【食べ物だって芸術です。】創業100年を誇る老舗飴屋「玉力製菓」

食の世界に限らず、老舗のお店の職人による伝統的な製法で作る作品は、まさに芸術と言えるでしょう。今回は、創業100年を超える川越の老舗の飴屋さんを訪問。そこはまさに、美しく甘い宝石の創作現場でした。(川越のグルメスイーツ

【食べ物だって芸術です。】創業100年を誇る老舗飴屋「玉力製菓」

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パティシエのつくるケーキや、和菓子職人のつくる季節の練り切りには、美味しいだけでなく、思わず写真に残しておきたくなるような美しさがあります。

 

また、昔ながらの製法でつくる味噌、醤油、日本酒など……。老舗が伝承し続けてきた、こだわりの製法も素晴らしいもの。

 

食べ物とは文化であり、芸術でもあります!

 

日々、そんな芸術品たちを創作している現場におもむき、食に関する知識や、感じたことをお伝えします。

 

甘い宝石の創作現場、老舗飴屋「玉力製菓」へ

場所は川越、観光名所の菓子屋横丁。

その一角に、創業100年を誇る老舗飴屋「玉力製菓」はあります。

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川越の菓子屋横丁は、昔、駄菓子の製造業者が集まっていたので、別名「飴屋横丁」といわれるほど飴屋を中心に発展してきた場所です。

 

昭和初期には70~80件余りの店が軒を並べ、遠方からも仲買人が買い付けに来て、黒山の人だかりができるほど景気良くにぎわっていたそう。しかし、第二次世界大戦によって自由に菓子が作れなくなり、店舗は一気に激減してしまいました。

 

戦後は再び復興したものの、大手菓子メーカーによる大量生産が市場を独占する時代の流れにより、菓子屋横丁の店舗は卸売から小売に変化して現在に至ります。

 

お邪魔した玉力製菓の店構えは、どこか懐かしい雰囲気。

キリッとした風格のある暖簾をくぐると、色鮮やかな飴が所せましと並んでいました。

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ここ玉力製菓では、一時は途絶えてしまった「元禄」を再び伝承していこうと、30年ほど前に復活させ、現在では大切に 次の代に伝えていこうと技術の継承に努めています。

 

「元禄」とは、今でいう「組み飴」のこと。色の異なる飴を組み上げて棒状にしたもので、どこを切っても同じ顔が出てくる「金太郎飴」は元禄の代表的なものです。

 

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写真は玉力製菓よりいただいた資料で、飴の種類に関しての説明が書かれています。

下記で、簡単にご紹介しますね。

 

 

【飴の種類】

 

玉物・・・鉄砲玉または玉飴という、球状の飴。

引物・・・飴を引いて(飴引き)、白濁色になった飴のこと。飴引きとは飴を引き伸ばしては、たたむ行為を繰り返すことにより、内部に多くの空気泡を入れて白濁色にすること。

型物・・・六角などの形をした飴。

組物・・・色の異なる飴を組み上げて作る飴。代表的なものには金太郎飴があります。棒状の飴のどこを切っても同じ模様が出てくる技術を取得するには、8~10年の修業を要するといわれています。

棒つき・・・名前の通り、いろいろな形をした飴に棒をつけたもの。

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お土産に人気の「くるくる飴」。

小さな頃は、こういう飴に憧れたなぁ・・・(笑)

 

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定番の「のどあめ」や「しおあめ」もあります。

 

のどあめは、薬草を煮出すところから手づくりされているそうです。

薬草の味と香りが、のどに効きそう! 食べやすい味です。

 

しおあめは甘味の中に、ほどよい塩味が効いてさっぱりと食べられます。

ガラスのような透明感があり、綺麗ですね。

 

そして、私のイチオシは何といっても、元禄(組み飴)です。

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色とりどりの模様は、食べてしまうのが勿体ない美しさ。

ここまでの技術に行きつくまでには、長い修業期間が必要なのだそうです。

確かに、この繊細な飴を手作業でつくっているとは大変そうですね。

 

ちなみに、飴にとって、湿度は大敵!

おじゃました日は雨が降っていたので、残念ながら作業の見学ができませんでしたが、タイミングが合えば、飴をつくっている様子をガラス越しに見ることができます。

 

特別に、作業場の見学をさせていただきました。

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昔から使っている道具を、大切に使い続けている様子が伝わりますね。

見たことのない道具たちが並んでいました。

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このお鍋で、砂糖、水あめ、水をグツグツ煮たたせて、飴のもとをつくります。熱された飴を引いたり、形づくったりする作業は熱さとの戦い。特に飴を煮ているときは、室温がぐっと高くなるそうです。

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年季の入ったこちらの道具は、棒状に伸ばした飴を切るためのもの。

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拝見できなかったのが残念ですが、こんな感じで作業は進みます。

この作業場から、先ほど紹介したさまざまな種類の飴がつくりだされているのですね。

 

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こんな形の飴もありました。 手前の2つは箸置きにもできそうですね。

綺麗な和紙の上に置いて使ってもらい、帰りにその和紙で包んでお土産に。

なんていうのも素敵ではないですか? 

 

ここまでくると、元禄と並んで芸術の域に達していますよね。本当に綺麗。 飴は日持ちもするし、お世話になった方や海外の方へのちょっとしたプレゼントに最適ですね。

 

手づくりの飴の技術を次世代に残したいと願い、つくり続けている玉力製菓。

ぜひ、実物を見て味わってほしい飴の芸術品です。

 

玉力製菓

住所:川越市元町2-2-7

TEL:049-222-1386

営業時間:10:00~16:30

定休日:月曜日

※営業時間と定休日は、天候によって変更する場合があります。

 

参考資料: 小江戸 川越ガイド 25年秋号(小江戸川越ガイド編集部)

     現代版 手造り飴菓子ガイド(EJISON)

 

[ライター:オグラ ミエ(23番地cook)]

                             
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