空の玄関口・羽田空港とその周囲に残る漁師町をめぐる

羽田空港の周囲に残る漁師町を訪ね、日本を代表する空の玄関口「羽田空港」の施設を遊び倒します。古い羽田と新しい羽田を満喫できる散策コースです。 (羽田空港第1ターミナルランチ

空の玄関口・羽田空港とその周囲に残る漁師町をめぐる

東京の空の玄関口・「羽田空港」。「羽田空港」という名は通称で、正式名は「東京国際空港」(以下、羽田空港)といいます。「羽田空港」は1931年8月に羽田飛行場としてオープン、日本で最大規模を誇る首都圏を代表する空港です。2010年10月には、国際線ターミナルが開業、成田国際空港とともに、世界の空の玄関口として機能するようになりました。「羽田空港」は単に飛行場としてだけでなく、その施設は遊びの要素に満ちています。今回の散策は、「羽田空港」の周辺エリアを歩きながら「羽田空港」の施設を満喫するという欲張りコース。「羽田空港」の敷地内は、車の往来が激しく歩くには危険なため、モノレールやバスを使って移動しました。

 

「羽田空港」の周囲は、むかしは多摩川河口に近い漁師町でした。いまでも、その頃の面影を残す風景が多く、そこには人々の信仰した神社が数多く祀られています。まずは、京浜急行大鳥居駅を起点として、地元で崇敬される3つの神社をめぐります。大鳥居駅西口の前の環八通りを右方向、蒲田方面へ歩きます。しばらく行くと神命神宮南参集殿が右手に見えてきますので、その先の交差点を右折し、京急の踏切を渡ります。

 

するとマンションのような建物の上に、神社の屋根が乗ったお城のような不思議な建築物が目に飛び込んできます。ここが「神命大神宮」で、伊勢神宮の祭神・天照大御神をお祀りする神社です。この神社では毎年11月23日に神代行列という、お御輿とともに信者が日本神話の神々に扮したユニークなパレードを行うことで有名です。

 

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「神命大神宮」の横の道を大鳥居駅方向に少し戻ると「三徳稲荷神社」の赤い鳥居が見えてきます。鳥居をくぐり境内に入ると、手水舎と鳥居、きつねの狛犬、小さい社殿があります。創建は江戸時代中頃で、幸運・封禄・長生の三つの徳を授けることから「三徳稲荷」の名がついたそうです。太平洋戦争で衰えた後、信仰心の厚い氏子たちによって再興された神社です。

 

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次は、「三徳稲荷神社」の鳥居の前の道を真っ直ぐに進み、糀谷小の前の道を右に曲がります。個人商店が点在する下町らしい商店街を少し行くと、右手に「浜竹天祖神社」の境内が見えてきます。この神社も天照大御神を祀ります。毎年9月には近隣の神社が連合を組む糀谷祭が行われ、3つの神輿を担いだ氏子が町内を練り歩きます。「浜竹天祖神社」の境内は広く、遊具などが置かれた浜竹児童公園となっていて、ママたちに見守られながら遊ぶ子供たちの笑顔にほっとさせられます。

 

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ここからは産業道路に出て、右に進み、大鳥居駅のある大鳥居交差点へ。この界隈はコンビニなどの新しい店舗に隠れるように海苔問屋があり、漁師町の面影を伝えています。大鳥居交差点を左折し、環八通りをどんどん歩いていきます。首都高速1号線をくぐり、さらに進むと、穴守稲荷の交差点があり、右に曲がると「穴守稲荷神社」の立派な境内が見えてきます。

 

「穴守稲荷神社」の由来は、江戸時代末期に海が荒れて沿岸の堤防が決壊し、付近の村々が大きな被害を受けました。この時、村民が堤防の上に稲荷大神を祀ったところ海が静まって、その後、大きな実りを得たとされます。かつては、神社の周辺で潮干狩りもでき、温泉も湧いたので、門前には温泉旅館や芸者もいて、大変な賑わいだったといいます。

 

しかし、戦後になり羽田空港拡張のためGHQから強制撤去を命じられ、現在の場所に移りました。社殿や鳥居はGHQにより取り壊されましたが、門前の「大鳥居(羽田の大鳥居)」は、倒そうとした際に作業員に死傷者が続出し、そのままにされたという有名な実話が残っています。

 

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次に、その「大鳥居(羽田の大鳥居)」を訪ねに行きましょう。環八通りを羽田方向に少し進むと穴守橋の交差点があります。橋を渡らずに右に曲がり、海老取川沿いに歩いていきます。天空橋を過ぎ、ところどころにベンチやトイレが設置された整備された川沿いの遊歩道を進んでいきます。このあたりは、船溜まりや海苔問屋、船宿があり、むかしの漁師町の風情が色濃く感じられる場所です。

 

そして、海老取川が多摩川に合流する手前に弁天橋があり、橋の欄干の越しに「羽田の大鳥居」が見えてきます。この鳥居はGHQによる取り壊しを逃れた後、羽田空港の敷地内に残されていました。国際線ターミナルが建設された際に行われた滑走路拡張工事でも死傷者が続出し、祟る鳥居として恐れられてきたのです。しかし、羽田空港の沖合展開事業にあたり滑走路に支障をきたすとのことから1999年にようやく現在の地に移設されました。いまは羽田空港全体を見渡せるこの地で、空の安全を見守るかのように佇んでいます。

 

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さて、いよいよ「羽田空港」に向かうことにしましょう。「羽田空港」の見どころは大きく分けて「国際線旅客ターミナル」「第1旅客ターミナル」「第2旅客ターミナル」の3か所です。海老取川に沿うように走る環八通りに沿って進み、東京モノレールの天空橋駅からモノレールに乗車、羽田空港国際線ビル駅で降ります。改札を出るとすぐに「国際線旅客ターミナル」出発ロビーです。

 

ここには、江戸舞台を中央に置き、むかしの江戸の街並みを再現した江戸小路があります。江戸気分を満喫しながら、和・洋・中とバラエティに富んだ飲食店や和テイストの小物を扱う雑貨店、さらに和洋さまざまなスイーツや各地の名産品が並ぶコーナーがあり、食事やお土産選びが楽しめます。5階にある展望デッキは、270度の視界を誇り、世界各国の航空機が離発着する姿が見られます。

 

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「国際線旅客ターミナル」からは再びモノレールに乗り、羽田空港第1ビル駅へ。「第1旅客ターミナル」は、JAL・JTA・SKY・SFJの各航空会社が乗り入れます。「第1旅客ターミナル」には、地下1階から6階まで、さまざまなレストランやショップがあります。お土産物も充実、特に人気のスイーツのセレクトショップでは羽田空港オリジナルのスイーツが求められるとあってとても賑わっていました。展望デッキは6階、ここからは美しい夕日が望め、晴れていれば富士山も見えます。

 

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「第2旅客ターミナル」へは、無料シャトルバスを利用します。このターミナルには、ANA、ADO、SNA、SFJの各航空会社が乗り入れます。レストランやショップは地下1階から5階まで、吹き抜けの空間を囲むように各階に展開されます。展望デッキは5階にあり、夜になると床面の約4000個のLED照明が点灯され、幻想的な光景が楽しめました。

 

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