パン屋さん密集地、神戸からお届けします。
港町として名を馳せた歴史的経緯から、神戸は西洋文化の流入が早く、パン文化が街中に根付いています。
実際、街を歩いてみると数百メートルに1店の割合でパン屋さんが密集しているポイントが多くあります。
地元の人に支持されている町のパン屋さんには、ものすごくオリジナリティあふれる、そして懐かしい味のするパン屋さんがたくさんあるので、いろいろな楽しみ方ができる街です。
バラエティの豊かさは関西でもトップクラスだと思います。巨大なパン屋さんのテーマパークだと言っても過言ではないでしょう。
それでは神戸の街をあちこち散策して見つけた、おしゃれなお店、可愛いお店、昔ながらのパン屋さんや、日常に溶け込んだパン屋さんなど、バラエティ豊かにお届けします。
1. 【トップクラスの人気店】2ヶ月待ちのパンも…!湯種山食パンで超有名「レコルト」
recolte(レコルト)はフランス語で「実る・収穫する」という意味。
時には20時間以上かけて発酵・熟成させて焼いたパン。
そのパンを食べてくれた人の笑顔がこの店の実りであり、嬉しい収穫だ、と言います。
ケンコウドックのマスタードには1つ1つにカバーが付いていました。
そんな中、湯種山食パンに注目。
自家製レーズン種で発酵種を作り、生地の一部の粉を熱湯で練ることでもちもち感を引き出した一番人気商品。
お好みでカット販売もしてくれるとのことなんですが、なんと2ヶ月の予約待ちです。
ご予約の上で……。なんか意地でも食べてみたくなります。
それ以外にも買う直前にバターを挟んでくれる湯種バターサンドや、しおばたパンなど、いろんなパンがありますのでまずはそれを食べてみて……というのもアリかと。
たまたま今日は置いてるっ、ということもありますので、あればラッキーですね。
さて、湯種山食パンですが、食べてみて一言。
はいっ、旨いっ。
ふわふわ、もっちりは湯種パンの特徴ですが、焼かずに噛むと甘み以外に旨みも感じます。
焼くと、目の細かい「パリッと」がいっぱい詰まっている感じです。
これだけ美味しい食パンにはなかなかお目にかかれないかと思います。
店名:ブーランジェリー レコルト
住所:兵庫県神戸市兵庫区大開通7-5-16
TEL:078-599-6436
営業時間:7:30~18:30 日・月定休
2. 【ハード系惣菜パン】種類豊富なラインナップがスゴい「ミックスプラスベーカリー」
目立たない店、あまり人が行かない場所にありながら、行列が出来る人気店。
商品も、なんだかおしゃれな感じ。
今回はラッキー、人が少ない。と思ったらもう売れてしまってパンの種類も少なくなってしまっていました。
それでも後で入ってきた奥様が、「いやぁ、まだ売ってるわ、ラッキー、ガハハハハ」と笑ってらっしゃいました。
一番人気はこちら、と、わかってはいるのですが、
このお店のパンで、どうしても食べたかったのがこちら。
マッシュポテトと鶏肉のコンフィ。
コンフィとは、フランスの調理法で、焼くのではなく油の中でじっくりと低温で加熱した、とても手のかかる料理だそうです。
ラードでじっくり加熱された鶏のコンフィと、マッシュポテトなどを挟んでからもう一度焼き上げるという、手の込んだパン。
見た目も、写真でも焦げているように思いますが、なんと焦げていません。苦くもないです。
実食の結果、これはもう惣菜パンとかではないです。
こういう一品料理です。
鶏さんも、じっくりと火が通ったことにより、しっとりとした上質のハムにも似た食感です。
めちゃウマです。
ブラックペッパーもピリリとして、とってもいいアクセントになっています。
しかも、300円以上のパン購入でコーヒー1杯無料というサービスの良さ。
(訪問時。お店外観の写真でも確認できますが、いつもそうかどうかは分かりません)
街をぶらぶらして、ちょっとお腹がすいて、一休み。
パンを食べてまた歩こう、なんて時には大助かりのお店です。
店名:ミックスプラスベーカリー
住所:兵庫県神戸市中央区相生町1-1-16 クロエビル 1F
TEL:078-362-4639
営業時間:(月・火木金)8:00~20:00 / (土・日・祝)10:00~20:00
URL:http://r.gnavi.co.jp/gfjenfks0000/
3. 【曜日限定パンにも注目】焼き上がり時間を表の黒板でチェック!「ブリエ(briller)」
女性スタッフのみで運営している店舗は、店の雰囲気も、味も優しいのです。
よつ葉バターを使ったクロワッサンがお勧めメニューです。
焼き上がり時間はお店の前に書いていますので、チェックの上で訪問が良いかと。
人気店の常として、早めに行かないとお目当てのパンがなくなっちゃうこともあります。
今回、16時に訪問しました。
……。
……。
店にはパンが3つしか残っていませんでした。
当然ですが、残念ながらクロワッサンが売り切れでしたので、チョコのスコーンを。
ビターなチョコがちりばめられています。
サクサクの食感を楽しんでいると、甘さは後からゆっくりゆっくりやってきます。
最後までほろ苦さがしっかりと残っていて、あぁ、大人でよかったって味でした。
店名:ブリエ
住所:兵庫県神戸市中央区山本通5-5-18
TEL:078-361-1303
営業時間:08:00~19:00 日祝定休
URL:http://r.gnavi.co.jp/2f1uuy5f0000/
4. 【ワインに合うパンも】オーナーのワインとチーズとパンへの想いがスゴい「プラス ドゥ パスト」
もともとワインやチーズが好きで、それらを楽しめるパンを作りたいということがきっかけとなり、修業したというオーナーが、街頭販売からスタートした店。
飲みたいワインを決めて、こんなワインに合うパンは何ですか?なんていう楽しみ方も出来そうです。
この手前の「N」が何だったのか、真剣に思い出せません。
気になって仕方がないので、みなさんご確認願います。
パンはいろいろと目移りしたのですが、その中から人気のクロワッサンを選びました。
見た目は同じ感じでも、店によって本当に個性があって楽しいのがクロワッサン。
(だと、私は勝手に思っています。)
プラスドゥパストのクロワッサンは、サクサク命って感じではなく、しっとり感が勝っている気がします。
温めても優しいしっとり食感がありました。
店名:プラス ドゥ パスト
住所:兵庫県神戸市中央区橘通3-1-1 西門ビル 1F
TEL:078-371-3403
営業時間:8:30~20:00 月曜定休
URL:http://r.gnavi.co.jp/mbf4by6v0000/
5. 【長時間冷蔵発酵パン】パンを好きになってほしい、そんな思いが伝わってくるお店「キブプ」
長時間冷蔵発酵パンで有名なお店。
キブプ(Qui veut peut)とは、フランス語で、「強く願えば叶う」といった意味の言葉。想いがそのまま店名になっています。
安心して食べられて、美味しくて、楽しい。
パンを好きになってほしい、そんな思いが伝わってくるお店です。
様々なパンがあって、とっても楽しいのですが、それだけでは終わりません。
なんと、様々な酵母も使っているんです。
食材には酵母の素があって、コーヒーとか、レモンなど、本当に様々なものから酵母を作ることができるそうです。
酵母を作ってから、パン生地作り、そして冷蔵庫で 冷やしてゆっくりゆっくり発酵して
できたパン。
なんだか、贅沢な気分になれます。
パン教室も開かれていますので、食べる楽しみ以外に作る楽しみも味わえそうです。
店名:キブプ(Qui veut peut)
住所:兵庫県神戸市兵庫区羽坂通3-7-6 淡路汽船ビル 1F
TEL:078-335-5685
営業時間:8:30~18:30 日曜定休
6. 【クリームパンが1番人気】店舗ごとの限定品も見逃せない「Cascadeグループ」の「デュオこうべ店」
「パンをお客様の毎日の食卓に」をスローガンに、 手作りパンの製造・販売をしています。
綺麗でかわいいパンが並びます。
どの店舗にもそのお店でしか食べられない商品があるとのことですから、各店舗巡りをするのも楽しいかも。
焼きたてには焼きたてマークが付いてます。
「焼きたてなのでパックに入れておきますねぇ」と、笑顔で入れてくれました。
つやつやのクリームパン。
濃厚で上品なクリーム。
これぞ王道、THEクリームパンです。
店名:Cascade デュオこうべ店
住所:兵庫県神戸市中央区相生町3-2-1 デュオこうべ山の手
TEL:078-360-2147
営業時間:07:30~21:00 第3水曜日定休
URL:http://r.gnavi.co.jp/gvga3dn10000/
7. 【何を食べてもアタリ】神戸っ子の行列が絶えない名店!「イスズベーカリー元町店」
名店、イスズベーカリーは行列の絶えない店としても有名です。
神戸からパン部門で初めて神戸マイスターとして認められたお店です。
食パンだけでもいろいろあって
迷います。
カレーパンも
どれにしようかなと、決められません。
決められない時はどっちも買って食べ比べもいいですね。
食べ始めたら止まらないパン。
長いんです。外はサクサク。
中はなが~いソーセージと、粒マスタードが、絶妙の味わい。
確かに、止まりませんでした。
カレーパンも、安心のおいしさ。
どっしりと安定したお味です。
何を食べてもはずれなしと、神戸っ子に支持されている名店に、是非っ。
店名:イスズベーカリー 元町店
住所:兵庫県神戸市中央区元町通1-11-18
TEL:078-393-4180
営業時間:8:00~21:00
8. 【圧倒的人気は山食パン】ご近所さんと常連さんでほぼ完売してしまう!? 「Le PAN DOUGH」
ル パン ドゥは、まさに地域密着型のパン屋さん。
少し遅い時間にお邪魔しましたのでほぼ売り切れ状態だったのですが、
実は奇跡が起こりました。
こちらはすべて予約のパンなので買えないのですが、
普段は予約しないと手に入らない山食パンが残っていました。
一緒に店に飛び込んだおじさんも、「ひやゃあ。このパン、買えるの?」と、信じられない様子。
物腰柔らかなご主人が言うには、小さな店なのでいくら食べたいと言っていただいても量産ができません。とのこと。
常連さんの言うように、たまたまあればラッキーですね。
ご近所さんと、常連さんでほぼ完売してしまうのですが、地元の人に長く愛されているパンの味とご主人の人柄で、ますますファンが増えていきそうなお店です。
ふんわりと柔らかく、ほのかに甘い。
ちょっと行きにくい場所にあるお店ですが、散歩がてら、こういう隠れた名店のパンもいかがでしょう。
店名:ル パン ドゥ (Le PAN DOUGH)
住所:兵庫県神戸市兵庫区上沢通6-4-9 ワコーレ上沢 1F
TEL:078-521-5638
営業時間:7:30~19:00 木曜定休
9. 【安定の塩バターロール】神戸っ子の生活の一部!「ヴィドフランス PLICO神戸店」
ヴィドフランス神戸は、JR神戸駅の改札を出て真正面のお店。
まさに生活の一部。出勤時に、会社帰りに、便利なお店です。
あんクロワッサンとか
鳴門金時入りの アップルポテトパイなんかは会社帰りに買って夜食べるにはちょっと罪悪感もあり、「明日の朝食べようっ」となります。←(でも結局我慢できず食べる)
人気ナンバー2のウインナーロールも捨てがたいんですが、
人気ナンバー 1の塩バターフランスをご紹介です。
ヴィドフランスの塩バターフランスは、他店の塩バターパンとは違い 、塩が前面には出てこない感じです。
あくまでもパターをサポートする、名わき役的存在で、バターを支え続けているように感じました。
温めると一転して塩がシャープに際立ちます。
こういうパン屋さんが駅に併設されていると、便利ですね。
店名:ヴィドフランス PLICO神戸店
住所:兵庫県神戸市中央区相生町3-1-1 プリコ神戸 1F
TEL:078-366-0503
営業時間:7:00~22:00
10. 【タイムサービスを狙おう】スーパーの中にあるパン屋さんだと侮るなかれ!「ベーカーズガーデン コープ兵庫店」
こちらも地域密着というより生活密着型のお店。
コープさんの中にあるパン屋さんです。
沢山の人が訪れるスーパーの中だから、しっかりと衛生対策もしています。
スーパーマーケットの中にあるパン屋さんだと、侮るなかれ。
お安い、けれど美味しいパン。種類もいろいろと用意されています。
閉店時間前になると、お得なセット売りもあり。
晩御飯を買ったついでにタイムサービスを買い求めるマダムもいます。
定番パンや
創作パンも充実しています。
さて、実食ですが、彩ちぎりパンをチョイス。
明太ポテトと、マヨネーズのきいたタマゴパン、照り焼きチキンパンが1つに。
1つで3度おいしい楽しいパンでした。
店名:ベーカーズガーデン コープ兵庫店
住所:兵庫県神戸市兵庫区駅南通5-1-2
TEL:078-682-1301
営業時間: 9:00~20:00
最後に
さて、ちょっとだけ上に戻っていただいて、ベーカーズガーデンの日替わりメニューの写真の金曜日にご注目を。
この「サンライズ」って、どういうパンかご存知でしょうか。
神戸の方、近隣の方は当然ご存知でしょうが、全国的なところでいうメロンパンのことです。実は昭和の初期に神戸のあるパン屋さんの広島・呉支店で、ビスケット生地とパン生地のミックス焼きが考案され、改良を重ねて現在のメロンパンの原型のようなパンが出来ました。
当時は模様が軍艦旗の朝日マークに似ていることから、このパンをサンライズと名づけたそうです。
その後パンの模様が今のような格子状に変わったためにメロンパンと呼ばれるようになったようですが、今でも神戸周辺ではメロンパンというよりサンライズと呼ぶ方が、多いんですよ。
神戸では、古くからパンを食べてきたパン文化に誇りを持っている人がいるなど、パンに対する思いが強いように感じます。
この巨大パン屋テーマパークのような街で素敵な時間を過ごせるちょっとしたお手伝いが出来れば本当にありがたいことだと思います。
(取材・編集:憶良)
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