鹿児島市役所のすぐ近くに昭和レトロな一画があります。
「名山堀」と呼ばれるそのエリアに、毎週水曜日だけ出現する沖縄そばの露店があり、近隣のサラリーマンを中心に行列ができる人気を集めているそう。鹿児島と沖縄は隣県なのに、実は沖縄そばが食べられる店はほとんどないのが実情。「沖縄そばとは珍しい!」ということで早速出かけてみました。
↑車1台が通れるだけの幅しかない路地ですが、、、
↑軒先に出現したお店。突き当りのビルは鹿児島市役所東別館
そのお店とは「ホンダ食品」。天文館一帯を中心に鹿児島市南部の谷山や北部の吉野、姶良市などのラーメン店に卸す製麺所で、鹿児島の麺業界で有名な会社のOBによって設立され、社員でもあった山口さんが引き継いで7年ほどになるそうです。そんな製麺所で沖縄そばの販売がスタートしたのは約1年前。山口さんが沖縄に赴任していた頃にファンになった沖縄そばを、工場の定休日である水曜日のランチタイムだけ提供しています。
↑12:00を過ぎると途端にお客さんが増える
普段は店舗に卸すだけでなく持ち帰り用の生麺もここで販売しているので「持ち帰り用の試食と宣伝を兼ねて」工場の軒先で販売することになったそうです。そのため沖縄そば1杯250円というリーズナブルな価格設定になっているのです。
沖縄そばの麺は小麦100%、塩とかん水以外は添加物なし。見た目はうどんですが、一般的なうどんよりコリコリとしてしっかりとした食感があります。
↑コシありすぎ!の沖縄そばの麺
またあらかじめ仮茹でしてあるのでオーダーが入ってから麺を茹ではじめても1分足らずで提供できます。
スープはお湯に溶かすタイプのインスタントですが、数種類のスープからこの麺に合うものを選んだとあって、コクはありますがあっさりとした味わいです。
豚骨ベースのスープですが「豚骨」と言われなければ鰹節や昆布だしと勘違いする人もいるほどです。
このままでも美味しいですが、45度の泡盛に沖縄の唐辛子を漬け込んだ山口さんお手製のコーレーグースを加えると味がピリッと引き締まる感じです。
↑自家製のコーレーグース
さらにこの秋からは鹿児島ラーメン250円も登場!
↑茹でモヤシもたっぷり乗ってます
「店では作れないけれど麺にはこだわりたい」ラーメン店から依頼を受けて、その店オリジナルの麺を製造するホンダ食品、ラーメンの麺は得意分野です。
↑もっちり食感のラーメンの麺
こちらもスープはインスタントですが、豚骨と鶏ガラをベースにしたいわゆる「鹿児島ラーメン」らしいスープをチョイス。もちろん麺との相性も最高です。
また沖縄そばやラーメンだけではちょっと物足りないという人には、いなり寿司2個50円もあります。
これはコンビニエンスストアなどでおにぎりを買ってくるお客さんが多かったのを見て「100円のおにぎりを買うくらいなら」と始めたそう。とことんお財布に優しい価格設定が嬉しいですね。
お客さんのピークも過ぎ、そろそろ営業も終わりというころに山口さんが「スープは残っても麺の残りはほとんどないんですよ」と残飯入れを見せてくれました。確かに麺の残りはほとんどなし、さすが、こだわりのラーメン店から支持される製麺所です。
ちなみに沖縄そばやラーメンは路上のイススペースか、事務所スペースで食べられるほか、丼ごと持ち帰りも可能。
↑出来立て持ち帰りはラップをしてもらえます
また自宅で茹でる生麺タイプの持ち帰りは1人前150円!こちらは毎日販売しているので、気軽に声をかけてくださいとのこと。
↑山口さん(中央)はじめ皆さん、ご協力ありがとうございました!
紹介したお店
ホンダ食品
鹿児島市名山町4-1
☎099-223-0797
営業時間 11:00~13:00
休み 水曜日のみ営業(祝日の場合は休業)
駐車場 なし
おばらけいこ プロフィール
鹿児島は南薩に生まれ、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ旧集成館にほど近い上町エリア在住のフリーライター。
地元タウン誌出身、取材範囲は鹿児島を中心に九州全域の観光関連情報を中心にあれこれ。
芋焼酎のお湯割りと鶏刺しがあればとりあえずご機嫌になります。