突然の最終回!ガテン系が愛する最強大衆食堂で美味しいアジフライを食べながらさようなら。【フミコフミオの夫婦前菜 部長篇 第53回】

人気連載「フミコフミオの夫婦前菜」です。今回は大磯にあるキング・オブ・大衆食堂的な外観の「善磯」(神奈川県中郡大磯町生沢622)を訪れました。ご飯がドカベンという事前情報に戦慄し、思わず「ゴハン軽め」のオーダーをしてしまったフミコフミオさんですが、サクサクのアジフライと白米のコンビネーションにはいたく感激した模様。また店員さんの心温まるおもてなしや、壁一面に貼られたメニューがまぶしい大衆食堂のお手本のような内観・外観など、知られざる名店の魅力をあますことなくレポートしていただいております。 (大磯のグルメランチ

突然の最終回!ガテン系が愛する最強大衆食堂で美味しいアジフライを食べながらさようなら。【フミコフミオの夫婦前菜 部長篇 第53回】

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フミコフミオの夫婦前菜は今年の7月で連載5周年を迎える。5年はそれなりに長い時間だ。冷酷なぐるなび「みんなのごはん」編集部から、お祝いがあるにちがいない。そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。先日、編集担当からメールが届いた。「お世話になっております」いつもと変わらない挨拶。原稿の催促である。ここにきて5周年のお祝いをスルーするつもりなのか。嫌な予感がよぎる。そして「まことに残念ですが…」という文章が続く。これだけお願いしても、お祝いはないのか…。スターライターとの接待で交際費が尽きてしまったのだろう。しわ寄せはいつも弱者だ。

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▲今回のお店の駐車場。「お食事中」ではない場合があるのだろうか謎だ。

事態はより深刻であった。5周年祝いどころか、5周年を直前に控えたこの時期に当連載の終了が伝えられた。きっつー。原稿料をあてにリフォームのローンを組んだのにどうしてくれるんだ。前回の編集部批判が致命傷になってしまったのかもしれない…と反省していたら、「みんなのごはん」自体が更新終了とのこと。がびーん。未来を見すえて強く生きるしかない。とはいえ僕はすでに45才。未来に過度な期待は禁物である。だから未来の先の転生を見据えよう。生まれ変わったら連載に人生を左右されない強い存在になりたい。とりあえず力が欲しい。権力。神奈川県の大磯は古くからの別荘地である。政治家や資産家、作家といったエグゼクティブが集う土地の空気を吸えば彼らに近づけるかもしれないと考え、彼の地へ飛んだのである。

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▲キングオブ大衆食堂な外観。大衆食堂のすべてがここにはある。

今回のお店は神奈川県大磯町にある善磯さんである。JR大磯駅から徒歩約1時間というナイス立地にあるザ・大衆食堂という感じのお店で、聞くところによると、ご飯がドカベンとのこと。期待しかない。

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▲周辺はこんな感じ。特になにもございません。

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▲コーク&お食事処。和洋折衷なムード。

ランチタイムのお店はワークマン的な服をお召しになられた作業員風の男性が数人いらっしゃった。「ごっつい人たちだなあ」と見つめていたら軽くメンチを切られてビビる。美味しい食堂あるあるな感じの壁いっぱいメニューが嬉しい。

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▲壁にメニューがたくさん並んでいるだけでテンション爆あげ。

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▲キス定食、玉子丼、エビ定食あたりが気になる。ラーメンと和麺もあるよ。

 

エビ丼とキス定食に気持ちを揺さぶられながら、アジフライ定食(700円/税込)を注文。ドカ盛りで有名なお店なので、連載が終わってしまう悲しみと心身の衰えからくる弱気から「少し軽めにお願いします」と店員さんに依頼。もし妻が同伴していたら、「はーん。男子たるもの『ゴハン軽め』なんて笑止千万。冗談ですよね。そういうの求めていないから」と脅迫されて超特盛を頼まざるをえなかっただろう。妻不在に感謝。それでもドカ盛りのお店である。多少軽めであっても相当量のライスが来ることに戦慄して待っていると、「アジフライお待たせしました!」という声。早っ。

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▲アジフライ定食(700円/税込)

アジフライ定食どーん。もうねアジフライが完璧な構図で立っているのがたまらん。黄金色が神々しい。そしてフライ自体がひとつひとつ大きい。厚い。熱い。そしてご飯が茶碗じゃなくてドカベン。

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▲これで軽めって…。

この大きさで軽めである。なおオカワリも可。「マジかよ…メタボ一直線じゃねえか」と絶望していると、店員さんが僕のところへ来た。ああ、ボクの絶望を汲み取って軽くしてくれるのだな…これが日本の接客業の誇るOMOTENASHIだよね…と感動していると違った。「少し軽めというところをかなり軽めに盛ってしまいました。おかわりしてくださいね!」マジかよ。ガテンなお客さんのゴハンのありようを盗み見るとドカベンの器に富士山のように白米が盛ってありました。もち、追加料金なし。

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▲完璧な構図。すべての要素がキマっている。

アジフライはボリュームもさることながら、サクサクの揚げたて。新鮮なのかな、アジの風味も残っていてすげえ美味しかった。たまらずライスの上にのせてアジフライ丼の要領で食べてしまう。

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▲毎度おなじみ白米大正義の図

ソースのかかったフライの粉のかかった白米のうまさったらないぜ。まさか神奈川の大磯の奥地でこんなフライを食べられるとはね。サイコーである。大磯に来る機会があったら絶対に立ち寄っていただきたいお店であった。

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▲アジフライが大きい!熱い!美味しい!嬉しい!大好き!

さて、5年の超長きにわたってお届けした当連載であるが、僕の意思ではなく、もろもろの事情により今回でおしまいである。読んでくださった奇特な皆さんには感謝しかない。家のリフォームのローンで懐が苦しいので、これを読んでくださっているウェブメディアの関係者の方々からのご依頼をお待ちしている。同情はいらない。同情するくらいなら金をくれ!

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▲人気ツイッタラーの河野さん発見!

今回のお店 

善磯
〒259-0102 神奈川県中郡大磯町生沢622

書いてる中間管理職

フミコフミオ

海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です(再就職しました)。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。最近は諸行無常を嘆く日々。更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!

ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/

ツイッター:https://twitter.com/Delete_All

                             
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