新橋でうまい牛丼が食べたいなら、2つの「なんどき屋」を使い分けるべし【東京別視点ガイド ぐるなび支店】

松澤茂信さんによる、東京別視点ガイド・ぐるなび支店です。今回は新橋の居酒屋「なんどき屋」(東京都港区新橋3丁目3−20−4 銀座ナイン)を取り上げます。新橋では吉野家や松屋といった大手牛丼チェーンとはちょっと異なる、新橋独自の牛丼屋さんや居酒屋さんが提供する牛丼メニューがあります。長年愛されてきた「げんき」(閉店)や、真っ黒に煮込まれた独特の「岡村屋」も人気ですが、本日ご紹介するのは「なんどき屋」。居酒屋の人気メニューとしての牛丼と、そこから飛び出した牛丼専門店と、2つの「なんどき屋」を知れば新橋がもっと楽しくなりそうです。(新橋のグルメ居酒屋

新橋でうまい牛丼が食べたいなら、2つの「なんどき屋」を使い分けるべし【東京別視点ガイド ぐるなび支店】

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新橋の居酒屋「なんどき屋」へ

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▲新橋の「なんどき屋」

 

20代半ば、もっとも牛丼づいてたその時分、私は週に10食は松屋で食べていた。ビビン丼に松屋カレー、広大なメニューの海原をあっちこっちに泳いでまわったが、最終的にたどり着くのはやっぱり牛丼。結局、日に二度、松屋の牛丼を食べることもザラであった。

そこから年を重ねるにつれ、松屋の頻度が落ち着いてくると、そこに吉野家がねじ込まれることになる。吉野家はみそ汁がうまい。松屋はみそ汁付きだが、吉野家は別途料金が必要だ。わずか数十円といえども、若いころはその出費が惜しかった。

みそ汁をつけるための代金ぐらいは、ノータイムで決断できる現在となっては、あえて吉野家のみそ汁飲みたさに吉野家に行く。ほんのちょびっと混入している、緑の小ネギが好きなのだ。

 

全国のどこにでもある2大チェーンのおかげで、私の牛丼ライフはおおむね順風満帆なのだが、それはさておき、ときおりローカル牛丼を食べたくなることもある。舌が2大チェーンに慣れすぎているので、たまに、よその牛丼を食べると「こういう牛丼もありなのか!」と驚いてしまう。ときおり舌をビックリさせたい。

 

そんな折、新橋の居酒屋「なんどき屋の牛丼が旨いらしい」との情報をいただいた。

いつなんどきでも酒が飲めてメシが食えるという意味から「なんどき屋」と命名されたということで、こういう居酒屋にしては珍しく24時間営業。

早朝だろうが真昼間だろうか時間を気にせず、酔っぱらえる貴重な存在だ。

 

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メニューも豊富で、一品料理に揚げ物、刺身、卵料理と酒の肴になりそうなものがずらりと並んでいる。

 

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そんなメニューのなかで、ひときわ異彩をはなっているのが牛めしだ。味噌汁、お新香付というところに、たんなる居酒屋メシにとどまらぬ本気度合いを感じる。

 

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入店したのは16時過ぎ。ランチのピークはとうに超え、退社したサラリーマンが集うには早い時間ということもあって、他にお客さんのいない貸切状態。

「牛丼1杯!」と注文すると、「うち、居酒屋だからお通し出す!」と店員さん。あくまで牛丼屋さんではなくて居酒屋ですからね。お通しとして、ひじきの煮物がやってきた。じゃあせっかくだからと、まだ日も沈まぬうちだけれど、ビールも1杯頼んだ。

 

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▲もつ煮込み 400円

 

こうなってしまったら、もつ煮込みもいくのが自然の理。もつをチビチビ食べながらビールを飲んで、牛丼がやってくるのを待つ。

 

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壁に貼られたメニューを眺めて「ハムエッグなんてのもあるのか、いいなあ」と惹かれるけれど、牛丼を食べるまえに腹が膨れては本末転倒。ぐっと抑えて、次回来店の楽しみとする。

 

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▲牛めし並 580円

 

丼にもられたホカホカご飯に、大鍋からすくった牛肉をのせる。

居酒屋のご飯ものはサイズ小さめが相場だが、なんどき屋の牛めしはきっちり1人前ある。味噌汁にお新香までついて580円なら、なんともお得な1杯だ。

 

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しっかり煮込まれたお肉が、つゆをたっぷり吸っていることがとって分かるお肉の黒さ。

ちょっとお肉をよけてみると、ご飯にもつゆが染みて、なんとも食欲をそそる色味の塩梅。

 

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豆腐もこのとおり。

お肉も豆腐もよーく汁が染みていて濃いめの仕上がり。一般的な牛丼よりも、どちらかといえばすき焼きに近いような、甘辛い風味だ。酔った仕上げに食べるなら、これぐらいの味つけがベストなのかも。濃い味が好きな私にとっては、すこぶる旨い。ご飯もモリモリすすむ。

ちょっと一杯やりながら、おいしい牛丼を食べるなら、なんどき屋はとっても良いチョイスだろう。

 

店名:なんどき屋
住所:東京都港区新橋3-20-4
TEL:03-3431-1845
URL:http://r.gnavi.co.jp/ag9ks5zt0000/

 

 

続いて「牛めし なんどき屋」へ

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▲牛めしなんどき屋

 

「なんどき屋の牛丼だけ食べたい!」というお客さんのために、牛めし特化型のお店もある。新橋駅から線路沿いに有楽町方面に数分歩いた、銀座ナイン1号館1Fだ。カウンターだけ、ほんの6席ほどの小さなお店だ。

スーツ姿のサラリーマンが吸いこまれるように中に入っていく。昼から酒を飲むわけにいかないけど牛丼は食べたい、そんなときは必然こちらのなんどき屋を選ぶことになるわけだ。

 

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メニューも牛めしを中心に、さんま定食、しょうが焼き定食など居酒屋なんどき屋とはまるっきり構成が違う。

 

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▲牛めし定食 580円

 

お新香と味噌汁がついて580円。居酒屋なんどき屋と同じ値段だ。

こちらのほうがやや落ち着いた味つけという印象。居酒屋なんどき屋のガツンとくる濃厚さに比べればやや淡泊だが、それでも充分過ぎるほど旨みが染みてる。しょっちゅう食べ続けることを考えると、こちらの牛めしに軍配があがるかな。玉ねぎ、しらたき、厚揚げ豆腐が入っていて、すき焼きっぽい甘味のある味わいなので、生卵を溶いて流しこんでもよさそうだ。

 

2つのなんどき屋、シーンに応じて使い分ければ、いつでもなんどきでも旨い牛丼が食べられるぞ!

 

店名:なんどき屋
住所:東京都中央区銀座8丁目10先 銀座ナイン
TEL:090-8034-1446

 

 

作者:松澤茂信(まつざわしげのぶ)

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東京別視点ガイド編集長。
るるぶとか東京ウォーカーが積極的に載せないようなとこばっかし巡ってます。
そういう人生です。けっこー楽しいです。
(編集:編集プロダクション studio woofoo by GMO

 

東京別視点ガイド:http://www.another-tokyo.com/
Twitter:https://twitter.com/matsuzawa_s

                             
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