:ワタリガニ
  • 右下:ジャガイモ

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左上から時計回りで

 

  • カイエンペッパー
  • パキスタンで買ったカレー粉
  • S&B「とろけるカレー」
  • 黒胡椒 
  • ※ローリエ(月桂樹も)何枚か入れています。

 

 

凝った食材は一切なし!

別にクミンシードもなければターメリックもなければ、凝った食材は一切ない。さすがは日本メーカーが作るカレールーである。何であろうがおいしく作れる。さぁ、ここからは写真とともにお送りしましょう。

 

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これがバーの入り口です

 

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看板も出してもらいました。

 

カレー20人前作り、スタート 

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ニンニクをみじん切りにし、火の通りづらいニンジン・ブロッコリーの茎・タマネギとともに炒めます。

 

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これが味付けをし、すでに炒めた牛肉です。スネ肉を使っています。

 

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こんな感じで炒め終えたら鍋二つで20人前を作ってしまいます。右側は圧力鍋です。

 

しっかりとアクをとる

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とにかくタマネギ・肉があると大量のアクが出ますので、これらはちゃんと取りましょう。

 

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肉と火の通りにくい野菜からアクを取った状態がコレです。ニンニクが浮かんでますね。

 

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カニをぶち込みました。ダシとして使用します。

 

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いや、ダシだけではありません、ワタリガニの身はキチンと取り出し、後でもう一回鍋に入れ、具材にしてしまいます。

 

肉は何分煮れば柔らかくなるか?

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肉に菜箸を刺し、すんなりと箸が通れば大体OK。続いてジャガイモを投入。3分ほど煮たところで、他の「火の通りやすい野菜」も投入。肉がここまで柔らかくなるには、1時間20分ほど煮ると良いでしょう。それ以上やると、肉がほぐれて原形がとどめられなくなります。圧力鍋は25分ほどで終了に。

 

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カイエンペッパーも少し入れ、辛くします。

 

お玉より菜箸で鍋を混ぜると良い

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煮えやすい野菜も全部投入したうえで、カレールーを溶きます。溶く時はとにかくお玉の上で丁寧にやりましょう。面倒くさいですが、ここでちゃんと溶いておかなくては後でダマができたりしてもっとメンドーなことになります。また、カレールーを入れた後は、時々かき混ぜておかなければ、底が焦げてしまいますので、ここから先は頻繁に混ぜましょう。混ぜる場合は菜箸の方がお玉よりもいいです。お玉でかき混ぜると、ジャガイモを崩してしまったりしますからね。

 

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冷凍のホウレンソウも入れ、ついに完成!

 

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トッピングの目玉焼きを一つ一つ作ります。100円ショップのダイソーで15年前に買ったこのフライパン、今や油のなじみがよく、かなり重宝しています!

 

f:id:g-gourmedia:20150709170742j:plainトッピングはフライドオニオンを準備!

 

完成です!

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はい、完成です! 目玉焼きトッピング&各人フライドオニオン、ラッキョウ、福神漬け、カッパ漬けはご自由にどうぞ、という感じです。

 

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こんな感じで皆さん、食べてくれました。

 

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会場は大盛況でした! 20食(というか、30食ぐらいになったかも)は完売! 650円×30食+トッピングの目玉焼き(50円×20)なので、20,500円の売り上げ達成!(だと思う)もはや酔っ払い過ぎて覚えていない。

 

大感謝であります

しかし、お客さんからは「ウマい!」「また作って!」とお褒めの言葉をいただいたので、一安心。お代わりをしてくれる人もいて、大感謝であります。

 

それでは最後にカレー作りのポイントを紹介しよう。

 

【一見「おいしそう」に感じられるカレーの作り方8か条】

その1 とにかく牛肉は柔らかくなるまで煮る。それだけで「うわー、とろける!」「うわー、肉がスプーンで切れる!」とホメてもらえる。

 

その2 別にスパイスに凝る必要はない。市販のカレールーにKALDIなどで売っているガラムマサラを足すとよい。私の場合はドイツ旅行で買ったガラムマサラととパキスタン駐在者からもらったカレー粉的なものを入れた。

 

その3 普通はカレーに入れないであろう野菜も入れてOK。私が個人的に高く評価しているのはブロッコリーである。茎も含めて入れてしまおう。

 

その4 月桂樹を入れておくと、ニオイ消しにもなるほか、「うわー、本格的(ステキ)」と誤解してもらえる。

 

その5 目玉焼き用の小さなフライパンは是非とも用意したい。マジでダイソーの安いフライパンはオススメです。2年ほど使い続けると、本当にこなれてきて、活躍してくれます。

 

その6 キノコ類(マイタケ・シメジ・エリンギあたり)は、カレーにブチ込んでおくとおいしいです。

 

その7 東京三宿のカレーの名店「ビストロ喜楽亭」では、ホウレンソウトッピングを頼むと一緒に煮こんでくれます。これがウマい! よって、冷凍のホウレンソウを最後に入れましょう。

 

その8 多くのお客様にカレーを出す場合は、あまり辛くないようにしましょう。ハバネロのパウダーや、カイエンペッパー等は卓上に用意し、辛いカレーが好きな方は自由にふりかけるようにしましょう。

 

 

 

著者:中川淳一郎(なかがわ じゅんいちろう)

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ライター、編集者、PRプランナー

1973年生まれ。東京立川市出身。
一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターになり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々な、ネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』(星海社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。割と頻繁に物議を醸す、無遠慮で本質を突いた物言いに定評がある。ビール党で、水以上の頻度でサッポロ黒ラベルを飲む。

 

前回までの「今も飲んでいます」はこちら。 

 

「幹事の味方」でも中川淳一郎さん、連載中です。

中川淳一郎さんは「幹事の味方」でも連載中です。こちらと合わせてぜひご覧ください。

                             
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