「ねぇ、おっきいパフェ、食べにいかない?」
最近仲良くなった女の子に、そう言われて「こんなに寒いのにパフェ・・・」と少しためらったが、せっかくの彼女からの誘い。
言われるままに池袋のとある店に来た。
小柄な彼女の言う“おっきい”がどのくらいのサイズなのか全く予想できないが、まぁせいぜいファミレスレベルだろう。
予想を上回るサイズ感の巨大パフェを前に唖然
わかりやすく前フリをしていたので、察しのいい方はわかっていただろう。ご覧の通りの“メガっぷり”である。高さは40センチはあるだろうか、彼女の姿が隠れるくらいにおっきいパフェの器をよく見ると、注ぎ口がついている。
もしやこれ、普段はミキサーなのでは……
店主に話を聞くと、15年前の十条本店でこのパフェは生まれたらしい。
店の看板メニューを考えていたときに、近所に住む子どもたちから『皆でわいわい食べられるようなデザートが欲しい』との声がありまして。
当時は、いわゆる巨大パフェは少なかったんですよ。そこで、巨大パフェを作りました。あまりの大きさに、入る容器がなくてミキサーを使って。それが大好評だったんです
最近ブームになっている『メガ盛り』も当時は非常に珍しかったようだ。
そして、やっぱりミキサーだった。
「あなたは何も頼まないの?」
え……あ、パフェは一人で全部食べるつもりなんだ……
しかも、立ちあがって食べ始めたよ!!
いつもは大人しい彼女が、ダイナミックに次々と巨大パフェを口に運んでいく。
甘いものが苦手な僕だが、せっかくなので少しいただいた。 生クリームは気取りのない、素朴~な甘みがした。子どもの頃、近所の喫茶店で食べたパフェの味を思い出すような懐かしい味だ。
てっぺんの生クリームの周りにはハート型のパイとプチシュー。
そこに刺さっているのはポッキー。女子が好きそうなものをふんだんに使ったスイーツたちと、それを取り囲むようにオレンジ、リンゴ、バナナにブルーベリーなどのフルーツが並んでいる。
「イチゴに顔が描いてある!可愛い」と笑う彼女。イチゴは何とも言えない味のある顔をしている。
「オレンジ酸っぱい!けど、この酸っぱさがあるから、またクリームも食べたくなっちゃうんだよね~」心なしか、いつもより口数が多い彼女。
上のクリームの中にはチョコレートアイスがたっぷり詰まっていて、生クリームと、味の変化を楽しめる。
パフェは7~8人前だが、スイーツ好きな女子なら4人で食べきれそうな感じだ。
しかも、このサイズで2800円なので5人もいれば、一人あたり540円か・・・安いな。
誕生日会や女子会で頼めば、大人数だから安上がりかつ、見た目のインパクトがあるので女子は盛り上がるだろうな。
だが果して、彼女ひとりですべて食べきれるのだろうか……。
旨辛すぎる餃子スープとラム肉つくねの変化球コラボ
ヒマラヤスパイシースープMOMO
パフェと格闘中の彼女の横で僕は、『ヒマラヤスパイシースープMOMO』【¥834】を食べた。
MOMOとは、もちもち皮に具材をつめた手作り餃子のことらしい。真ん中に火がついていて、スープが冷えないようになっているのだが、少し店内が暗いので、それがキャンドルのように優しく揺れ、ちょっと幻想的な雰囲気に。
まさか餃子スープでムードが盛り上がるとは予想外……
「はい、どうぞ」と、彼女が気を利かせて取り分けてくれた。
器もMOMOひとつぶんサイズでかわいい。ちょこんとしている。
一口食べてみると…普段、口にする餃子とはちょっと違い、異国の香辛料の香りはふわっと広がる。それと同時に毛穴から汗が噴き出した。
辛い!けど、ウマい。
皮がしっかりしていて歯ごたえもあり、そこに絡む旨辛いスープ。病みつきになりそうだ。 これはビールが飲みたくなる。いや、飲むしかない。
店員さんにオススメを聞き、イタリアのビール・MORETTI【¥894】を注文した。軽い喉ごしで、一杯目のビールにはもってこい。スープで旨辛くなった口がスッキリとリセットされた。
“インド風つくね焼き”のシークカバブ
次に注文したのはラム肉と鶏肉をつかった“インド風つくね焼き”のシークカバブという料理。真ん中に棒を刺して焼いていたのか穴が空いていて、見た目はちょっとちくわに似ている。
ラム肉独特の風味が広がり、噛むと口の中ですぐに崩れるほどの柔らかさ。
これもまたビールによく合う料理だった。こらえきれずにもう1本。
バリ島3大ビールのうちのひとつ、BINTANG【¥612】を頼んだ。
名物のパフェだけでなく、食事系のメニューやお酒も充実しているので、甘いものがそんなに得意じゃない男子も、女子の隣でこうして楽しむことができる。
果して、彼女は巨大パフェを完食できたのか!?
「お腹いっぱい……」と椅子にもたれる彼女。 僕がビールとつくねで一杯やってるあいだに、パフェのほとんどをものすごいスピードで食べていた。
「かき氷が少し残っちゃった……」 氷の部分以外は食べきっている。もうこれは、完食だと思うのだが、彼女はとても悔しそうだ。
「夏なら余裕で完食できたのに! ぜったい夏にまたリベンジしようね!」
え・・・・・・?
まだ、僕にチャンスはあるみたいだ。
巨大パフェを堪能したお店
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著者・SPECIAL THANKS
ナカノ
エコロジーがだいすき。 動物愛護とかも、大事にしてる。 多感なお年頃の24歳。
Twitter:@dishdishdishes
編集/Concent編集部