ささっと炒めて手軽にできるのに大人も子供も大好きな麻婆豆腐、食卓を飾る便利な一品としてよく作るという人も多いのではないでしょうか。麻婆豆腐については市販の麻婆豆腐の素などを使う方も多いと思いますが、家で作ると、なかなか味が締まらなかったり、とろみがちゃんと付かなかったり、うまくいかなかったなんて経験のある人も多いはず。そこで今回は美味しい麻婆豆腐の作り方を少し科学的なポイントも押さえながら御紹介してみたいと思います。
中華料理店で食べられるプロによる麻婆豆腐はそれぞれ独自の個性がありますが、ここでの作り方を参考にしてもらえれば、スタンダードな麻婆豆腐の作り方はマスターできると思いますよ。ぜひ試してみてください。
失敗しない麻婆豆腐の作り方
材料
- 木綿豆腐 1丁
- A豚挽き肉 150g
- Aにんにく(すりおろし) 5g
- Aしょうが(すりおろし) 5g
- A長ネギ (みじんぎり) 1/2本
- B豆板醤 大さじ1
- B甜麺醤 大さじ1
- Bオイスターソース 大さじ1
- B醤油 大さじ1
- B水 200cc
- 水溶き片栗粉 片栗大さじ1/水 大さじ2
- ごま油 小さじ1
- こしょう 少々
- サラダ油 大さじ2
- 万能ねぎ(小口切り) 少々
ポイントその1:豆腐は木綿豆腐がおすすめ
麻婆豆腐はなんといっても豆腐がメインですよね。美味しい麻婆豆腐を作るためには木綿豆腐を使うことをおすすめします。木綿豆腐と絹豆腐の違いはその製造工程と水分の量。絹豆腐が濃い目の豆乳をそのまま固めて作るのに対し、木綿豆腐は、固めた豆乳に圧力をかけて、水分をしぼってから、もう一度固める形で作られます。水分量が少ないので味が染み込みやすく、絹豆腐に較べて固いことから形崩れもしにくいので、麻婆豆腐には木綿豆腐のほうが適しています。
ちなみに木綿豆腐と絹豆腐では栄養素にも違いがあって、木綿豆腐は一度しぼることで栄養分も圧縮され、鉄分やカルシウムなどは木綿豆腐のほうが多いのだとか。一方、しぼる際に水分に溶けて流れ出てしまう栄養分もあり、ビタミンBやカリウムは絹豆腐のほうが多いんだそうです。
作り方
①フライパンにサラダ油を引いて中火にかけ、しっかりとあたためてから、Aを入れて火から離さずに豚挽き肉の色が変わるまで炒める。
ポイントその2:フライパンの適温は180度
中華料理はなんていっても火力が大事なポイントになります。火力が弱いと、食材へ素早く火が入りにくく、油っこい味に仕上がってしまうことが多いです。一方で、火力が強すぎると、食材がすぐに焦げてしまいます。一般的にフライパンの調理温度の適温は180度と言われています。これは個々のフライパンにもよりますが、中火で1分ほど熱すると、だいたい180度ぐらいになりますので、それからAを入れて炒めてみてください。
②1にBを加えて弱火にし、ひと煮立ちさせたら木綿豆腐を一口大サイズに手でちぎりながら加える。崩さないように優しくまぜ、豆腐の芯まで温まるまで少し煮込む。
ポイントその3:豆腐は手でちぎる
豆腐に味を染み込ませる為に直前で手でちぎっていれてあげましょう。そうすることで包丁で切るよりも断面が粗くなることで、豆腐の表面積も大きくなるので、吸収率が高まり、旨味が染み込みやすくなります。
③弱火のままで水溶き片栗を少しずつ加えてとろみをつけ、最後にごま油とこしょうを回しかけて強火にし、30秒加熱したら火を止める。器にフライパンを滑らせるようにして盛りつける。
ポイントその4:とろみは弱火で
片栗粉の成分はでんぷん質です。でんぷんは熱を加えると凝固する役割を果たします。とろみをつけるポイントは一度に大量にいれ過ぎないことと強すぎない熱で少しずつとろみをつけることがポイントです。そして、最後に強火にして加熱するのはもう一度沸騰させることでタレの油が上に浮き出てきて、美味しそうなツヤをつけることができます。
これで完成です!
ご家庭などでよく作られる麻婆豆腐のレシピに沿いながら、そのなかで押さえておきたいポイントを御紹介しました。麻婆豆腐の素などを使わずに、挽肉を炒めるところから始めても、意外と短時間で作れる料理なので、ぜひさっと食べたい夕飯時などに試してみてはいかがでしょうか? 豆板醤や甜麺醤にこだわってみても楽しいですよ。麻婆豆腐の爽快な辛さをぜひ堪能していただければと思います。
フードプレゼンター k e i
明治11年創業の老舗ホテル、箱根富士屋ホテルでフレンチの修行を積み退社後、ドラマ、映画、舞台などで俳優活動をしながら調理師免許、フードコーディネーター認定書を取得。様々な媒体、フードイベントで活動している次世代料理男子。
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