吹く風も暖かくなり、分厚いダウンジャケットから春物のコートやジャケットへと変わる季節。寒さも和らぎ、喉ごしのよい冷たいビールや日本酒が美味しく感じられるようになってきました。
こんな時は、冬の間に縮こまっていた身体がのびのびとするような、美味しい春の旬の料理を味わいたいものです。春に旬を迎える食材は、冬の間大地の栄養をたっぷりと吸って育った野菜や果物のほか、大海や清流を泳ぐ魚介類があります。
春に旬を迎える魚介類
この季節に旬を迎える魚介類は、春らしく見た目もうつくしいものが多いのが特徴です。
1) さより(細魚)
銀色に光るほっそりとした優美な姿と、細長く突き出したあごが特徴。刺身やお寿司などのほか天ぷらや塩焼きも合う高級魚です。
2) にじます(虹鱒)
黒い点々があり、エラから尾にかけてピンク色を帯びた虹色の模様があるのが特徴の淡水魚です。ムニエルや塩焼き、ホイル焼きなど色々な料理方法で食べられます。
3) ヤリイカ(槍烏賊)
その名の通り、「槍(やり)」の穂先に似ていることからこの名前が付けられました。薄く透き通るような身は柔らかく、歯ごたえもあり旨味があるので、そのままお刺身や鮨で食べたり、子持ちの場合は煮付けても美味しく頂けます。
4) こはだ(小鰭)
子供の肌のよう、ということからこの名前がついた「こはだ」。ニシン科の魚で、5㎝ほどのものは「しんこ」、10㎝ほどのものを「こはだ」、15㎝以上のものを「このしろ」と呼ぶ、名前の変わる魚です。江戸前鮨を代表する「光りもの」で、柔らかく美しいのが特徴。こはだの握りは最も鮨職人の腕が光る大切な握りとされています。
5) キンメダイ(金目鯛)
金色に輝く目と赤い身体からこの名前が付けられた魚で、白身なので色々な料理法で食べることができます。見た目も美しい白〜ピンク色の刺身や、まるごと煮付けた煮魚が人気です。
6) ハマグリ(蛤)
「蛤」は春の季語にもなっているように、この季節を代表する貝です。ひなまつりに蛤のお吸い物を頂くのは、蛤は対になった貝殻としかぴったりと合わないために、仲の良い夫婦を表すので「一生添い遂げられる人に巡り会えるように」という意味も込められています。酒蒸し、焼き蛤、お吸い物、パスタなど、汁ごと頂ける料理が最適です。
7) アサリ(浅蜊)
春と秋に産卵をしますが、その産卵を控えた3月中旬過ぎが一番身が肥えて食べごろになります。汁ごと頂く味噌汁、お吸い物、酒蒸し、パスタ、スンドゥブチゲなどが一番美味しく頂けます。
春告げ魚で春の訪れを味わう
この季節の「春告魚」は、心が弾んでくるような、見た目も上品で美しい魚が多いもの。思わず顔がほころぶ旬の美味を頬張り、お酒でさらりと流す…「ああ、春だなあ」と体感するのは贅沢なひと時です。
特に冷たい日本酒との相性が抜群◎!今しか楽しめませんので、たくさん食べて、春を満喫して下さい!
旬の魚介料理が楽しめる店
魚殿(新橋)
サラリーマンの聖地、新橋の路地裏にある、朝穫れ鮮魚料理と厳選日本酒を置く店。当日の朝に収穫された新鮮な魚のみを扱い、旬の刺身盛り合わせや焼き物、揚げ物、旬の握り鮨などの料理を味わえます。また秘伝の出汁で煮込んだ関東おでんも人気です。魚介にぴったりの日本酒も取り揃えています。
三重人(六本木)
三重県から直送する天然の蛤と、三重県の地酒や女性におすすめのライスワインを堪能できる店。「天然はまぐりのしゃぶしゃぶ」など珍しい料理や、旬のお刺身のほか、松坂牛のすき焼きなどを頂けます。
和み家 魚えん(神田)
空輸される産地直送の極上の天然魚料理を食べられる店。旬の魚の刺身盛り合わせや、海鮮しゃぶしゃぶ、創作料理などと、魚料理にぴったりの地酒や焼酎など品揃えも豊富です。
(ライター:M.伝蔵/studio woofoo)