みなさんはIPAビールというものをご存知ですか?
IPAというのは「インディア・ペールエール」の略称で、「アイピーエー」と読みます。
このビールの特徴は、「苦く、濃く、香り高い」という点です。ホップを大量に使用したことで生み出される濃縮された旨味は、一度口にしたらやみつきになってしまいます。
そんな、いま注目のIPAビールが、なんと原価に近い価格で楽しめるお店があるのです!
新宿にあるVECTOR BEER FACTORY(ベクタービアファクトリー)
東京メトロ丸の内線「新宿御苑前」駅から歩いて3分の場所にあるこのお店。
クラフトビールの人気店「Vector Beer (ベクタービア)」の2号店である「VECTOR BEER FACTORY(ベクタービアファクトリー)」は、「クラフトビールをたくさんの人に楽しんでもらいたい」という思いから、本格的なクラフトビールを原価ギリギリで提供しているのです。
中でもIPAビールに特化しているこのお店は、取り扱っている17種類のビールのうち、なんと10種類がIPAビール!
IPAビールデビューにはもってこいのお店です。
無骨でクールなビアサーバー。
さまざまな工具がビアハンドルになっています。まるでビール工房にいるような気分になれますね。
店の奥には醸造所が!
店内に醸造スペースがあるのは新宿で初だそうです。
笑顔が素敵な店長、三浦さんがお出迎え。
ビールメニュー
ビールのメニューがこちら。
バラエティ豊かなクラフトビールが揃ってますね。どれを飲んでも一律でグラス450円(税抜)、パイント750円(税抜)と破格のお値段。
一般的なビアバーでクラフトビールを頼めば、グラスで700円、パイントなら1,000円以上はかかります。そう考えると、かなりのお得さですね。
一杯目のビールは【COEDO 毬花】
IPAビールの中ではアルコールが軽く、4.3%しかありません。しかしいくら軽くてもそこはIPA、しっかりとした苦味と香りは健在で、飲みやすくかつ華やかな香りを楽しめるビールです。店長曰く、IPAを初めて飲む人や、飲み慣れていない人にオススメ。
料理にも合うので、フードとともに一杯目で選ぶとツウっぽいかも。
二杯目は【志賀高原ビール IPA】
国内のクラフトビールでは箕面(みのお)のビールと並んで二大巨頭といわれる志賀高原ビール。クラフトビール好きがベストに挙げることも多いです。三浦店長がクラフトビールを好きになったきっかけでもあるそう。少し甘めで上品なモルトの香りが効いた完成度の高いビールです。
無濾過のビールは二次発酵などにより日が経つごとに味が変わってくるので、来るたびに飲み比べをする楽しみも……。
三杯目は【所沢ビール ザ・ダークホース】
ブラックIPAと呼ばれるこのビール。苦味がありつつも飲み口がドライでキレがあり非常に飲みやすいです。埼玉というと川越のコエドビールが有名ですが、所沢のビールも負けてはいません。ローストされた麦芽によるコーヒーのような風味と、ホップの華やかな香りが絶妙にマッチした一杯。
四杯目は【箕面ビール W-IPA】
W-IPA(ダブル・アイピーエー)というのは、アルコール度数、香り、濃さすべてがIPAよりも強いというスゴイやつ。一杯目にご紹介した「COEDO毬花」の倍のアルコール度数があります。ただこのビールはW-IPAの中でも甘みがあり飲みやすいので、気持ち良くグイグイ飲んでいると酔っ払っちゃうかも。シメに飲む人が多いとか。
この店一番人気のフードメニュー【お肉のカルパッチョ】
ここで一旦フードメニューのご紹介。
「いちぼ肉」と言われる牛のお尻の肉を使ったカルパッチョです。三浦店長がフレンチのシェフをしていた時の経験を活かして作られたメニュー。
6時間岩塩でマリネにした後、赤ワインに一晩中漬けて完成するのがこの逸品。塩分は最初のマリネの時以外は使わず、肉のうまみを生かした料理となっています。
ビールと一緒に食べると、口の中でマリアージュされることにより、ビールのホップの香りがより一層引き立ち、絶品です。
いろんな種類が飲みたい人にオススメの【3種飲み比べ】
左から【ベアードブルーイング島国スタウト】【胎内高原ヴァイツェン】【バラストポイントスカルピンIPA】
3種類のビールが1000円で飲めるお得なメニューです。タイプや色合いの違うものを選ぶと楽しいかも。最初にこれを頼んで、そのあと気に入ったものを頼む人が多いです。飲み比べで全種類制覇しようとする人も。
【胎内高原ヴァイツェン】
ヴァイツェンとは、いわゆる白ビールのこと。大麦ではなく小麦を多く使ったビールです。フルーティーな香りが特徴の白ビールですが、このビールはバナナのような香りがします。バナナの風味が強い甘いビールなので、苦いビールが苦手な人や、女性の一杯目にオススメ。
【ベアードブルーイング島国スタウト】
こちらはスタウトと呼ばれる黒ビール。ローストした麦芽の香りが特徴です。先ほどのブラックIPAとの違いは、麦芽の量を控えているため、焙煎した麦芽の香ばしい芳香を純粋に楽しめます。コーヒーのような風味。というか、もはやビール風のコーヒーと言っても差し支えないような味です。コーヒー好きな人にも人気なんだとか。
【バラストポイント スカルピンIPA】
アメリカ・サンディエゴのビール。かなり大量にホップを使用しています。バラストポイントというのはビール好きには世界的に人気のブリュワリー(醸造所)のことで、代表作がこのビールなのです。他にも「グレープフルーツ スカルピン」などの亜種もあるんだとか。香りがものすごく強く、口にすると鼻からホップの香りが抜けていきます。
ゲップまで美味しいと言われるIPAビール。
無濾過のものも多いIPAビールは、気温や時間経過によって味や風味も微妙に変わってきます。何度も店に足を運んで、生き物のように変化するビールを楽しむのもまた一興でしょう。
だんだん気温も上がってきた今日この頃。ビールが美味しい季節が近付いています。普通のビールも悪くありませんが、今年はIPAビールの深い味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後に、三浦店長のお話をもとに、今回ご紹介したビールの分布図を作成いたしました!
【IPAビール分布図】
※胎内高原ヴァイツェンとベアードブルーイング島国スタウトのみIPAではございません。
はじめてのIPAビールに挑戦する方は、この表を参考に、お気に入りのビールを見つけてみましょう♪
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
著者・SPECIAL THANKS
今井辰実
新宿ゴールデン街の元バーテンダー。
お酒と海外小説が好き。
編集/Concent編集部
撮影/末長真