「一人フレンチ」の楽しさを知ると人生は愉快になるかもしれない……西新宿の老舗での実例

1人でフレンチのお店に行ったことのある人はそう多くないと思います。フレンチに限らず、コース料理を1人で食べるのはなかなか勇気が必要ですよね。しかし、一人ランチであえてフレンチを楽しむと、外食の選択肢が広がって人生がちょっと愉快になるのです。一人でも入りやすいお店の特徴として、カウンター席がある、繁盛している、照明が明るすぎないという3点が挙げられます。この3つを押さえたお店なら、1人でも居心地良く過ごせて、美味しいお料理を満喫できますよ。今回は、新宿西口にある老舗のフレンチ「ル・クープシュー」(東京都新宿区西新宿1-15-7ライフビル1F・B1)のランチを紹介しています。カジュアルな雰囲気で、お店に入ってすることはお肉かお魚のいずれかを選ぶだけ。フランス料理は難しいイメージを持たれがちですが、とてもシンプルですよ。もちろんお料理は言うまでもなく、どれも手が込んでいて美味しいものばかりです。(新宿のグルメフレンチ

「一人フレンチ」の楽しさを知ると人生は愉快になるかもしれない……西新宿の老舗での実例

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性格が暗すぎるため、ごはんはもっぱらひとりのココロ社です。

今回のレストランガイドは、ひとりフレンチのすすめ。「すすめ」というか、経験したことのない人は、可及的速やかに体験していただきたいと祈りながら筆を執っている。

 

「ぶらっと気軽にフレンチのコース」が楽しいので実施していただきたい

フレンチといえば、おいしい料理の代表である一方で、「デートやお祝いのときに食べるもの」「マナーが難しい」「値段が高い」など、気軽には楽しめないイメージがある。ましてや、ひとりで行くなんてもってのほかと思う人も多いかもしれない。

しかし、おいしいものたちと距離を置くのはもったいない。ぶらっとひとりでフレンチでランチをすることを覚えると、人生がちょっと愉快になるのだ。

もしあなたが(突然の呼びかけ)鉄の心臓を持つのであれば、行きたいと思ったレストランに行けばよいだけなのだけれども、「フレンチ」と聞いて身構えてしまうのであれば、下記のような店なら、気軽にひとりで入れるので実践してみていただきたい。

 

カウンターがある店

カウンターがあるということは、ひとり客を歓迎しているという店からのメッセージである。また、あとから大勢のお客さんが来て、「なんで自分は四人席をひとりで使っているのだろう……」と良心の呵責に苛まれなくてもよいから。

 

繁盛している店

料理を出すスピードが遅いと、間が持たなくなってしまうので、ひとりフレンチをするなら、テンポよく料理が出てくる店を選びたい。繁盛している店は回転が速いので、次から次へとおいしいものがやってきて、待つことがない。

 

照明が明るすぎない店

照明が明るすぎると周囲のお客さんが気になってしまうし、周囲のお客さんもこちらを気にする。適度な明るさの照明は、ひとり客を本当にひとりにしてくれるので、心が休まる。

 

東京なら、新宿の「ル・クープシュー」がひとりフレンチに最高

今回は新宿の「ル・クープシュー」を例にあげるけれど、首都圏以外の方も、定食屋に生姜焼き定食を食べに行く感覚でフレンチに寄ってみたら最高に楽しいので、ぜひお近くの適当な店で実践してみていただきたい。

以下の説明について、少々くどいと感じるかもしれないけれども、あまりフレンチのお店に行ったことのない人を想定して書いてみたので、ぜひ参考にしていただきたい。

 

このお店、老舗で、しかも立地条件も良好なので、つねに混雑している。ひとりフレンチをするなら、多少は混んでいた方が気が楽になるのでありがたいのものだけれど、なるべく開店してすぐに行った方がよい。12時にはほとんど満席になっていることが多い。

立地条件がよいからこそ、もし満席だったとしても、他の店の選択肢も多く、その意味でもリスクが少なくておすすめである。

 

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お店の外観。新宿に行ったことのある人なら見覚えがあるかもしれない。

 

お店の前には、本日の定食の説明がある。

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読んで「ステキ~!」と思ったら、そのまま右手のドアを開けよう。

 

店に入る前に、メインのお皿を肉にするか魚にするかを決めておくとスムーズである。

わたしは、食べたことのない方のメニューを選ぶことにしている。今回は魚。

「コース」と書かず、あえて「定食」と書いてあり、この店が、気軽に楽しめる店であることを端的に物語っている。

なお、はやめに食べても、店に入ってから出るまでで40分かかったので、お急ぎの方には前菜かスープのどちらかを選ぶクイックランチをおすすめする。

 

お店のドアを開けるやいなや、席に案内してもらえる。

なぜこの店がひとりフレンチに向いているかというと、何より、カウンターがたくさんあり、照明が明るすぎないところ。照明の明るい店で4人席をひとりで占めていると、申し訳ない気持ちになりがちだけれど、そのような不安は一切ない。

 

することはただひとつ、肉か魚を選ぶだけである

席についてほどなくして「お肉とお魚、どちらにしますか」と聞かれるので、入り口で決めた方を選ぼう。

われわれがすることはそれだけである。それはラーメン屋でトッピングをどうするかを決めるのと同じくらい簡単であり、お願いしたらあとは、待っていれば自動的においしいものが運ばれてくるのである。わずか1,700円で王様気分になれる。

「フレンチ=難しい」というイメージがあるかもしれないけれど、実際のところ、ラーメン屋で味の濃さやニンニクの有無を選ぶより簡単なのである。

 

ほどなくしてパンとバターが登場。

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このお店のバターはほんのりとバニラの香りがして、家にあったら無限に食べてしまうだろうと思う。焼きたてのパンと、ほんのり甘いバターだけでこの店に来てよかったと毎回思う。

 

そして、前菜のニース風サラダが早くも登場。

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これで一人前で、結構なボリュームである。

いろんな野菜が楽しめる。手前にある魅惑の薄茶色はツナ。

テーブルウェアたちもシンプルで美しく、老舗のフレンチらしくて感激する。

 

次のお皿を催促する必要はない。次のお皿が必要かどうかは、お店の人が見ていないようで見てくれているので、自分のペースで好きなように食べればよい。

いつもおいしくて我慢ができないので、お皿が出てきたら5分と経たないうちに食べきってしまうのだけれど、早く食べたら次のお皿が早く出てくるだけで、何も困ることはない。

 

次はミックス野菜のポタージュ。

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丁寧に裏ごしされていて、どれだけ手間をかけているのだろうと思いながらいただく。いつ来ても、季節に応じた「究極においしい液体」が提供される。スープという最高に食べやすい状態で、おいしさが凝縮されたものが提供されるのだから、一言で表すと「夢」である。

 

スープのお皿をさげてもらうときに、おかわりのパンをお願いするといい

炭水化物が好きすぎる人も安心してほしい。パンをたくさん食べたいときは、スープのお皿を下げてくれるタイミングでおかわりのパンをお願いしておくと、メインのお皿をパンといっしょに楽しむことができる。

 

本日のメイン、スズキのソテー マスタードソース。

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とにかくスズキが分厚い

「フレンチ=量が少ない」という先入観を一蹴する、なんとも頼もしいビジュアルである。後ろのブロッコリーはモジャモジャ部分にソースを存分に浸して食べたいところだ。

たっぷりかけてあるソースは、マスタードの辛味の奥に、ほんのりと甘みがあり、スズキの淡白なうまみを引きたてている。こうなってくると「お肉を選んだらどうなっていたのだろう」と気になるかもしれないが、来週また来ればいいのである。

 

ここで満足が最高潮に達するのだけれど、まだコースは終わらない。

デザートのココナッツのババロア。

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いままで食べてきた料理とはまったく別の角度からおいしさがやってきた。

喉越しがよくて、甘いのになぜかスッキリした食後感。もっと食べたい……と思ってしまうけれど、そのくらいがちょうどいい(と思うことにする)。

 

最後は深煎りのコーヒー。

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飲んでいると、前菜~スープ~メイン~デザートの思い出が走馬灯のように駆け巡る……。わたしは「次はいつ来ようかなー」と思いながらいつも飲んでいる。

 

 

たった40分しかいなかったのに、次から次へとおいしいものが来たから、なんだか何時間もくつろいでいたかのような錯覚を受ける。

 

コース料理というよりも、これは旅である

これでしめて1,700円。どのみち、ふつうの店でランチをしても、1,000円くらいはかかってしまうが、何週間かに1回は少し予算を上乗せするだけで、夢のような体験ができてしまうのである。

 

なお、仕事のある日のランチでこの店におじゃましたことがあったのだが、浮世離れした空間で夢のような料理をいただいたので、会社に戻ってから現実を取り戻すのに時間がかかってしまった……。

ル・クープシュー

ぐるなびル・クープシュー

休日のショッピングの前などに立ち寄るのがおすすめである。

 

著者プロフィール

ライター。主著は『マイナス思考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』。ブログ「ココロ社」も運営中。 

ブログ:ココロ社
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