私事で恐縮だが、夏バテで体調を崩し、体重が1ヵ月足らずで7キロも減ってしまった。情けない。そんな僕の様子を、人の心あるいは夫婦愛ではなく経済的事情から心配した妻が「夏バテにはお肉。焼き肉を食べましょう。ご馳走しますよ」と提案してきたので地元の超人気焼肉店に行くことになった。
焼肉ざんまいは、藤沢を中心とした湘南エリアで展開をしている焼肉屋さんで、実は数年前、知り合いから情報聞いてうかがったことがある。そのときは、お店の前に行列ができるほどの盛況ぶりに、泣く泣く撤退してきた。苦い記憶である。爾来、ざんまいは僕の憧れで在り続けていた。ちなみに店のHPに「肉の力 お肉は笑顔の源 笑顔は力の源 力は長寿の源」とあるが至言すぎるぜ…。
その、ざんまいへ、妻の財布で、いける。バンザイ!「じゃあ、開店午後5時だから30分前に並べばいいよねー」と提案すると、妻は、あなたは阿呆か、ふざけるのもいい加減にしなさい、と極めて強い口調で叱責してきた。妻の情報に拠れば、店前に名前と人数を記す紙があって、そこに記入した順番で店内に入れる、ただし名前を呼ばれたときその場にいないとアウト!、あとから人数を増やすのもアウト!という、シンプルかつ焼肉強食ならぬ弱肉強食な予約システムになっているので、思い立ったらすぐに店へ向かわなければならない、さもなければ死ぬ、らしい。
「まさかw今はまだ午後1時だよ」つって現地に足を運び、お店のある建物を見上げると、人気はなく、静まりかえっていた。ほらね、つって2階にあがり店舗の前に設置されている、名前と人数を記す紙を確認すると、すでに4組もの名前が記入されている。背後に妻からの、ソラミタコトカイワンコッチャナイという冷たい視線を感じつつ筆を走らせる。開店4時間前から戦いがはじまっている仁義なきっぷりに恐れつつ、5組目なら、第1弾でお店に入れると安堵した僕なのである。
▲実在を疑われている妻。古民家を改修してカフェを始めた人が着ていそうな服をお召しになられてます。
午後5時10分前。つまり午後4時50分にふたたび店を訪れると人だかりができていた。例の紙を見るとすでに14組の名前が書かれていた。名前を呼ばれて、店に入り、とりあえず生中とカルビ上、牛タン塩、ヒレおよびサイドメニューそれぞれ2人前をオーダーすると、スタッフの方がきわめて親切な感じで「当店のお食事はボリュームがあるので1人前でも十分ですよ」と教えてくれた。
▲とりあえずの生ビール
ふざけているのか。ふたりで肉を食べにきたのだ。2人前だろ普通!というこだわりはまったくないので、1人前に変更した。上カルビだけ2人前を維持したのは妻のつまらないプライドでございます。妻に言わせると「利いたふうな口をきくな~~~」だそうです。
▲重量感抜群のざんまいサラダ…嘘みたいだろ…それ標準なんだぜ…。
まずざんまいサラダがどーん。これで350円の通常サイズというのだから驚きである(小さいサイズもある)。肉を食べに来た者を草食動物にするつもりなのか。これだけのサラダを食べたら草食恐竜になってしまいそうなものだ…とジュラシック・ワールドを観た直後の僕は思った。妻は「このサラダわたしの顔よりも大きい!」と大嘘を述べ、バカも休み休みいえって感じだったけれども、同意を求められたので、今後の生活を穏便にするために同調しておいた。こうやって小さな嘘が大きくなるのだね。
つづいてお肉戦隊の登場!
▲上カルビ 王者の風格
▲タン塩
▲ヒレ
これで一人前(カルビは2人前)。どれも厚くて肉肉しくて最高である。おすすめメニューの骨山カルビが気になりすぎるが、まずは戦隊をクリアしてからだろう。周りをみると、開店直後から席は満席であった。そして、僕は半ライスに逃げてしまったが、大ライスを頼んで豪快に焼肉をオンして食べている若者が多い。そして大皿に盛られた肉をガツガツ食べている。胸やけや胃腸の不調とは無関係の彼らがうらやましいかぎりである。
▲世界一幸せなサークル活動
お肉はリーズナブルでボリュームがあって大満足である。肉のクオリティもちょっとこの価格では考えられないくらいで、たとえば、妻は噛みきれないようなカルビ肉に遭遇すると、きわめて不機嫌になってしまうところだが、このお肉は柔らかくジューシーなので、そのような事態にはならなかった。ざんまい、バンザイ!
これらのお肉はシンプルに焼肉のタレにつけてライスにオンして食べるのが大正義だと僕は思う。
▲焼肉オンライス=無敵の図
他には何もいらない、といえる幸せが口いっぱいに拡がる。もう少し若ければ大ライスで焼肉無双してるところだが、悲しいかな、僕は明日の胃腸を気にする44才。これだけがあれば僕はいい…と思っていると気になるビラが…。
▲気になるビラ
国産牛骨山カルビだ…と…。骨山という名のくせに「骨はついてません」がミステリアス 。これはもう頼むしかあるまい。勢いのままオーダー。そしてあらわれた限定メニューがこれだ!
▲骨山カルビどーん。
見よ骨山カルビのこの神々しさを。なんと美しい盛り付けなのだろうか。これがまた一人前の量だから驚きである。カルビよりも噛みごたえのあるお肉でジューシーでございました。限定なのがもったいない!
妻はざんまいクッパというサイドメニューを知らないうちにオーダーして食べはじめていた。こちらも見た目は真っ赤でボリュームもあるが味についてはコメントできない。なぜなら、ひとくちも食べさせてもらえなかったからである。見た目だけでも美味しさは伝わるけどね。
▲妻ひとりで食べてしまうの図/シェアという概念がないらしい。
お腹いっぱい肉を食べ終えると、妻は「肉で元気になりましたか?」と尋ねてきた。「ああっ…こんなふがいない僕のために焼肉をご馳走してくれるなんて…」と胸がいっぱいになってしまっていると「ご馳走サマー」だって、普通にお会計は僕でした。まあうすうす気づいてはいたけれどね。大人気の焼肉ざんまいはボリュームもコスパもサイコーなので超オススメという話でした。ではまた。
今回のお店
書いてる中間管理職
フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です(再就職しました)。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。最近は諸行無常を嘆く日々。更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!
ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/