こんにちは、ほそいです。
最近あるテレビ番組で紹介されてから、豚肉のダイエット効果が注目されています。「痩せたいなら豚肉を食べろ」といわれているほど。
そんな世の流行りに乗るのもよし、なんにせよ豚肉はおいしいのでジャンジャン食べていきたいですよね。
ということで、以前から気になっていた豚のお店にいってきました。豚料理といっても、とんかつや豚しゃぶではなく、豚肉の色んな部位を、独自の調理法で食べられるお店です。
横浜駅前、狸小路にやってきました。新宿西口の思い出横丁をコンパクトにした感じのレトロな小路。昭和30年から続いているそうです。
昭和36年創業、「豚の味珍」はこの狸小路にあります。豚は狸の中にあり。
足、耳、舌などを「お献立」という表記でサクッとまとめているのがちょいホラー。
メニューが写真。困惑するタイプのわかりやすさ。豚って捨てるところがないんですね。
店名は、豚の珍味を食べさせる店だから「味珍」だそうです。
とりあえず、頭と尾を注文。
中華系でよくある八角などを使わず、醤油ベースの秘伝の和風タレでじっくりと煮込んであるそうです。たしかに無意識にトンポーローのようなものを想像していたけれど、和風なんですね。
店員さんが「食べ方わかりますか?」ときいてきたので「わかりません!」と答えると、オリジナルのたれの作り方を教えてくれました。
からしを、大量のお酢に溶きます。
そこにお好みでオリジナル辣油をいれて、肉につけて食べます。
酸っぱさと辛さが打ち消し合い、マイルドなたれに!
頭は、脂身の部分がクリーミーでおいしい! 高級なラードのようにとろけます。でもしつこくないこの感じ。
匂いはまったくせず。内臓系の匂いは香辛料で消すのが普通だそうですが、味珍では香辛料を使わずにひたすら煮込んで匂いを消しているそうです。
尾は、コラーゲン満載という感じのトロトロ具合。豚の尻尾はあまり食べるところがないように見えるけど結構身があるんですね。煮込まれて旨みが引き出されています。
お店は二階建て。店内がレトロな中華料理屋風で、妙に落ち着きます。この丸椅子がたまらんです。
このお店でみんなが飲んでいるのは宝焼酎なんですが、高いところから注ぐこのパフォーマンスが見物。「高いところから注ぐとおいしいんですか?」ときくと、意味はないとのこと!
30年前に河童橋で買ったという、ヘンなやかん。持たせてもらうと結構重くてコントロールするのにコツが要りそうです。
なんかよくわからないけどほしい! と思ったけど、もう売られていないといってた。重いし持ちづらいし、こんなに実用的じゃないやかんはじめて見た……ほしい。
ちなみに、常連さんは焼酎を注文するとき「やかんひとつ」というそうです。
焼酎は少し飲んでから、テーブルにある梅シロップを入れましょう。
減ったら少しずつ足していくと味が変わって楽しめます。宝焼酎は飲みやすいので、ついペースが早くなってしまう。注意せねば……
舌です。大きいです。肉質がむっちりとしていて脂がないのでさっぱりと食べられますよ。やっぱり臭みは全然なく、噛めば噛むほど味が出ます。
耳。ミミガーですね。こんな肉厚なミミガーははじめて見ました。
尾と似ていて、プリプリ、モチモチ、ネットリ。ミミガーは軟骨の歯触りを楽しむ食べ物だと思っていて味はそんなに重視していなかったけれど、これは完全に肉部分(ゼラチン質)がうまい。角煮のトロトロ部分だけを集めた感じで、サイコー。
酢モツもおすすめされました。酢味噌の甘さと相まってモツの旨みが攻めてきます。味珍のテクニックによりモツ特有の匂いが気にならないので、モツが苦手な人はここの酢モツを食べてみてほしいです。
フニュウ(腐乳)。豆腐ようの中国版のような食べ物。お粥に入れたりしますが、かなりしょっぱいのでつまみとしてもナイスな奴。これに飽き足らなくなった人は臭豆腐にシフトしていくそうですが、私はまだこれでいいです。ちびちび舐めるように食べながら宝焼酎……合う!
最後、まさかの馬刺し。豚の店じゃなかったのかよ、とお思いでしょうが、馬もおいしいからこれはもうしょうがないですね。美しい霜降りとなっています。ワオ〜!
ずっと豚を食べていたので、忘れかけていた生肉のひんやり感が新鮮。
う、うまい!馬刺し専門店で出されるくらいのこだわりを感じるんですけど……。豚のお店なのに馬刺しもおいしいなんて思ってなかったので得した気分だ!
うまい肉を食べながら宝焼酎が進み……
帰り際、この急な階段がゆらゆらしてるので慎重に降りました。二階席は帰りに注意!
以上、豚の珍味(と絶品馬刺し)を楽しめる、「豚の味珍」でした。
プロフィール
ほそいあや
「猫を愛でることと虫を食べることが趣味」
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