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【夢のカフェ開業】有名マスター堀内隆志氏が語る「20年続くカフェの経営方法」とは

鎌倉の有名カフェ「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」。1994年にオープンし、その後に到来するカフェブームの火付け役にもなった、このカフェを立ち上げたのがオーナーの堀内隆志さん。長きに渡るカフェ経営で学んだこと、今改めてカフェ経営に対して想うことを教えて頂きました。(鎌倉のグルメカフェ

【夢のカフェ開業】有名マスター堀内隆志氏が語る「20年続くカフェの経営方法」とは

グルメレポ 開業 鎌倉 カフェ

鎌倉で長らく愛されている一軒のカフェがある。

今年で開店から21年を迎えたという「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」。喫茶店文化が下火となっていた1994年にオープンし、その後に到来するカフェブームの火付け役にもなった、このカフェを立ち上げたのがオーナーの堀内隆志さん。

今回はカフェ経営の醍醐味から厳しさまでを味わってきた堀内さんに、長きに渡るカフェ経営で学んだこと、今改めてカフェ経営に対して想うことを教えて頂きました。これからカフェを経営したいという方だけに留まらず、現役のカフェオーナーの方にもぜひ読んで頂きたい記事です。

 

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堀内隆志(ほりうち・たかし)

1967年東京生まれ。1994年に「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」をオープンさせる。カフェ経営と並行して、ブラジル音楽のアルバムプロデュースや選曲、ラジオ番組のパーソナリティー、執筆と、活動は多岐にわたる。著書に『珈琲と雑貨と音楽と』(NHK出版)、『コーヒーを楽しむ。』(主婦と生活社)、『鎌倉カフェで君を笑顔にするのが僕の仕事』(ミルブックス)などがある。

 

若者に後悔してほしくないから現実的な経営を薦めている

一昔前までは、カフェを開きたいと相談に来られる若い方たちに、「どんどん、やってみるといいよ!」と、気軽に言っていた頃もありました。しかし最近はあまりそれを言わなくなりました。ぼくも若い頃は、その時食べていけるならいいや! と思っていました。けれど、気がつけば開店してから20年以上、ぼく自身の年齢も40代後半になり、当時の自分とはまた随分と変わったように思います。

 

この年齢になってくると、現実的な経営のこと、自分自身の将来のことを当然考えるようになってきます。相談に来てくれた若い方たちには将来後悔してほしくない。だからこそ現実的な経営のこと、サービスの技術に関することなども、大切に考えておいた方がいいよと話す機会が増えていると思います。

 

お客様の選択肢が増えた今こそ生き残るための店作りを 

カフェの経営を長く続けていると、やりがいや楽しさの反面、続けていく事の大変さや苦労もわかるようになってきました。今の時代はお洒落な飲食店も随分と増えて、お客様の選択肢も増したように思います。そんな中でなぜ敢えて今からカフェの経営を目指すのか? 今の時代は市場も成熟して、それに応えられる店作りが生き残るための条件になってきていると感じます。だからこそ、長く続ける事を考えた店作りが重要なのだろうと思います。

 

何かの形で自分をもっと表現してみたい、お客様に本当に喜んでもらえる何かを創っていきたい。ぼく自身も若い頃にそんな事を思ってこのカフェを作りました。そしてこの仕事が好きだからこそ、今も続けている訳ですが、重要なのはお店を開店させてからのその先。普通に赤字を出さずに営業していくこと、そしてそれをきちんと長く続けていくというのは、最も基本的な事でありながら、一方で大変な事でもあると思います。お店は開店させてからが始まり。そんな風に今、改めて感じています。

 

現実的なカフェ経営と理想とするカフェ経営。どちらも技術×経営×想像力が大切

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成熟した市場の中で、常にお客様の期待に応えられる、新鮮さを感じてもらう店づくりをどうやって行っていくか? 最初から自分のスキルを超えて無理をしすぎる必要はないかもしれませんが、一昔前よりも目が肥えているお客様を相手に、どうやったらもっと喜んで頂けるか?それを真剣に考えて仕事をしていかないと、自分が続けたい経営も行き詰まってしまうように思います。

 

カフェを開きたい! という情熱だけでなく、例えば美味しいコーヒーをお客様に提供するための最低限の技術や、飲食店経営に必要な数字の知識などをしっかりと学んでから開店する方が、今は良いのかもしれません。今の時代、コンビニに行けばそれなりに美味しいコーヒーも飲めるし、大手のコーヒーチェーンもどんどんサービス力を上げてきています。それらと自分が渡り合っていこうと思うならば、しっかりした技術や経営を身につけなければ、個人経営であるカフェが生き残っていくのは大変だろうと思います。

 

できるだけ多くのお店を見る機会を作ろう

幸いにも今の時代は、コーヒーを提供するための技術を一から教えてくれる、飲食店経営の基礎を教えてくれる学校も多くなりました。こういった場をうまく活用して、基礎となる部分を学び、足りないものを早めに身につけておく。若いうちにそんな事ができるようになったのは素晴らしい事だと思います。

 

それと、これはぼくの習慣も含めて若い方に薦めるのですが、やはりできるだけ多くのお店を見る機会を作った方が良いと思います。ニュートラルな視点で様々なお店を見て、その長所や短所を感じ、新鮮な発見を取り入れていきながら、自分自身の目指す店作りのイメージへとつなげていく。これはあくまでもぼく自身の意見ですが、カフェ経営に必要なのは、しっかりとした技術と経営力、それにプラスアルファした想像力なのかなと思います。

 

自分自身のスキルを上げていくと、お店自体のモチベーションも上がっていく

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自分の手で本当に良いお店を作っていきたい、きっちりとした経営もしていきたいと思うならば、毎日の仕事はやることだらけになると思います。そして気をつけないといけないのは、日々の仕事の忙しさに慣れてしまい、自身のスキルを上げる作業に手を抜いてしまうこと。気が付くといつの間にか時代に取り残されてしまう事にもなってしまいます。

 

だからこそ、常に自分自身を客観的に捉え、今の状態をチェックしていく、そして足りないものを学び続けていくという姿勢が重要なのかなと感じます。実はぼく自身も自分の技術にまだ不安を感じる時があって、焙煎のセミナーに行ってみたり、バリスタのエスプレッソ抽出のセミナーに通ってみたり、お店全体のレベルを上げていく事につながる内容は学び続けています。そういった事を続けていくと、お店全体のモチベーションも上がっていく、そんな風にも感じるようになってきました。

 

カフェの経営で常に怖いこととは?

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カフェの経営で常に怖いのは、お客様に飽きられてしまうこと。店作りという意味では、常連のお客様のことや、自分自身のポリシー、スタイルの事も頭をよぎります。それらを踏まえた上で、変えない方が良いこと、それとは逆に敢えて変えていった方が良いこと、この2つがあると思います。このバランスはとても難しいのですが、思い切って変えていくことで店作りのプラスになる!と真に思うならば、思い切って新しいチャレンジをすべきかなと思います。このまま同じスタイル、同じサービスで経営を続けても、今のお客様は変わらず来てくれるかもしれない。けれど自分自身もお店も、お客様同様に変化していかないと、お店自体が新しいステージに上がっていけないとも思います。

 

開店当初の若い頃、ぼく自身にも理想としていた店作りがありました。けれどそれは長く経営を続けていく中で、年齢を重ねながら、目指したい店の姿、理想像も少しずつ変化していきました。今、この年になっても自分自身の店づくりにはまだ満足できていません。自分の描いている理想に置いていかれないように、ぼく自身も常に変化して前に進まなければならないと日々思っています。

 

新しいチャレンジを行っていくこと。それは常にお客様との綱引き

ぼくが経営するカフェでは、自家焙煎のコーヒーもお客様に提供しています。お客様にコーヒーの持つ魅力をもっともっと感じてもらい、楽しんで頂ければと思っています。そしてそのための技術を自分自身も学び続けながらチャレンジしていかないといけない。昨年は20年という節目の年だったので、思い切ってブラジルに渡り、自分自身でコーヒー豆を選んでお客様にお出ししてみました。20年の間にお客様の雰囲気も変わっていっていますが、総じてぼくの店作りに興味を持ってくださる方がお越し頂けて。今はお客様の層も様々なのですが、良い意味で色々なお客様がここを訪れてくれて、回遊してくれています。

 

けれど、新しいチャレンジも思ったままに急激にやりすぎてしまうと、お客様の方がついてこれず、引かれてしまうこともあるかもしれません。このあたりのバランスはとても難しいのですが、お店とお客様との綱引きのような感じですよね。お客様との間の距離感が難しいのですが、加減というか、良い塩梅のところを見つける。それは経験を積んでいってやっと分かるようになってくるのかもしれません。

 

ぼくたちの表現に耳を傾け、足を運んでくれる方に全力でサービスしたい

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こんなぼく自身も、昔は会社員として働いていた時代がありました。その時はなんとなくストレスを感じながら仕事をしていて、どこか少数派な考えを持った自分がいて。こんな少数派の自分の考えを表現できる場というか、何かが欲しいという気持ちが常にありました。ぼくにとっては「表現」ということが原動力にもなっていて、サービスに対する精神の源にもなっているのかもしれません。

 

自分が考えていること、やりたいことに少しでも耳を傾けてくれたり、興味を持ってお店に足を運んでくださる方に対して、このお店は全力でサービスをしたい。開店してから現在に至るまで、この部分はずっと変わらずに持っている気持ちかもしれません。そのためにはコーヒーにしても食事にしても、もっと美味しくなるはず!と思い始めて、どんどん頑張ってみてしまう。頑張る事自体が大変だとは思わないんです。もちろんやりたいことと、経営の辻褄を合わせる事は簡単ではないのですが、そこがまた自分自身の源泉になっているようにも思います。

 

オーナーの魅力がお店のブランドになる。人間力が求められるカフェの仕事

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数年前に起こった東日本大震災。あの時の出来事がきっかけになって、ぼく自身もそれまでの考えを改めて見直す、そんな機会を持ちました。それまではこのカフェ以外に2つの違う業態のお店を経営していたのですが、震災を機に原点に立ち返る事を決め、このお店の経営に集中する事にしました。それまではどこか自分自身の世界感が薄まってお店になっていないか?と不安を感じる日々を過ごしていた面もあったのですが、今は改めてこのお店で、自分の世界観をぐっと濃縮させた店づくりを進めています。

 

ぼくが個人としてできる最大限のこと、表現を、今はこの鎌倉のお店1軒でやってみています。21年前に開店した頃よりも、今が一番やりがいを持って働けていると自分でも感じています。午前中からお店に出て、明け方の3時くらいまでコーヒーの焙煎をしていたり。他の方からは一見優雅そうに見られるものの、実は裏ですごく働いています(苦笑)。

 

自分の世界観を薄めずに、他のお店にはないサービスを作っていく

カフェを経営していくなら、きちんと美味しいものを作る、作れるというのが最低条件にはなると思います。しかしそれだけでもなくて、総合的なもの、色々なお客様に喜んで頂けるように常に自分の感性も磨いていかないといけないと思います。人間力が求められる部分もあるというか、意外と難しい仕事なのかな?と最近は思います。自分の世界観を薄めずに、他のお店にはないサービスを作っていく。日々の営業の中で自分が生み出すモノを自分のモノにしていく。個人経営の店作りの中ではそこも重要で、それがブランドのようなものになっていくのではないでしょうか。

 

堀内さんの経営する「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」

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cafe vivement dimanche

住所:神奈川県鎌倉市小町2-1-5桜井ビル1F
アクセス:JR横須賀線「鎌倉駅」東口から徒歩約3分

 

 

ハイセンスなのに気取っていない、昔ながらの喫茶店の良さと新鮮な感性が交差しているようなカフェ。肩の力も良い感じで抜けるので、ついつい長居してしまいました。この心地良さの秘密はオーナーである堀内さんの人柄故かもしれない。本当にこの方がカフェ・カルチャーの火付け役になった方?と、失礼ながら疑ってしまうほど、優しい語り口と謙虚さが印象に残る方でした。

 

そんなオーナーが自ら焙煎している自家焙煎珈琲はやはり一番のオススメ。浅煎りから中深煎り、昔ながらの深煎りまで幅広くそろっているカフェはほとんどないのだとか。鎌倉を訪れた際にはぜひ飲み比べを♪  また、「このお店は喫茶店文化がベース」と言うフードメニューは女子にも大人気。開店以来変わらない味の懐かしいチキンライスのオムライス。見た目もお腹もいっぱいになるオリジナルのワッフルとパフェも外せません。自家焙煎のコーヒーと一緒に楽しみたい逸品ばかりですよ。

 

 

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