深く…もっと深く…世界を革命したいひとのためのローストビーフ【松澤千晶のアニめし vol.1】

みんなのごはんに、食とアニメに造詣の深いアナウンサーの松澤千晶さんが登場です。松澤さんによると、 「アニメを見る」という行為と「食事をする」という行為には実はとても深い関係性があるそう。また、深夜アニメを見る際は、無性に何かを口にしたくなるそうです。今回取り上げるアニメは、『少女革命ウテナ』で、ローストビーフに食欲をそそられた様子です。高田馬場や鎌倉などに有名店が数多くありますが、どちらで召し上がったのでしょうか。 (高田馬場のグルメカフェ

深く…もっと深く…世界を革命したいひとのためのローストビーフ【松澤千晶のアニめし vol.1】

深夜アニメを見る際は、無性に何かを口にしたくなる

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初めまして、または、こんにちは。

フリーアナウンサーの松澤千晶と申します。(最近はそれらしいことをあまりしていないので、もうアナウンサーでなくて良いかなと思いますけれども……笑。)


今回、アニメと食事に関するコラムを書かせていただくことになりまして……みんなのごはん読者の皆様は、アニメってご覧になりますか? 一見、かけ離れていると思われがちな「アニメを見る」という行為と「食事をする」という行為ですが、実はとても深い関係性があると思うのです。

 

私自身は、この世代(85年生まれ)ならではと言いますか、幼い頃に深く影響を受けたセーラームーンから、スレイヤーズから、天空のエスカフローネから……全て夕方アニメで食事と共にあったせいか、大人になった今でも深夜アニメ等を見る際は、無性に何かを口にしたくなってしまいます。


自分も、やはり人間ですから、食べる事が大好きです。美味しい食事は心を(時に体も)豊かにしてくれますよね。アニメもそれと同じようなもので、良い作品は人生の栄養素となって(時に食べ過ぎてお腹を壊したり、消化不良を起こしたりもするのですが……)自分を作り上げてくれるものなのです。

 

そのような中で今回、紹介させていただきたいのがこちら、私の思春期に多大な影響を与えたアニメ「少女革命ウテナ」なのです。

 

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▲少女革命ウテナ Blu-ray BOX 上巻(右)下巻(左)

 

この作品をご存知ない方の為にわかりやすく簡単に申し上げますと、少女が「革命(意味深)」される(そしてする)物語、でありまして……! グルメコラムに来てこの人は何を言っているのだろうという状況ではありますが、まだご覧になったことがないのなら是非とも堪能していただきたい。ストーリー、キャラクター、映像表現、音楽……どれをとっても、他では味わうことのできない美徳と背徳のフルコースなのですから。

 

改めてご説明致しますと、舞台は鳳学園という全寮制の私立校。王子様に憧れる中学二年生の男装の少女・天上ウテナと、薔薇の花嫁と名乗る不思議な少女・姫宮アンシーという、2人の女の子を主軸にした物語。


この薔薇の花嫁アンシーの存在を巡って様々なキャラクターと学園内にある決闘広場で戦いを繰り広げるのですが……奇想天外な演出が多く、初見では「?」となるかもしれません。しかし、物語全体を通して見るとスッと胸に入ってくるものばかり……何故戦っているのか、どうして車のボンネットの上に飛び乗るのか、何がどうなって毎回服がはだけるのか(しかも男……)等、現実的な突っ込みなんてする気が無くなるほど戦いの行方に惹きこまれ、キャラクター同士のやりとりが狂おしいのです。

 

セーラームーン卒業生へうってつけと言いますか……人を好きになったときの気持ち、あらぬ感情を抱いてしまった時の心境、女の子の綺麗な部分も汚い部分も、思春期の全てが酷なほどに描かれていて、これほど味わい深いアニメはなかなかありません。


個人的には主人公・ウテナと、親友・若葉が対決する20話「若葉繁れる」が大好きです。普通って何だろう、特別って何だろうと、当時はいろいろと考えさせられました(ちなみに私は黒薔薇編が大好きでして……あとは29話「空より淡き瑠璃色の」も……ああ、もう、早く見て……)。

 

この作品は百合(女性同士の特に深い関係性を描いたもの)と言われがちですが、ウテナとアンシーに関しては、アニメシリーズは女の子同士の友情の最終形態で、後に公開された劇場版こそが真の百合なのかな……と、このあたりは個人の考えによるとも思いますので、ご自身の舌でお確かめ下さいませ。

 

さて、ここまで来て、ひたすらアニメについて語っているだけでは……と思われた方も多いと思いますが、実はこの作品、とても重要な回で食事との繋がりが深いのです。

 

そのイメージがこちら。

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わけがわからないよ!という方もいらっしゃるでしょうし、察しの良い方には即座におわかりいただけるでしょう。

 

そうです、これは33話「夜を走る王子」で、憧れの男性ディオスに、主人公ウテナが、とある「革命」をされてしまうシーンのものでして……その最中、ウテナの「アスパラと鮭をマヨネーズであえて……」「ゆで卵をつぶして……」というセリフがあるのですが……そうです、そういうことです、そういうことなのです……!


これには当時大きな衝撃を受けましたが、大人になるとその味がわかるものですね……このように、直接的でなく身近な食材からその営みを連想させる「少女革命ウテナ」は素晴らしい作品です。

 

ちなみにこちらはワインに合う簡単なおつまみとしてもぴったりなので、是非ご自宅でちょっとした革命をお楽しみください(さすがに、卵をつぶすのと、マヨネーズは自重致しました……)。

 

 

ウテナの象徴、薔薇に感じたメニューと言えば

そして今回はぐるめをなびするみんなのごはんということで、安心してください。きちんとそれらしいものもご用意致しました。

 

\世界を革命する力を…!/(~♪ 絶対!運命!黙示録~)

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薔薇のローストビーフです。簡単です。巻くだけです。5分くらいで出来ますよ。

 

ウテナと言えば何と言っても薔薇が象徴的なモチーフ。OPでくるくると廻るあの薔薇は、妙に美味しそうに見えて、空腹時には肉類に見えたこともあるでしょう。今回はそのような想いを込めて冒頭のイラストも描かせていただきました。

 

まだウテナをご覧になった事の無い方は、そろそろ作品そのものも気になってきたと思います。このローストビーフを味わいながら彼女たちの起こす革命を見届けられたら、きっと世界の果てを越えられるはず……!

 

この少女革命ウテナという作品は、ただ物語を進行するのではなく「様式美」を意識されて「こだわり」があったからこそ、これほど人の心に残る作品になったのだと思います。その姿勢を見習って、まずは日常の食卓にも一手間加え、ちょっとしたおつまみにこのようなものを作ってみては如何でしょうか。

 

今後もアニメと食事に関するレポートをお届けできましたら幸いです。それでは、またお会いするその日まで……絶対運命黙示録。

 

 

 

著者プロフィール

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松澤千晶(まつざわ・ちあき)

フリーアナウンサー。
深夜アニメはリアルタイムで見るよう心がけています。

Twitter:https://twitter.com/chiakinman

                             
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