和の美達人が教える、大人であれば覚えておきたい和食のマナー3「子育ての基本!? 和の食育力とは…」

和のプロがマナーについてお伝えしていくこの連載、第3回のテーマは「食育」。和食を味わうにあたっても、小さい頃からの食育が大事というお話です。(麻布十番のグルメ和食渋谷の和食

和の美達人が教える、大人であれば覚えておきたい和食のマナー3「子育ての基本!? 和の食育力とは…」

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前回、和の作法についてお話しましたが、和食を美味しく頂くためのたしなみと言っていい程、和食のマナーには本来幼い時から家庭で養われるべきことが沢山あります。
それは、教えられた子が将来する食事一つ一つの姿を全く変えてしまうほど、力のあるものだと思います。最近では、そうした食に関する教育のことを“食育”といい、段々と定着しつつありますね。

じゃあ、食育って何?

では、食育って何でしょう? 「食を育てる」って、食の何を育てることなのでしょうか?
これは、決して素晴らしいレストランまたは高級な和食店での食事を意味するのではありません。

 

食育の基本は、家庭です。

 

私自身、両親が共働きだったためにほとんどと言っていい時間を祖父母と過ごし、いろいろな教育を受けました。その中で祖母が口をすっぱくして言っていたことは、「ご飯粒一粒残すような事をするんでない、命を頂いていると思え」でした。
食事の取り方から、いろいろな食材を口にするという訓練まで、人生の大先輩である祖父母の用意する食卓をするということで自然にしていました。

子どもの頃は食べる練習の時期

元々、生まれてきた後、私たちは母乳やミルクを飲んで約5ヶ月間育ちます。
その後、親によって段々と食物を“食べる”練習をします。最初は練習のようなもので、実際は栄養面からするとまだ母乳やミルクに頼ってはいますが、将来必要な栄養をちゃんと吸収するための練習をするのです。


また、3才〜8才までの幼少期では、大体の固形物を食べられるようになりますが、この時期は、即エネルギー源になる甘いものには目がありませんが、苦みを嫌う傾向があります。

 

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よく、小さい時に食卓に並んだものが美味しくないと感じて、それでも我慢して食べたという記憶はありませんか? 私の場合は、祖母が大好きでよく作っていたカキフライでした。(今は大好きです!)その代わり、祖父母が焼くホットケーキは大好き!という思い出があります。


苦味を嫌うのは、有害なものを誤って口にしないようにする為であり、代わりに糖分というのは、無害で栄養価も高く、子供は目がない味付けなのです。

 

このような苦み、そして酸味を含む食品は、美味しそうに食べる人が隣にいて食べることにより初めて、食べる訓練となり、美味しいと感じることが出来る子が育っていきます。


とすると、食育は一人では出来ないことは確かですね。

子供の食に関する嗜好は8才で決まる

子供の食に関する嗜好は、8才で決まると言われています。
その前までにどれだけの食品を口にしたか、そしてそれを誰と共にしてきたのかというのがとても大切なのです。
大人になって、好き嫌いがないという人は、この食育をしてくれた家族に感謝をしなければなりません。


また、このことが大切に、そして愛されて育ったという事実なのです。


日本食の出汁の味わいや、食材一つ一つの旨味を感じとることのできる繊細な舌を育てるのもこの時期と言えます。大人になって、それぞれの季節の栄養価の高い食材を使った食事を美味しく頂けるかどうかは、その子の健康にも大きく関わります。

 

今、お子さんをお持ちの方、そして将来親になる世代の方にも、是非この事を覚えておいていただきたいと思います。


そして、初回でお話したように、「いただきます」「いただきました」の意味をさらっと伝えられる親になりたいものですね。

 

【お店紹介】

旬の味 たき下は、お昼の焼き魚定食がおすすめのお店です。
旬の魚をオーダーしてから炭火でじっくり焼き、たっぷりの大根おろしを好きなだけ取って頂きます。定番の黒むつや、鯖などに加え、季節のお魚を頂くことができます。ここでもう一押ししたいのが、新潟コシヒカリの艶々なお米。お米が美味しいと、おかずも引き立ちます。
ご飯とお味噌汁、そしてお魚と小付けが二品。毎日食べたい日本のご飯です。自然と「ごちそうさまでした」という言葉が出ます。

旬の味 たき下

住所:〒106-0045 東京都港区麻布十番2-1-11
• TEL: 03-5418-4701
アクセス:東京メトロ南北線、都営大江戸線 麻布十番4番出口 徒歩1分
http://r.gnavi.co.jp/r2pswd1b0000/

 

・著者紹介

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坪井 恵実 Emi TSUBOI

1987年静岡市の老舗料亭に生まれ、和の文化に触れて育つ。現代人に親しめるカジュアルにそして楽しむ事のできる和を提案したいと2013年にTHE IKI COMPANYを設立。現在は着付けとお座敷での和マナーレッスン、和食の作法も身につけられるレッスンなどを開講中。またセミナーや定期的なイベントを開催し和を楽しむ人を増やす活動を行っている。

HP: http://www.theikicompany.jp

Blog: http://blog.livedoor.jp/theikicompany/

Facebook: https://www.facebook.com/theikicompany

 

                             
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