台湾の名店直伝!博多「釘本食堂」のモチプル&ジューシーな煮込み豚足が美味すぎてご飯やビールがたまらなく欲しくなる

福岡の夏の伝統行事・博多祇園山笠で、追い山笠コースになっている西町筋の道路沿いに建つ豚足料理専門店「極上豚足 釘本(くぎもと)食堂」(福岡県福岡市博多区店屋町6-29)をご紹介します。 台湾の名店・富覇王(フーバーワン)直伝という「豚足」は、ベースとなる煮汁作りから下処理、煮込みまで約12時間を要して作る という逸品。モチプル食感で骨離れもよく、ジューシー。ほどよい濃さの甘辛ダレで、ご飯もビールも進みます。 人気定食店・キッチン 米一のレシピで作られる、「若鶏のからあげ」も必食ですよ。(川端・祇園のグルメ中華)

台湾の名店直伝!博多「釘本食堂」のモチプル&ジューシーな煮込み豚足が美味すぎてご飯やビールがたまらなく欲しくなる

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ヘルシーで、コラーゲンがたっぷり含まれる豚足。日本のお隣・台湾では、伝統的な美食としてだけでなく、厄を払い幸運を呼び込む縁起物としても国民に愛されています。

 

福岡では塩焼きが一般的なのですが、台湾では醤油味で煮込んだものが主流。現在台北では、「富覇王(フーバーワン)」という店が人気だそうです。

 

今回は、その「富覇王」の豚足と出合ったことがきっかけで誕生した、煮込み豚足専門店「極上豚足 釘本(くぎもと)食堂」をご紹介します。

 

謝さんの豚足に込める“スピリット”を継承する店

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博多駅博多ふ頭を結ぶ大博通りが街の中央を貫く、呉服町にやってきました。中世においてこのエリアは、日本最大の貿易港湾都市として栄えた場所。オフィスビルが立ち並ぶ大通りから一歩路地に入ると、当時の面影を残す寺院や古い町並みが点在します。

 

目指すお店は、ここから歩いて3分ほどの場所に位置。福岡の夏の風物詩・博多祇園山笠の追い山笠コースである、西町筋沿いにあります。 

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福岡都市圏で素材にこだわった定食が評判の「キッチン米一(こめいち)」「キッチンよい一日」を運営する、「米一」の新業態店として2015年にオープン。

 

女性1人でも入りやすそうなキレイでスタイリッシュな外観と、“極上豚足”と書かれた真っ赤なちょうちんが目印です。

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黒を基調とした縦長の店内には、カウンター席とテーブル席を配置。平日のランチタイムには、近隣で働く会社員やコラーゲン女子で満席になります。

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まず店に入ると、「富覇王」と同様、豚足がたくさん煮込まれている大きな寸胴鍋が目に飛び込んできます。ガラス張りの窓の外から見える中の光景は、まさに台湾の露店のよう。店主が豚足の調理をする姿をライブのように見ることができ、それがまたおいしさを増幅させます。 

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豚足は持ち帰り可能です。この日も、近隣住民らしき人がひょこっと現れて、「1つちょうだ~い」と、豚足を購入していました。弁当メニューもあり、多彩なシーンで豚足を楽しむことができます。

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台湾旅行で出合った「富覇王」の豚足のおいしさに感動したことが、この店を始めたきっかけだったという、店主の釘本さん。“福岡でこれを再現したい!”と、試作品を作っては「富覇王」のオーナー・謝さんがいる台湾へ持っていき、アドバイスを懇願したそうです。

 

そんな釘本さんの熱意に心を動かされ、謝さんも徐々に心を開くようになります。今では、厨房まで招き入れて「何でも聞きなさい」と言ってもらえるような関係にまでなったそう。こうして釘本さんは、謝さんが30年以上にわたって作り上げ、いまでも改良を重ねているというレシピを習得することができました。

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卓上には、釘本さんと謝さんのツーショット写真が載ったポップがありました。文章には、謝さんへのリスペクトと釘本さんの豚足愛を感じる言葉がいっぱい。読み進めるうちに、“この豚足を早く食べてみたい!”という気持ちになりました。

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煮込み豚足の専門店らしく、メニューはシンプルです。豚足定食は、「A定食」(700円)と「B定食」(880円)のみ。違いは、厚揚げと煮玉子が付くか否かになります。

 

「若鶏のからあげ定食」(850円)は、豚足が苦手という人にも店を利用してもらえるようにと用意。鹿児島県産の若鶏を使用し、揚げ物に定評がある「キッチン米一」のレシピで作られた唐揚げを、できたてで楽しむことができます。 

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通し営業の店であるため、いずれの定食もフルタイムで注文OK。豚足・煮玉子・厚揚げ・ゆで野菜・みそ汁・ご飯・漬物・唐揚げのすべてが単品注文OKなので、お財布やその日の気分にあわせて自由な組み合わせができます。

 

今回は、この店の魅力を一通り堪能しようと、「豚足B定食」に加えて単品で「若鶏のからあげ」3個(480円)をオーダー。できあがりを待つ間、釘本さんにお願いをして、調理の様子を特別に見学させていただきました。

 

“極上豚足”のおいしさの秘密に迫る!

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謝さんのレシピは、“いかにして豚足そのもののうまみを生かすか?”ということにこだわりがあります。

 

ベースとなる煮汁作りでは、約8時間をかけてじっくり煮込むことで、豚足の身だけでなく、骨からもうまみを抽出。日々継ぎ足して使うことでうまみを増幅させ、くどさや後味をなくしていきます。

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煮汁ができあがったら、そこに再び豚足を投入。豚肉のうまみを消さぬように醤油と砂糖だけを加えて、さらに約4時間ほど煮込みます。台湾料理特有の香辛料である八角も不使用。こうすることで、重厚なうまみをたっぷりと含んだ、“極上豚足”が完成します。

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「富覇王」にはない、日本人向けのアレンジもあります。使用する豚足は、国産の状態が良いものを使用。醤油はこの店のオリジナルで、本場よりも甘めに仕上げられています。

 

 豚足は下ゆで後、毛を丁寧にバーナーで焼き、焦げ付いた場所はタワシでこすって除去。食べやすいように細かく切り分けるところもポイントです。

 

ガッツリ派に人気の組み合わせでこだわりの味を堪能!

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注文したメニューが、テーブルにそろいました。栄養バランスもバッチリ。たっぷりパワーチャージができそうです(笑)。まずは、この店の看板である豚足からいただきます。

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濃い褐色のタレで長時間煮込まれた豚足の身は艶があり、プルンプルン。箸でつまんだだけで骨から離れるので、手を汚す心配もありません。

 

味は見た目ほどコッテリしておらず、絶妙な甘辛さ。口の中に豚足のゼラチンと肉とタレのうまみがふわっと広がって、その余韻でご飯が進みます。

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卓上には、3種の薬味がスタンバイ。左から柚子胡椒からし一味唐辛子になります。味に変化をつけたい時にどうぞ。

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「富覇王」のメニューにもある煮卵と厚揚げ。厚揚げは、福岡市東区の三星食品が研究を重ねて作り上げた逸品を使用します。どちらも、うまみがたっぷり含まれる豚足の煮汁でじっくり煮込んで作られたもの。味がしみこんでいて、これまたご飯が進みます。

野菜は、キャベツ・小松菜・モヤシをこの店でとったガラスープでゆで、少し濃いめの豚足の煮汁を上からかけたものを用意。素材本来のうまみが感じられ、シャキシャキ感もいい塩梅でした。

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辛子高菜以外の漬物は、釘本さんお手製。100年物をブレンドしたぬか床で、あっさり優しい味わいに仕上がっています。米は、大分県玖珠産のひとめぼれを使用。白ご飯単体で食べると、よりいっそうそのおいしさを感じることができます。

 

定食での注文した場合、ご飯の大盛りは無料お代わりは1杯50円で対応してくれますので、満腹感を味わいたい方はオススメですよ。

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単品で注文した「若鶏のから揚げ」も美味。注文を受けてから揚げるため、できたてで衣はサクサク、鶏肉はジューシー。「キッチン米一」と同様、米油で揚げているそうなので、とってもヘルシーです。

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締めは、残った煮汁をご飯にイン!最後の一滴まで味わい尽くし、大満足でした。

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18:00以降は、お酒のおつまみにピッタリな一品メニューが加わります。「豚足ぎょうざ」(7個・520円)が気になりますが、それはまた別の機会に…。

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ドリンクメニューは、ビール・ハイボール・焼酎・日本酒・ワイン・リキュールを用意。台湾ビール紹興酒もありました。

 

オフィスの休みが多い土曜日は、極上豚足をつまみに昼飲みを楽しむ人も多いそう。暑い季節は、ビールを片手に豚足も食べるのもアリだなあ…。

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とにかく、“極上豚足”の看板に偽りなし!本場の台湾に負けない、釘本さんの思いが詰まったおいしい煮込み豚足は、皆さんもきっとトリコになるはずですよ。福岡を訪れた際はぜひ。

  

紹介したお店

r.gnavi.co.jp

営業時間:11:30~22:00(OS21:30)

定休日:日曜・祝日

 

書いた人

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ニシダタケシ

福岡・九州の編集プロダクション・シーアールに所属。生まれも育ちも福岡という生粋の九州男児。

流行りもの&甘いもの好きで、嫌いな食べ物はほとんどなし。「毎日完食!」をモットーに、小さなカラダで福岡のおいしいものを食べ歩きます。

                             
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