突然ですが皆様、こちらの写真左が「塩フリージング」した鯵(アジ)を解凍したもの、右が「そのまま」冷凍した鯵を解凍したものの写真です。
右の写真の鯵は色味がなくなり白っぽくなっているのに対して、左側は魚本来の色味が残っているのが分かります。味もそうなんです。塩フリージングした鯵は解凍後も赤身や脂身が残っており、断然おいしいんです。
食材をまとめ買いして、片っ端から冷凍冷凍……という方も少なくないと思います。でも冷凍しすぎて食材本来の香りや旨味が半減しちゃうのでは…なんて思っている皆さん!
先ほどちらっとお話しした「塩フリージング」なら冷凍食材でも美味しさキープ!
今回は冷凍が捗りまくる塩フリージングについて、食材別にご紹介します。
塩フリージングって何?
「塩フリージング」とは今話題の新しい冷凍方法。
冷凍・解凍後も食材の鮮度や美味しさを保てるということで昨年から冷凍派の人たちの間で話題になり、じわじわと注目されています。
塩フリージングの主な方法は「塩をふる」「塩水に漬ける」「塩ゆでする」の3つ。食材によってこれらの冷凍方法を使い分けます。
塩フリージングのここがすごい!
- 塩に漬けるだけ、振る、塩ゆでするだけなのでとっても簡単!
- 食材の美味しさ、旨味が増す!
- 解凍後、調理する際に味付け不要でも美味しい!
- 冷凍しても食材の鮮度が保てる!
- 冷凍臭さがほとんどない!
一尾丸ごと!お魚フリージングの基本
<材 料>
- お好みのお魚
- たっぷりの水
- 1%の塩水になるための塩(水500mlなら塩5g)
1. 内臓・ウロコ・ヒレなどはついたままの状態で、水で洗い表面の地や汚れを洗い流す。特に肛門付近は血が出てきやすいのでキッチンペーパーでキレイに拭き取りましょう。
2. 約1パーセントの塩水を作り、冷凍用保存袋に入れる。
3. 2.に魚全体がしっかり浸かるように漬け、空気を抜いて密封し冷凍庫で急速冷凍する。
※アルミトレイ・バッドなどに載せて冷凍すると、冷気が均一に伝わりキレイに冷凍できます。
鮮度そのまま!アジのカルパッチョ
<材 料>1人分
- 塩フリージングしたアジ …半身(大きさによる)
- 玉ねぎ …1/4個
- EXヴァージンオリーブオイル …大さじ1
- ベビーリーフ …適宜
- ピンクペッパー …(あれば)適宜
<作り方>
- 塩フリージングした鯵を冷蔵庫で1日かけて解凍する(急いでいる場合は保存袋ごと流水で解凍してもOK)。
- 頭を切り落として内臓を取り除き、キレイに洗ったら3枚におろす。皮を剥ぎ食べやすい大きさにスライスする。
- 玉ねぎは薄切りにしてから5~10分水にさらす。ベビーリーフ、トマトはキレイに洗う。レモンはくし切りにする。
- 皿に水気を切った玉ねぎを敷き、その上に鯵を並べる。ベビーリーフ、トマト、レモンを盛り付ける。オリーブオイルを回しかけ、あればピンクペッパーを飾る。レモン汁を絞って頂く。
これは冷凍していたとは思えぬ美味しさ!
塩水に漬けて保存していたことで鮮度が保たれ、適度な脂身もしっかり健在。切り身をラップに包んで冷凍するより断然おいしい。
解凍後に内臓などを処理する手間はありますが、処理してから冷凍すると身が水っぽくなってしまうので美味しさを優先したい人は断然この塩フリージング方法がおススメです。
旨味アップ!!お肉の塩フリージングの基本
<材 料>
- お好みのお肉
- お肉の重量の1%の塩(お肉200gなら塩2g)
1. 肉の重量の約1パーセントの塩を用意する。
2. 肉の両面に塩をまんべんなくふりかけ、なじませる。
※鶏もも肉(皮つき)の場合は皮面にフォークで数ヶ所穴をあける。
3. ラップでぴっちりと包んだ後、冷凍保存用袋に入れて冷凍庫へ。
超ジューシー!鶏もも肉の塩焼き
<材 料>1人分
- 塩フリージングした鶏もも肉 …1枚
- レモン …1/8個
- ベビーリーフ …適宜
- 赤パプリカ …適宜
- ミニトマト …適宜
- オリーブオイル …小さじ1
- ローズマリー …(あれば)1本
<作り方>
- 塩フリージングしたお肉を冷蔵庫で1日かけて解凍する(急いでいる場合は保存袋ごと流水で解凍してもOK)。ベビーリーフ、トマトはキレイに洗う。レモンはくし切りにする。
- フライパンにオリーブオイルをひき、鶏もも肉を皮目から強火で焼く。皮目にほどよい焦げ目がついてパリッとして来たら裏返し、蓋をして中火で3~5分蒸し焼きにする。中までしっかり火が通ればOK!この時、もしあればローズマリーをのせると良い香りがつきます。
- 皿に2.をのせベビーリーフ、トマト、レモンを盛り付ける。
塩フリージングした鶏もも肉を解凍して焼いただけなのにとってもジューシー!
冷凍臭さもなく、肉質も柔らか。忙しい日のお昼ごはんや夜ごはんに重宝しそう。ラタトゥイユやトマトソースでアレンジしても美味しいですよ!これは常に常備しておきたいおかずです。
野菜の塩フリージングの基本
<材 料>
- お好みのお野菜
- たっぷりのお水
- 1%の塩水になるための塩(水500mlなら塩5g)
1. 鍋に湯を沸かし、約1%の濃度になるよう塩を入れる。
2. 野菜類はキレイに洗い、食べやすい大きさに切る。
3. 沸騰したお湯で野菜類を30秒~2分茹で、ざるに上げる。
*パプリカやブロッコリーは約30秒、人参やジャガイモなどの根菜類は約2分。
*ゆでた後は水にはさらさない。
4. 3.ラップでぴっちりと包んだ後、冷凍保存用袋に入れて冷凍庫へ。
解凍するだけ!簡単ホットサラダ
<材 料> 1人分
- 人参 …2cm
- ジャガイモ …3cm
- レンコン …2cm
- ゴボウ …7cm
- 赤パプリカ …1/4個
- ブロッコリー …1/8株
※根菜類は約1cm幅にスライス、パプリカやブロッコリーは食べやすい大きさに切って塩フリージングしておくと便利。
<作り方>
- 塩フリージングしたお野菜を冷蔵庫で半日~1日かけて解凍する急いでいる場合は保存袋ごと流水で解凍してもOK)。
- 電子レンジ(600W)で根菜類なら2~3分、その他は約1分加熱する。
- 皿に盛り付ければ完成!そのままでも美味しいですが、お好みでオリーブオイルやレモン汁をかけてもOK。
冷凍する際の塩分がそのまま味付けとなっているので、温めた後は基本的に味付けせずそのままでも十分美味しい!
忙しい朝やお弁当、残業帰りの夜ごはんにあると重宝します。もちろんお肉などと炒めてもOK。下ごしらえの時間が省略でき、時短調理が叶います。
忙しい毎日の中でも、どうせ食べるなら少しでも美味しいごはんが食べたいですよね。とっても簡単なのに食材の鮮度が保たれ、しかも美味しくなる塩フリージング。
仕事や子育てで忙しい人達や、寒さで引きこもりがちな人たちにとって買いだめ&冷凍生活はやめられないもの。結果的に時短調理にもつながる塩フリージングは、まさにいいこと尽くし。忙しい毎日に重宝すること間違いなし!
是非お試し下さい。
著者プロフィール
インナービューティー研究家・フードコーディネーター
國塩亜矢子(くにしおあやこ)
女子栄養大学認定・食生活指導士1級。
日本野菜ソムリエ協会認定・べジフルビューティーアドバイザー、調味料ジュニアマイスター。
「旬食美人学」主宰。広告企画営業職、人事・採用職などを経験し、結婚後は食の世界へ転身。現在は「働く女性・頑張るママの元気とキレイを応援したい」「正しく楽しく食べてキレイ&健康に」 という想いのもと、「インナービューティー」を軸とした自宅での少人数制レッスン、メディアでのコラム執筆・レシピ開発等の仕事を通じ、「食×美」についてのエッセンスを伝えている。 また、フードコーディネーターとして雑誌・販促物などの制作にも携わる。 出産後は1児の母として、離乳食レシピはもちろん 妊活・マタニティ・授乳ママレシピの開発にも積極的に取り組み、女性のライフステージごとに関わる「食」の大切さを幅広く発信中。
★著書「決定版!節約・冷凍レシピ」(宝島社)
★ブログ:「旬食美人学~Let's enjoy meals & beauty !~」
★HP:「旬食美人学」
http://syunsyokubijingaku.jimdo.com/
(編集・レシピ監修:河瀬璃菜/フードクリエイティブファクトリー)