こんにちは、ほそいあやです。
町屋に「タイ料理とたこ焼きが同時に楽しめる店」があると聞いて、どういうことだろうと首をかしげながらいってきたのですが、なかなかに魅力的なお店だったのであります。
着いてすぐ、「ここか……たしかに、聞いた通りの絵だ」と思いました。タイの国旗と、たこ焼きとかかれた赤ちょうちんがゆれている。うん、変。下町ならではのフリーダムさ。
外観だけみると「荒川区の変な店」止まりだけど、実はかなり人気の店だとか。
ここ「天だこ」は、イサーン(タイ東部)出身の奥さんが、たこ焼きを焼くのが上手い日本人のご主人と結婚したことにより生まれたハイブリッド居酒屋なのであります。
店内は、所狭しと置かれたタイの象さんの置き物やプミポン国王の肖像などで雑然としています。一応のタイ料理店らしさが演出されているものの、タレントのサインなどもあって場末の居酒屋という雰囲気は払拭しきれていないのが好感度大。
平日だけどほぼ満席。ご常連が多く、ブロークン日本語の奥さんと会話を弾ませていました。
お通しの鶏と大根の煮物がやわらかくて味しみしみ。期待が高まります。
メインのタイ料理メニューは、現地の食堂のようなラインナップ。失礼ながら、ちゃんとしてるじゃんと思ってしまった。
ヤムウンセン(春雨サラダ)。一口食べると、もう心はタイへ……。本場の味だ!
遠慮のない辛さ、酸っぱさ、旨味、エビのぷりぷりさ。それなりにおいしいとされているタイ料理屋でもなかなか出会えない、現地まんまの味付けでした。さすがタイ人ママさん!
豚肉のガーリック風味揚げ。にんにくと一緒に揚げた豚肉です。シンプルながらもあとひくうまさ。お酒のアテにぴったりです。メコンウイスキーのハイボールがすすむ。
ラープ・ムー(豚ひき肉のサラダ)。私がタイ料理で一番好きなメニューなんですが、他店では日本人向けの控えめな味付けにしているところが多くちょっと物足りないのです。 しかしこれはレモングラス、パクチー、唐辛子、玉ねぎ、どれもびんびんに効いている。野菜やハーブの強い風味が豚肉のうまみを引き立てます。このタレ、日本でも実現できるんだ……
タイ生ソーセージ。プリッキーヌ(辛い青唐辛子)とにんにくが練り込まれたソーセージです。これ食べられる店はなかなかないような。付け合せは炒ったナッツに、生のスライス生姜、パクチー。脇役たちも完璧だ。
透明感あふれる白い肌。肉々しさはあまりなく、にんにくと酸味の強いぷるぷるした食感。生姜と一緒に食べるとまた違ったうまさ。どんなお酒にも合う危険なソーセージだな。
さて、締めはご主人の焼くたこ焼き!
4個、6個、8個と個数が選べます。6個(400円)してみました。ひとつが大きいぞ。8個にしなくてよかった。とろとろ系ではなく、やや固めのタイプです。3つ食べたらお腹いっぱいになってしまった。それにしても本格タイ料理のあとにこんなオーソドックスなたこ焼き食べられるなんて不思議なお店だなぁ。
タイで食べ歩き旅行を堪能し、成田空港に到着して、夜ご飯たこ焼きでいいか〜と買って帰り、やっぱりたこ焼きも落ち着くわ、日本に戻ってきたなあとしみじみする一連の流れを凝縮したような店だ。
以上、町屋「天だこ」でした。私が今まで食べた日本のタイ料理の中では、かなり現地に近いクオリティでした。はっきり言ってしまうと、お店の雰囲気からはまったく想像できないレベルの高さでした(笑)。その意外さもふくめ、人気があるんだと思います。
町屋でタイ料理が食べたくなった時、飲みたくなった時、たこ焼きが食べたくなった時、天だこがすべて叶えてくれますよ。