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牛肉の肉汁を逃さずに、やわらかくジューシーに焼き上げるための科学

最近は未曽有の熟成肉ブームを迎えていますが、牛肉を自宅で焼くとなると、お店のように焼くのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか? そこで今回は牛肉の肉汁を逃さず、やわらなかくジューシーに焼き上げるための科学的ポイントを御紹介します。コツさえ覚えてしまえば、きっと簡単にできるはずです。ぜひ試してみてください。(吉祥寺のグルメ焼肉・ホルモン・鉄板焼き

牛肉の肉汁を逃さずに、やわらかくジューシーに焼き上げるための科学

レシピ FCF 吉祥寺 ランチ

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みんなのごはんでも大人気のお肉ですが、みなさんは牛肉をどんな風に食べていますか?  大定番の焼肉をはじめ、ちょっと贅沢にステーキなど、いろんな食べ方があると思いますが、自宅で焼くと、どこか味気なくなってしまうと感じている方も多いのではないでしょうか。

 

でも、ちょっとしたコツさえ押さえれば、自宅でもやわらかくジューシーに牛肉を焼き上げることはできるんです。専門店などで安くお肉を買ってくれば、リーズナブルに自宅でステーキなんてことも可能ですよ。そこで今回は牛肉を美味しく焼くためのコツを科学的な視点から御紹介していきたいと思います。

 

「強火で肉汁を逃さない」は迷信?

「強火で肉汁を逃がさない」というような表現を一度は聞いたことがある方は多いと思います。イメージ的にも理にかなっていそうな気がしますよね。でも、科学的には「強火で表面に焼き色をつけて肉汁を閉じ込める」というのは決して正しいわけではないことが証明されています。

 

そもそも「肉の表面を焼き固めて肉汁を閉じ込める」という調理法を提唱したのは19世紀に活躍したドイツの科学者ユストゥス・フォン・リービッヒでした。ただ、この説はその後、1930年代に行われた実験によって否定されています。確か、これについては昔バラエティ番組で検証実験を行ったこともありました。よく肉を焼く時に聞こえる「ジュー」という音がありますが、あれは水分が蒸発する時に出る音なんですね。つまり強火で焼き上げるというのはお肉から水分を奪うことが多いのです。もちろん、表面の焼き色は食欲増進に繋がるのですが、こと「肉汁を閉じ込める」という点では決して正しいとは言えないのです。

では、どんな風に焼くと、ジューシーに焼き上げることができるのか?  それを以下で御紹介していきたいと思います。

 

ポイントその1:自宅で簡易的なエイジングのすすめ

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熟成肉ことエイジング・ビーフは最近大ブームになっていますが、昔から「肉は腐りかけが一番うまい」といった通り、肉を構成しているたんぱく質は分解されるとアミノ酸に変わります。アミノ酸とはうまみ成分そのものですから、アミノ酸が増えれば、当然うまみが増すことになります。しかも、たんぱく質の分解が進めば肉質もやわらかくなるので一石二鳥なのです。


温度と湿度を徹底的に管理して酵素の働きで肉を熟成させたのが熟成肉です。この熟成プロセスを簡易的に自宅で行う方法を紹介します。

 

方法は簡単。肉を網などに載せて冷蔵庫のあまり冷たくないところに二日間おく、これだけです。ただし、脂の多い霜降り肉は脂が酸化してしまうため、おすすめしません。お店の熟成肉もそうですが、脂の少ない赤身肉で試していただければと思います。

 

ポイントその2:調理前にお肉を室温に戻すのを忘れずに

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料理の本を読むと、よく「牛肉は焼く前に冷蔵庫から出して室温に戻す」とあります。これは冷蔵庫から出したばかりのお肉は冷たいので、焼いて中心温度を上げる際に時間がかかってしまうからです。こうなると、表面に焼き色をつける時点では中心部分は冷たいまま、中心部分の温度をあげようとすると中まで火が通り過ぎてしまうということが起こります。

 

なので、お肉は調理の2時間前に冷蔵庫から取り出し、室温に戻すようにしましょう。些細なことですが、こうした一手間がお肉の味を普段と違うものにします。

 

ポイントその3:肉汁を逃さないための低温調理

たんぱく質は58度から60度前後で凝固し、68度から分水作業が始まり、どんどん肉汁が逃げていってしまいます。先ほども記したとおり、強火で焼くとかえってに肉汁が逃げてしまうのはこのためです。

そのため、ステーキ屋さんでは肉汁が逃げないようにオーブンでじっくりゆっくりと加熱することが多いですが、御自宅でそれはなかなか難しいですよね。そこで、御紹介するのが低温調理です。以下で、その焼き方を御紹介します。

 

1. ビニールの保存バッグにお肉を入れ、水を張ったボウルに沈めながら、空気を抜き、密封する。

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2. 40〜45度にあたためたぬるま湯に①を入れ、ふたをして5分間おいて取り出す。

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3. お肉を弱めの中火で焼いていきます。

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たんぱく質の凝固点のところで触れた通り、火で焼くのは避けてください。弱めの中火で両面にじっくり焼き色をつけていきます。弱めの中火とはフライパンの底に炎がつくかつかないかの火加減。焦らずじっくりと焼いていきましょう。

 

4. お肉は頻繁に裏返すようにしてください。

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厚みのないステーキ肉をレアで焼く場合は、表面に焼き色がつけばいいだけなので簡単ですが、厚みのあるステーキ肉をミディアムに焼くためには頻繁に裏返すようにしましょう。ものの本によっては「肉は動かさずに焼く」としている場合もありますが、片面を焼いている間、もう片面はどんどん冷めていってしまうので、ここでは裏返すことをおすすめしたいと思います。

 

裏返す頻度については、30秒焼いては裏返すという作業を繰り返してください。これによって、片面を1回ずつ焼く場合と比較して、30%ほど焼き時間を短縮することができます


この焼き方で焼いてみたステーキが冒頭にもあったこの写真。

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注目すべきは切り口。強火で短時間でステーキを焼き上げた場合、表面と中心部の色が明確に分かれることが多いですが、低温調理法でじっくりと加熱することによって、表面から中心部に向かって見事なグラデーションとなっています。

 

味わいは簡易的なエイジングの効果もあって濃厚。肉を皿に盛り付けて時間がたつと多くの肉汁が溢れ出してきます。

 

お肉の焼き方については諸説ありますが、こうして科学的なポイントを見てみると、結構意外なポイントがたくさんあったのではないでしょうか?  赤身肉でもやわらかくジューシーに焼き上げることができますので、ぜひ試してみてください。



参考文献:
水島弘史著「水島シェフのロジカルクッキング」
食育通信 http://magazine.shokuikuclub.jp/
     古くて新しいステーキの焼き方〜21世紀料理教室 その2〜  
     http://magazine.shokuikuclub.jp/kitchen/20130708_050044/
      ステーキを美味しく焼くには『肉を裏返しながら焼く!』もう一度、説明します!
     http://magazine.shokuikuclub.jp/kitchen/20131216_050022/

 

 

作者 うめキチ
大学卒業後、IT系企業でコンサルタントとして従事するも、 幼少のころの料理人になる夢を忘れられず、フードコーディネーターの資格を取得。 コンサルタントとフードコーディネーターの二足のわらじを履きつつ、 男性ならでは視点でワンランク上の食卓を提案します。
blog:http://ameblo.jp/umes-kitchen   Twitter:https://twitter.com/umes_kitchen

                             
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