「テイクアウト」は、ただ持って帰って食べるに非ず――鍋入りラーメンの事例から――

コロナ禍の緊急事態宣言により、外食が気軽に出来ない状況ですが「テイクアウト」をもっと楽しむための記事がこちら。「麺でる多摩センター店」(東京都多摩市豊ケ丘1-21-6)で期間限定テイクアウトできる「鍋でる」をただ持って帰って食べるためでなく、普段できない楽しみ方を満喫したら世界が変わったようです。そもそも「鍋入りラーメン」とは二郎直系やインスパイア系でイレギュラー対応している店舗がある裏メニュー(直系ではいわゆる「鍋二郎」)。ライターのココロ社さんはせっかくの鍋ラーメンテイクアウトなので「普段食べない大ラーメンを食べる」「外で食べる」「のびた麺を食べる」「雑炊にしてみる」といろいろな楽しみ方をしたようです。二郎系がお好きな方もそうでない方も、鍋入りラーメンで普段できない体験をしてみませんか。(多摩センターのグルメラーメン・つけ麺

「テイクアウト」は、ただ持って帰って食べるに非ず――鍋入りラーメンの事例から――

新型コロナウイルスについての緊急事態宣言によって、外出が制限され、ストレスを感じている人も多いと思う。食事についても気軽に外食ができなくなってきたが、この状況でも楽しめることはある。ふだんテイクアウトに対応していないお店もテイクアウトのメニューを店先に掲げている。それでも通常営業しているときよりは売上は減っているのだろうけれども、せっかくの提案なのだから、積極的に利用していきたいところである。

 

今回は、テイクアウトでしか楽しめないことをしよう、という趣旨。期間限定のようなので、これを読んだときにはメニューは終了しているかもしれないが、読んでくださったみなさんも、この事例を参考にしていただき、「テイクアウト」を、ただ持って帰って食べる、というのではなく、「これをテイクアウトしたらどんな楽しいことがあるだろうか」と思ってみれば、世界が一変するはずである。

 

通る道にある看板を凝視してイマジネーションを爆発させる

わたしが今回テイクアウトしたのは、東京西部~神奈川にいくつか支店を持つ、「麺でる」の多摩センター店。

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多摩ニュータウンでは貴重な、いわゆる「二郎系」に位置づけられるお店で、わたしも多いときは週1回通っている。「小ラーメン」でもかなり多いので、行く日は朝食も昼食も抜きにしてカロリーに気をつけている……つもりである。

 

こちらは店内でいただいたときの図。小ラーメン(790円)の野菜脂マシと、背後に控えているのは黒烏龍茶(200円)である。黒烏龍茶はいつも頼んでいる。カロリー的な気休めのためと、利益率が高そうなアイテムを足すことで、好きなお店の永続的な繁栄に貢献したいと思っているからである。

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密な場所を避けながら散歩をし、お店の看板を凝視していたのだが、この店について、焼きそばと「鍋でる」がテイクアウトできるとの記述を見逃さなかった。

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しかし、「鍋でる」とは何だろう。

 

「鍋にラーメン」というワイルドなスタイル

自粛中とはいえ、もともと繁盛しているお店なので、お店に入って聞くのも遠慮した方がよいかしら……と思って帰宅してから公式Twitterで確認したところ、鍋を持参したら通常のメニューをよそってくれるとのこと。テイクアウトに対応しているラーメン屋があるが、この店のように、もともとのボリュームが特大な店は、ふつうの容器におさめることができないから、鍋で対応するんだな……。

わたしは買い置きしていた豆乳を啜りながら、鍋でるで何ができるかを考えてみた。

 

  • 何回かに分けて食べても大丈夫なのだから、「大ラーメン」を頼んでみよう
  • せっかくだから外で食べたい
  • 硬い麺が魅力だが、デロデロにのびた状態の麺の味を試してみたい
  • もし、雑炊とか作ったらどうなるだろうか

 

特に雑炊については、不可能だったから今の今まで願望を無意識に押しこめていたらしく、「鍋でる」の存在を知るやいなや、豚肉を2枚残して……という感じでイメージが鮮明に浮かんできた。

 

朝から何も食べず、13時すぎに鍋を持って行ってきた。今日はこの1食のみという覚悟である。

 

鍋持参に驚くお客さん

鍋を持って行くとやる気マンマンに見えてしまうのが気恥ずかしくて(実際のところやる気マンマンなのだが)、券売機で、「ラーメン大W豚」(1,190円)を購入して、鍋とともにカウンターに置いた。わたしは鍋の蓋を片手にぼんやりしていた。何度も「鍋でる」を体験している人みたいに見えてかっこよかっただろうと思う。

鍋を見て目を丸くして、店の外に出て看板を熟読した人がいたが、あのお客さんも今ごろ「鍋でる」を満喫しているに違いない。

 

ほどなくしてラーメンが仕上がってきたが、鍋に直接入れるのかと思ったら、ラーメンとスープは、いったん丼に入れてから鍋に入れ直していた。これはおそらく、分量を間違えないためだろうと思うが、非常に合理的である。

 

お店のドアは開け放しになっていたので、鍋に蓋をして、両手に持ったまま店を出た。

家についてからも油断できない。こぼさないようにゆっくり歩いて、ベランダに鍋を置く。

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風に吹かれながら啜る。

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鍋から直接食べると、自分が作ったラーメンであるかのように錯覚してしまう。いままでしたことがないので、これだけで感動した。

 

――とはいえ、「小ラーメン」でも満腹になるのに、「大ラーメン」を完食するのは厳しく、鍋ごと冷蔵庫に入れた。

 

のびた麺は、予想通りのもちもち感

「食べすぎた。もうしばらく食べたくない」と思って6時間ほど経過したら「ぜひ食べたい」に気持ちが変化していた。

冷蔵庫から出して、弱火で鍋ごと温め直した。案の定、もともと太い麺はさらに太さを増した。

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こういう食べ方をされることは想定外なのだろうけど、もともと太いからか、博多うどんのようなもちもちした食感になり、スープとの馴染み具合が最高潮に達しており、おいしかった。予想通りである。

 

雑炊は想像していたよりも素晴らしかった

のびた麺のときにはすでに最後の雑炊を意識して、スープは飲まないようにしていたのだが、スープの残量は少なめだった。次回からは雑炊にこだわるのなら、麺の比率が高い大ラーメンではなく、小ラーメン2つにしよう、などと、食べる前から反省会を脳内で繰り広げてしまったのだが、ごはんと卵を入れて煮混んで数分すると、思いのほかおいしそうなビジュアルに仕上がった。

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食べてみたら、炊きたての魚沼産コシヒカリを使ったことも相まって、キングオブ雑炊と思えるおいしさだった。そして豚を残しておいて本当によかった……。

 

 

今回、テイクアウトしてみた感想は、ひとことでいうと「最高」であり、もし可能ならずっと続けてほしいと思うのだが、ビジネス的に得策ではないのかもしれないので、楽しめるうちにあと何度かテイクアウトしようと思っている。

 

また、他の店も、テイクアウトすることによって、ふだんと違う楽しみ方ができる店があるに違いないと思って、外出の折には、飲食店の看板に目を光らせている。

 

このお店は川崎、南大沢、相模原にもお店があり、各店舗で対応しているので近所の方は行ってみてほしい。

 

今回は、テイクアウトの楽しみ方の一例として紹介したけれど、今後の状況やお店の方針によっては、テイクアウトが今までよりもずっと多彩なものになっていくのではないだろうか。みなさんの街で突然発生したテイクアウトも負けず劣らず楽しいはずだから、創意工夫して楽しんでみてほしいと思う。

 

紹介したお店

r.gnavi.co.jp

著者プロフィール 

ココロ社
ライター。主著は『マイナス思考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』。ブログ「ココロ社」も運営中。 

ブログ:ココロ社
Twitter:ココロ社 (@kokorosha) | Twitter

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