海苔にも表と裏があるのを知っていますか? 飾り巻き寿司の作り方

意外と知らない、というか普通の人はあまりやったことがない(?)飾り巻き寿司。料理教室に潜入し、巻き簾と海苔に注目してレポートしてみました。(秋葉原のグルメ和食

海苔にも表と裏があるのを知っていますか? 飾り巻き寿司の作り方

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突然ですが、飾り巻き寿司はご存知でしょうか?「名前は聞いたことあるけど‥‥、TVや雑誌で見たことはあるけど、食べたことはない。ましてや作ったことなんてあるわけない!」という方も多いのではないでしょうか?

 

飾り巻き寿司とは、簡単にいうとカットした時に絵柄がでてくる太巻きのこと。太巻きをキャンパスにみたてアートのように巻いていくのです。

 

そこで本日お邪魔したのが、とある料理教室で開催されている「飾り巻き寿司講座」です。

 

巻き簀(まきす)と海苔に着目して、飾り巻き寿司を作ってみよう 

巻き寿司を作るに際し欠かすことのできない道具の1つが巻き簀です。竹を木綿糸で編み込んで作られ、古くから日本料理を引き立てるための重要な道具として使われてきました。大きさは25cm × 30cmくらいの物が一般的。薄いものと分厚いものがありますが、巻き寿司には主に薄いものが使われています。

 

そんな巻き簀を料理教室で実際使ってみました。テーブルに向かい合ったその時、巻き簀初心者の私にいきなり難題がふりかかってきたのです。

「つるっとした面とでこぼこした面がある。さぁどっちが上なんだろう?」

そんな私を見透かすようなタイミングで「巻き簀に、表と裏があるのはご存知ですか?  今回はどちらを上に置いたら良いでしょう?」と先生からの問い。

 

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実は巻き簀の使い方は、東日本と西日本で異なります。

 

東日本は主につるつるの面を上にし、西日本ではでこぼこの面を上にして使うことが多いそう。


いや~、こんなところでも東と西で文化が違うとは‥‥。この日は、東日本風につるつる面を上にして使いました。


続いて巻くイメージトレーニングとなった時、妙に邪魔なの物がありました。それはひょろひょろと出ている木綿糸。この糸を自分側に置いていた私は、糸が気になってしかたがありません。こんな時またもや絶好のタイミングで先生から一言。「この糸は奥側に置いてくださいね~」と。

なるほど。手前から巻き込むのだから、糸を奥に置くのは当然なのでしょう。またしても、絶妙なタイミングでのアドバイスです。

 

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巻き簀の紹介はこのくらいにし、いよいよ実際のレッスンに潜入レポートです!

手を洗い、エプロンをつけて心の準備は万端。

 

テーブルにはこんなものが用意されていました。

  • 色とりどりの酢飯
  • 海苔
  • 巻き簀
  • パーツ用の具材
  • 包丁

その他まな板や布巾、ラップなど、どのご家庭にもあるものばかりです。

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さぁここからが、本腰です!

 

いよいよ本番。基本の【桃の花】に挑戦!

 

①まずは柄になる部分のパーツを作ります。

花びらはピンクのシャリで表現し、同じものを5本。中心はお馴染みのおつまみ、チーズかぼこに海苔を巻きつけます。

 

ではさっそく、花びらになるピンクのシャリを巻く準備です。

 

先ほど説明した巻き簀に海苔を乗せるのですが、乗せるといってもただ乗せるわけじゃないのです!  海苔にも表と裏があるのを御存知ですか?  巻き上がった時に艶々した面が表に来るようセットします。女子のお肌と同じように海苔巻きも艶が大切ってことなんですね。いや~海苔にあっぱれ、でも負けてられません!

 

と、ちょっと脱線してしまいましがこんな感じで各パーツを作って行きます。

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②続いて土台となる白い部分を作ります。

太巻きは、1枚の海苔では巻ききれないため、ご飯粒をのり代わりにしてくっつけて長さを出していくのです!  まさに食の工作みたいで楽しい。仕上がりをイメージしながら、海苔の上にシャリ伸ばします。このとき綺麗に敷き詰めようと思う一心で、シャリをギュウギュウと押してしまい、あやうく米粒を潰してしまうところでした。本当は優しくそっと乗せていくのがポイントです。

 

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③続いて柄になる部分を先ほどの土台に乗せていきます。

先ほど敷いたシャリの上に、①でつくったパーツを乗せていきます。

あ~して、こ~してといろいろ乗せ込んでいくと、シャリと具が海苔の上に沢山盛られているのです。こ、これを巻くの?というくらいのボリューム。まるで私のお腹のようにどんどん太くなっていくではありませんか!

 

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④いざ巻き込み! 

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そしていよいよ巻き簀を持ちあげグッと巻き込みます。これがなかなか緊張~!  会社のプレゼンよりよっぽど緊張します。

 

やっと巻けた~!

 

⑤さぁ、いよいよお楽しみのロールカットです!

どんな柄が出てくるのかドキドキの瞬間。例えるならば、合否通知を開けるときのようでした。包丁を前後に動かしている間、心拍数は上がる一方。待ちに待った断面とご対面です。

 

やったぁ~!綺麗な花柄が現れた~!!

この時の感動は、ハンパないです。

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皆様にもこの感動をぜひ味わっていただきたい。そんな感動を味わえるのが飾り巻き寿司なのです。みんなで楽しくテーブルを囲み、人の作品も見ながら笑顔で寿司を巻く。メニューはもちろんですが、人とのふれあいも感動に一役買ってくれます。

   

さて、飾り巻き寿司もそうですが、料理は見た目の美しさも大切な要素です。

暑さのあまり化粧は剥がれおち、無造作に伸びた前髪は太いヘアバンドでおもむろに上げている私。こんなんじゃ寿司は巻けれど、男は巻けぬ。独身34歳。

 

何に置いても「美」は必要なのだといまさら実感しました。

 

市販のリースの真ん中に、巻き寿司を置いてプレゼントなんて…

アイデアまで教えていただき、感無量。

 

花より団子な女子も、大満足なブーケ巻き寿司の完成です。

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皆様もぜひ飾り巻き寿司にチャレンジしてみませんか?

[ライター:嶋村 麻知子(23番地cook)]

 

                             
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