愛媛に2種類存在する「鯛めし」食べ比べは究極の贅沢体験だ!松山を観光しながらどっちも楽しむ方法を伝授します

愛媛といえばみかん、鯛めし、じゃこ天といった食べ物が名物ですよね。なかでも、鯛の養殖はさかんで、国内産の養殖真鯛の2匹に1匹が愛媛県産なのだとか。鯛を使った料理は数あれど、鯛めしはその代表格。しかし、この「鯛めし」は中予~東予地方と南予地方で大きく違っていたのです。中予~東予地方は鯛とごはんを一緒に炊き込んだ「松山鯛めし」、南予地方は生卵とタレにつけた鯛の刺身をごはんの上にぶっかけて食べる「宇和島鯛めし」。愛媛を訪れた際には観光ついでに、ぜひどちらも食べてみてくださいね。(松山のグルメ和食

愛媛に2種類存在する「鯛めし」食べ比べは究極の贅沢体験だ!松山を観光しながらどっちも楽しむ方法を伝授します

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こんにちは。美味しいものを求めて嗅覚をコンパス代わりに畦道、山道を徘徊するさすらいのライダー、四国案内人の林ぶんこです。

愛媛といえばみかんをイメージされる方が多いと思いますが、ほかにも真鯛の生産量日本一ということはご存知でしょうか?愛媛産の養殖真鯛の国内シェアは50%強。実に国内産の養殖真鯛の2匹に1匹が愛媛産なのです!

さらに、その特産の真鯛を使った愛媛の郷土料理「鯛めし」、実は地域によって食べ方が違うのです。

松山市を中心とした中予~東予地方の「鯛めし」は、焼いた鯛を昆布だしでふっくら炊き込んだ「松山鯛めし」。それに対して、宇和島市を中心にした南予地方の「鯛めし」は、生卵入りのタレに漬けた鯛のお刺身を、タレごと温かいごはんに掛けていただく「宇和島鯛めし」なのです。はたして、いったいどちらが美味しいのか……?愛媛を真っ二つにする天下分け目の2大鯛めし合戦!

今回は観光途中にも立ち寄りやすいように、松山城の入り口でもあるロープウェー商店街から、松山鯛めしの「秋嘉(あか)」、そして宇和島鯛めしの「丸水(がんすい)」を紹介します。愛媛に来たら食べ比べてみて、どちらがあなた好みの鯛めしか?ぜひジャッジしてみてください!

 

ロープウェイ街にある2大鯛めしどころは、こんなに近い!

さっそくロープウェー街にやってきました。

これから紹介する2店は実はめちゃくちゃ近くにあるんです。その間50mないくらい。ハシゴするにも便利すぎる距離です。f:id:g-gourmedia:20171010144955j:plain

 

宇和島鯛めしの「丸水」・究極に美味しいプリッと鯛めし

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まずは、宇和島鯛めし「丸水」から行ってみましょう。

「丸水」という店名の由来は、昔宴席でもめ事があった時に「丸く水に流して収めましょう」とその場をとりなした高僧の名言からきています。

ごはん時にはこのように店の前に行列ができていますが、宇和島鯛めしは言ってみれば愛媛のファストフード。調理時間も早く、食べ終わるのにもさほど時間がかからないので、列に並んでもそんなに待たずに店内に入れます。

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店内にはテーブル席が2席と後はカウンター席。写真の通り10人も入ればいっぱいになってしまうこぢんまりとした造りなので、お客はみんなてきぱき食べてはお店を後にするようです。

 

席に座って注文すると、3分も待たずにスグに出てくる「宇和島鯛めし」。

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右上に新鮮な鯛のお刺身、左上に生卵の入ったタレ。フタを取ってませんが、右下の味噌汁はこれも南予名物の麦味噌汁です!ごはんはおかわり自由。おひつに入って提供されます。うつわは愛媛の焼き物、砥部(とべ)焼ブランドの白青(しろあお)で統一されています。

さて、こちらの鯛めしは定置網や巻き網でなく一本釣りで釣り上げた天然真鯛(2,100円)と、養殖真鯛「鯛一郎クン」(1,450円)のいずれかを選べます。

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左が「鯛一郎クン」、右が天然真鯛。見た目は素人目には同じに見えますが、口にしてみるとその差は歴然!鯛一郎クンは全く臭みもなくモチモチしていて美味しいのですが、天然真鯛のほうがプリッとしていて、コリコリした小気味よい歯ごたえを持っています。さっぱりと脂が乗りつつ、深みのある美味しさは天然真鯛ならではだと感じました。

ただし天然真鯛のほうは提供できる量が当日の仕入れ次第。そして人気のため売り切れるのも早いです。絶対に食べたい方は早めの来店が吉ですよ。

さっそくいただきましょう!まずはタレ(出汁)と卵をよく混ぜ、そこに鯛の刺身と海藻、薬味を入れてなじませます。

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食べ方の説明は卓上にも置いてありますよ。

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お茶碗によそったごはんの上に、具をのせましょう!卵の入った出汁もかけていただきます。ほかほかごはんに濃厚な卵の味、甘めの味付けにプリップリの鯛が合う!

シンプルなレシピだから素材の味がダイレクトにわかります。厳しくこだわり抜かれたハイクオリティな食材だけが生み出せる超絶ハーモニー、究極の美味しさです……!

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聞けば、タレ(出汁)に入った卵は、愛媛県四国中央市にある熊野養鶏の「美豊卵」というブランドで、厚生労働大臣賞を受賞したこともあるとか。タレの味を左右する醤油は、愛媛県大洲市にある梶田商店の熟成天然醸造醤油「巽醤油」。また、ごはんは鯛めしに合わせて愛媛産のお米を独自に配合した丸水オリジナルブレンド。「愛媛の鯛に合うのは愛媛の食材!」と、とことんクオリティの高い愛媛産にこだわっています。

 

もともと「海賊めし」と呼ばれていた宇和島鯛めし。平安時代の海賊、藤原純友で有名な日振島(ひぶりじま)の海賊衆が酒盛りをした後の茶碗に飯を盛り、醤油たっぷりの鯛の刺身をのせて食べていたのが始まりとされています。かの伊予水軍も食べていたそうです。

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丸水のメニューには宇和島鯛めしのほか、煮た糸こんにゃくの上に紅白の鯛そぼろとネギ、ミカンの皮のフレークをのせた「ふくめん」、焼いた鯛をすりつぶして麦味噌と合わせ、さらに焼いたものを鯛のだし汁でのばした冷や汁「伊予さつま」といった宇和島郷土料理が並んでいます。

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愛媛の地酒もいろいろ用意されています。愛媛に来たらぜひ丸水の絶品「宇和島鯛めし」を!

 

紹介したお店 

店名:丸水 松山店
住所:愛媛県松山市大街道3-6-4
TEL:089-931-8122
URL:https://r.gnavi.co.jp/esv61vxc0000/

今回紹介したのは松山店ですが、他に松山市内の道後にもお店があります。

店名:丸水 道後店
住所:愛媛県松山市道後湯之町13-10
TEL:089-968-1861
URL:https://r.gnavi.co.jp/f7m59f320000/

 

松山鯛めしの「秋嘉」・至福の味わいホクホク鯛めし

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お次は炊き込みの松山鯛めし、秋嘉(あか)へ。

“秋” は松山が誇る日露戦争の英雄である秋山兄弟にちなんで、“嘉” は松山城主の創設者である加藤嘉明から、そして鯛の色をイメージした “あか” という読み方にしたのだそう。

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焼いた鯛を昆布だしで炊き込んだ「松山鯛めし」は、松山市の北にある北条地区の郷土料理がベースになっており、「北条鯛めし」とも呼ばれています。

炊き込みごはんといっても野菜類は入っていません。鯛と昆布だしでシンプルに炊き上げるため、こちらも素材のクオリティが味を左右します。

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さっそく「土鍋鯛めし膳」(1,800円)を注文します(写真には夏限定と書かれていますが、これは付け合わせの膳が季節によって違うという意味。基本の鯛めしは季節関係なく提供されていますのでご安心を)。注文から炊き上がりには20分ほどかかります。

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「お腹ペコペコ状態の20分間は長いなぁ……」などと思いますが、注文してすぐに前菜が並ぶお膳がやってきます!

鯛で出汁を取ったちょっと甘めの鯛そうめん(これも愛媛の郷土料理です)と天ぷら、鯛のお刺身。お刺身はもっちもちで噛むとプリップリ!たまりません。

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上の写真の奥に写っているのは愛媛の地ビール「道後ビール」。「のぼさん(正岡子規)ビール」と呼ばれているヴァイツェンをいただきました。ちなみに道後ビールのスタウトは「漱石ビール」、ケルシュは「坊ちゃんビール」といった具合に、松山にちなんだ愛称が付けられています。

ビールと前菜を堪能していたら……

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お待ちかね、メインの鯛めし(写真は鯛が1匹分入った2人前ですが、もちろん1人前から注文できますよ。)と、鯛のあら汁がやってきました!炊き込みだから時間がかかると覚悟していたのに意外とすぐ出てきた感じです。20分も待ったかなぁ……?

こちらの松山鯛めしは、食べやすいように骨を取り除いた鯛の身で炊いてあります。鯛のあらからとった出汁と昆布だし、焼いた天然真鯛で味をつけ、土鍋で炊かれたふっくらごはん。

ふたをとったときのいーい香りもたまりません…!この香りを思いっきり吸い込んで、湯気の向こうにつやつやしたお米を見ると、あー、日本に生まれてよかったな……と幸せな気分になりますよね~。こちらのお米も松山鯛めしに一番合う、秋嘉オリジナルの愛媛産米ブレンドだそうです。

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松山鯛めしの食べ方ですが、3通りの美味しさが楽しめます。

1. そのままの鯛めしの味を。
2. 鯛めしに大根菜と三つ葉、もろみをのせて。
3. 最後はお茶漬け出汁をかけ、わさび、梅、三つ葉、海苔、あられをのせて。

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骨を取り除いてあるので、チャチャッと混ぜるたけで、鯛の身がきれいにほぐれていきます。ほんのり鯛の味がするほかほかごはんに、柔らかく脂が乗った味わい深い鯛の身が混ざり、そのまま食べるだけで言うことなしの大満足!んまーいっ!もう、この鯛めしさえあれば何もいらない……とまで思ってしまうほど至福の味わいです。

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あまりに美味しくて取材ということを忘れてしまい、つい夢中で食べてしまったために、2. と3. の写真を忘れてしまいました……。ごめんなさい! 

写真はありませんが、2. はもちろん、海苔や梅をのせ出汁でしめる3. の鯛茶漬けも最高でした…!頭からしっぽ、骨まで美味しく鯛をいただいた感じ。ごちそうさまでした!

店内は1階がゆったりした造りのカウンター席と、

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2階は居心地よさそうなテーブル席、そしてのんびり水入らずでくつろげる個室が数室(営業時間外に撮影させていただきました。)

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ちなみに、松山鯛めしの由来も古く、「日本書紀」にも出てくる神功皇后(じんぐうこうごう)が朝鮮の新羅に出兵した際(「三韓征伐」と呼ばれていますね)、北条地区の沖合にある鹿島明神に船を寄せて勝利祈願し、その時に地元の漁民たちが炊いた飯の上に鯛をのせて献上したのが始まり……といわれています。

 

一度で三度楽しめる、コスパもよくて超絶美味しい愛媛のグルメ「松山鯛めし」。愛媛に来たらぜひ召し上がってくださいね!「松山鯛めし」を食べずして愛媛に来たとは言えず!ですよ。

 

紹介したお店 

店名:秋嘉
住所:愛媛県松山市大街道3-5-1
TEL:089-909-7652
URL:https://r.gnavi.co.jp/7svc74m70000/

 

松山城を散策しながら鯛めし食べ比べを!

いかがだったでしょうか?「宇和島鯛めし」と「松山鯛めし」どちらを食べてみたいと思われましたか?

今回紹介した2店は松山城のすぐ近くにありますので、はるばる愛媛に来られた際には、ぜひ2軒食べ比べを!間に松山城を散策したら、すぐにお腹なんて減っちゃいますよ~!

 

【おまけ】松山市のロープウェー街って?

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今回紹介した丸水と秋嘉。そのいずれもロープウェー街にあります。そしてロープウェー街から松山市のシンボル、松山城へはスグ!です。どうしてロープウェイ街と言うのか…?というと、

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ハイ、松山城へ上るロープウェイがあるからなんですね~。

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ロープウェイだけじゃなくて、リフトもあります。このお城へ上るリフトがとっても気持ちいいんですよ~♪

ロープウェー街で食べ歩きをした記事でもリフトを紹介しているので、そちらもご参考にされてみてくださいね。

 

 プロフィール

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林ぶんこ

相棒エストレヤと四国の畦道や山道をトコトコするさすらいの0850(オバハン)ライダー。

ブログ:四国トコトコ
Twitter :@tepo11734

                             
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