なぜこんなにもご飯が進むのか…!ネパールの定食「ダルバート」の美味しさを知らないなんてもったいない

「ダルバート」とは、ネパールの定食を指し、野菜中心のヘルシーなお料理。どの料理も奇抜な味ではなく毎日食べたくなる味で、大変美味しいです。豆のスープ「ダル」、スパイシーな漬物「アツァール」、肉と野菜を煮込んだ「タルカリ」など、ほとんどが野菜なので、胃もたれしにくいのも魅力的。ダルバートの食べ方は、ご飯の上にダルをかけて、その他のおかずを好きなようにのせて食べるのが正解です。ご飯はおかわり自由なのもありがたいポイント。今回はダルバートをいただけるお店として「サンサール 新宿店」(東京都新宿区新宿6-13-8)を紹介しています。小岩と本八幡にも店舗があります。サンサール以外にも、「インド・ネパール料理」と銘打ったお店ならダルバートを置いている可能性が高いので、ぜひチェックしてみてください。(新宿のグルメアジア・エスニック料理

なぜこんなにもご飯が進むのか…!ネパールの定食「ダルバート」の美味しさを知らないなんてもったいない

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/g-gourmedia/20180104/20180104174938.jpg

 

外食の可能性を探求するライターのココロ社です。

 

「一人向けの食事」の無意識の縛りから自由になる

ひとりで出かけたとき、おなかがすいたと思って入る店といえばどのような店だろう。結果として、ラーメン屋やカレー屋、定食屋が多くなっているはずだ。あんこう鍋の店に入る人は少ないだろう。無意識のうちに、「ひとり向けの食事」のみが視界に入るようになってしまうのである。

ラーメン屋でも定食屋でもおいしい店はたくさんあるので、それらの店に入って満足することはたしかなのだけれども、そこで選ばれなかった、まだ見ぬ新鮮でおいしいごはんにも思いを馳せてほしいとも思う。お出かけの前、少し早起きして、「今日はいままで食べたことのないごはんを食べる!」と決めて、店を調べていけば、人生が変わるような一皿に出会えるかもしれないのである。

 

……などと前置きが長くなってしまったが、上記の心理的プロセスを経て、最近わたしが出会ったのは、ネパールの定食「ダルバート」である

アジア料理でひとり向けのものといえば、カレーが思い浮かぶだろうけれど、このダルバートも、ランチの選択肢としてもよいはず、というか、一度口にしたら、「今まで、なぜダルバートを食べてこなかったのだろう」と後悔してしまうほどである。ネパールの家庭では毎日供される料理ということで、奇抜な味でなく、いちど体験すると毎日食べたくなる味。

ちょうど、日本の定食屋で、店に入ってメニューもろくに見ず「生姜焼き定食」と口走ってしまう気軽さで、ネパール料理の店に入って、「ダルバート」と口走ってみてほしい。

 

ぶらっと(←これ重要)ダルバートを食べにいく

「だから、ダルバートって何やねん」という声が聞こえてきたような気がするので話を進める。

今回紹介したいダルバートの店は「サンサール」。東京は小岩に本店があり、新宿店、千葉には本八幡店がある。新宿にあるので、都心にお出かけのついでにぶらっと寄れるのがありがたい。この「ぶらっと」というのが非常に重要。構えずに立ち寄りたい。

わたしは最初、千葉の佐倉に行くときに、乗り換え駅の本八幡でこの店にぶらっと入って、よく通る新宿にも店があることを知り、新宿店にもぶらっと寄るようになったのだった。

 

今回はおもに新宿店についての話。

f:id:kokorosha:20171214044341j:plain

最寄り駅は新宿三丁目で、新宿からだと、花園神社の手前、歌舞伎町に忽然と現れるまったりゾーンとしておなじみの「四季の道」を縦断し、さらに道なりにまっすぐ進むとお店がある。

11時開店なので、遅めに起きた朝にこの店でブランチをキメてから買い物に行ったりするのにも最適。

 

入り口のあるところはほぼガラス張りなので、優しい自然光に祝福されながら食事ができる。

f:id:kokorosha:20171214044335j:plain

 

人気のお店なのだけれど、カウンターが用意されているのでひとりでも安心。

f:id:kokorosha:20171214044330j:plain

このカウンターの様子を見て、気軽に入れることをイメージしていただきたい。

 

ただ、早い時間にひとりで行ってカウンターに座ろうとするとテーブル席をすすめてもらえるので、まだ座ったことはないけれど。

 

なお、本八幡店も二人席があり、ひとりでも気軽に入れるつくりになっていた(下の写真は本八幡店のもの)。

f:id:kokorosha:20171214044340j:plain

 

ランチメニューはインドのカレーがほとんどを占める(右上にひっそりとある「ネパールランチセット」がお目当てのダルバート)。

f:id:kokorosha:20171221063601j:plain

なぜならダルバートには「日替わり」しか存在しないから。ネパール風の日替わり定食といったところで、メニューの面積だけ見ると小さくなっている。ダルバートを扱う店の多くはこのようになっているが、それは食べるべき優先順位が低いという意味ではない。食べてみればわかるはずだ。

 

とはいえ、ダルバート以外のメニューが魅力的であることもたしかである。ほかのお客さんはカレーを頼んでいる人が多くて、常連らしき人もいたので、さぞかしおいしいのだろうと思うけれども、わたしは頼んだことがない。わたしはすでに、この店でダルバートしか見えない体になってしまっている

 

ネパール料理の素晴らしさを一皿で理解できるのがダルバートである

念のため、ここでネパール料理について簡単に説明をしておく。

日本では、「インド・ネパール料理」と銘打った店は多く、また、インド料理店のシェフがネパール人であることも多いので混乱してしまうけれども、ネパール料理はインド料理よりもスパイスが控えめで、同じく隣接する中国の料理の影響も受けている。

中国とインドの影響を受けながら独自に進化したのがネパール料理なのだけれど、平均的な日本人にとって、「南アジアの料理=カレー」という固定観念があるため、ネパール料理の店でも、インド的なカレーがメニューの中心になっていることも多い。ただ、ネパールの家庭で食事といえば、ダルバートという形式でいただくものなので、ネパール料理の店に行ったらぜひ味わうべきだと思う。

 

今回紹介するお店が遠いという人は、よく行くインド料理店に行ってみてほしい。気がつかなかったが、実は「インド・ネパール料理」と看板に書いてあったりして、それならしめたものである。メニューの端の方にダルバートが載っている……かもしれない。

 

さて、話を戻そう。

席に着くなり、ダルバート(ネパールランチセット、1,026円)を注文して、5分ほど待っていると世界を凝縮したような皿が登場。

f:id:g-gourmedia:20180104174938j:plain

 

ダルバートを構成するスターたちについて説明させていただくと……。

 

ダル

f:id:g-gourmedia:20180104175013j:plain

豆のスープ。「ダルバート」の片割れの「ダル」である。

単体でいただくと、インド料理の豆のカレーをスープ化したような味がする。

 

バート

米。この店では日本のお米が出てくるけれど、細長くてパラパラなインディカ米を出すお店も多い。

 

アツァール

f:id:g-gourmedia:20180104175030j:plain

平たくいうと、ネパールの漬物で、ひんやりしている。日本のカレーにおける福神漬けとの類縁性のようなものを感じてしまうけれど、スパイシーで瑞々しい。この写真のように、大根を使ったものが多いのだけれど、大根ってこんなに瑞々しかったっけと思う。しかも大根だけでなく、ひよこ豆なども入っているので、日本の漬物の質素な位置づけとは違い、とても華やか。

 

タルカリ

f:id:g-gourmedia:20180104175056j:plain

ダルバートの花形。

タルカリは、ネパールカレーと訳してあるけれども、具が多すぎて、「肉と野菜のスパイス煮こみ」の方が近い。これをカレーと呼んでしまうと、ふつうのカレーが具が少なく感じるようになってしまうかもしれない。この日はカブとチキンのタルカリだったのだけれど、カレーよりも油が少なくて、スパイスの使い方がマイルド。野菜のうまみが感じられ、いくらでも食べたい気持ちになってしまう。

 

サーグ

f:id:g-gourmedia:20180104175112j:plain

この店のダルバートは、普通のサラダのときと、サーグのときがある。ふつうのサラダは本当にふつうのサラダなのだが、ダルバートの中では唯一の加熱していない野菜になるので、単体でサラダをいただくときよりもフレッシュな気持ちになれる。

サーグは青菜のスパイス炒めなのだが、青菜にスパイスをまぶして炒めただけで、ごはん泥棒になるとは……と驚く。

 

食べ方は自由なのだけれど、標準的な食べ方は、ごはんの上にダルをかけて、おかずを好きなように載せて食べる。

f:id:g-gourmedia:20180104175125j:plain

 

ダルとライスを別々に食べるより何倍も豪華な感じがする。しかし、あっという間にごはんを食べ終えてしまうのだった。そして、ダルをかけたら具なしでも十分満足してしまうので、この状態ではおかずがなかなか減らない。

 

そして、日本の定食でも発生する「おかずとごはんのペースをどうするか」問題に直面する。ちょうどおかずの半分くらいが余る。ピンチ……。

 

しかし、安心してほしい。この店はごはんがおかわりできる。わたしは最初からおかわりする前提で食べている。

f:id:g-gourmedia:20180104175140j:plain

写真は本八幡店ですべてを半分ずつ食べて、ごはんのおかわりをお願い中の様子。

 

ダルバートのほとんどは野菜。単体でかぶや大根を見ても、ご飯がすすむなどとは思わないので、とても不思議な気分である。

日本のとんかつ定食などを食べたときの記憶と比べながら食べてみると、世界にはいろんな定食があるんだなと思えて、とても楽しい。

 

当然ながら、胃にもたれることもないので、店を出るなり別人のふりをしてもう一回頼んでみようかなと思ってしまう名店だった。

 

なお、わたしが最初に行った本八幡店は駅から非常に近く、JR本八幡~京成八幡の途中にあるので、乗り換えるとき、素通りできない体になってしまったのだった。

 

オフィスの近くにこの店がある人は、毎日ランチに寄ってしまいたくなるに違いない。

 

紹介したお店

サンサール新宿店
住所:東京都新宿区新宿6-13-8
TEL:03-3354-8553
URL:https://r.gnavi.co.jp/9x31w24x0000/

 

サンサール 本八幡
住所:千葉県市川市八幡2-7-11 岡ビル2F
TEL:047-334-0305
URL:https://r.gnavi.co.jp/8wbu147c0000/

r.gnavi.co.jp

 

サンサール 小岩店
住所:東京都江戸川区南小岩5-18-16 ニューシャトレ103
TEL:03-5668-3637
URL:https://r.gnavi.co.jp/90gad72v0000/

SANSAR 小岩店
〒133-0056 東京都江戸川区南小岩5-18-16 ニューシャトレ103
2,000円(平均)

 

著者プロフィール

ライター。主著は『マイナス思考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』。ブログ「ココロ社」も運営中。 

ブログ:ココロ社
Twitter:ココロ社 (@kokorosha) | Twitter

ココロ社「みんなのごはん」過去記事一覧

                             
ページ上部へ戻る