社会人を何年やっていても接待のお店選びはどうしても緊張してしまう社会人との二足のわらじの料理研究家アキヒラです。
接待って、ただ美味しいものが食べれたらいいわけじゃないんですよね……。お店の接客が安心できて、お料理にうるさくないエンターテイメント性があって、商談以外の会話に色をそえられる。
そして何より、「オレ、接待されてるぜ」そんな見えないニンマリの笑みを接待のお相手から勝ち取らねばなりません。
近頃では接待のお相手に外国の方も姿もチラホラという、ビジネスマンのかたも多いのはないでしょうか? いやー、緊張しますよね。今日は、江戸時代から商人文化が花開いたいわば商談の聖地「日本橋」で、日本人はもちろん外国のお客さま喜んでくださること間違いなしの5つのお店をご紹介します。
1. すき焼き 日山:禁断のたまごかけご飯でテンションMAX!
人形町通りに面した大正14年に建てられた趣ある建物。赤絨毯の階段を上った先の個室でいただく「すき焼き」には、外国人ならずとも心が浮き立ちます。前菜の2品をつまんでいると、すき焼きの野菜が桶にもられて登場!
そして、美しいサシがはいった牛肉ー!! お鍋で仲居さんが丁寧に調理し、たまごまでといてくれて、小鉢をわたしてくれるから、「お肉の火のとおり具合」に気を取られることなく、お客さまと談笑することができるのが何より嬉しい。
精肉店を営むこちらのお店、お肉の味は…。甘くて柔かでいい匂い!!〆めは、白飯と味噌汁や、お茶漬けが選べるのですが……。ここはお肉を食べたあとの溶き卵を白飯にのせるという禁断のたまごかけご飯が絶対おすすめ!! 仲居さんもちゃんとお薦めしてくれるので、行儀作法の心配もありません。「ちょっと行儀が悪いかな?」そんなことを高級店でお客さまと一緒にやってしまえば、なんだか親近感もぐぐっと増して、明日からの仕事も円滑に進むかも。
すき焼き 日山
TEL:03-3666-2901
住所:〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-5-1
営業時間:昼の部 11:30~14:00 夜の部 17:00~21:00 (日・祝定休)
ぐるなび - 日本橋 日山(人形町・小伝馬町/すき焼き)
2. てんぷら 深町:とろける天ぷらに舌が躍る
「山の上ホテル」の味と伝統を受け継いだ由緒正しき江戸前スタイルの天ぷらを、お客様とぜひ!!
実はあまり揚げ物が得意ではないアキヒラでしたが、揚げもの、天ぷらに対する概念がくつがえされたこちらのお店。かき揚げひとつとっても、「今まで食べてたものは、いったい?」と呆然とするほどの美味しさ。海老、帆立、お野菜、衣、油、すべてがいったいとなって、口のなかでほろほろほどける。ほろほろするけど、バラバラじゃない!!
「山の上ホテル」で34年の修行に裏打ちされた、天ぷらが次々とくりだされるこちらのお店。おすすめは、北海道産のウニを大葉であげたその名も「生ウニ」。ウニを揚げる!?という驚きと、食べてからの衝撃で、お連れしたお客さまも完全ノックアウト間違いなしです。
前菜からはじまるコース仕立ても、接待には嬉しところ。天ぷら屋さんで気になりがちな、ジャケットへの油の香りうつりもほとんどない清潔な店内も、かくれたおすすめポイントだったりしますよ。
てんぷら 深町
TEL:03-5250-8777
住所:〒104-0031 東京都中央区京橋2-5-2 A・M京橋ビル
営業時間:火~金 昼の部 11:30~14:00 夜の部 17:00~22:00(L.O.20:30)
土・日 昼の部 11:30~14:00 夜の部 17:00~22:00(L.O.20:30)
(月曜・第1・3日曜定休)
ぐるなび - てんぷら深町(京橋/天ぷら)
3. 懐石 仁行 (そば懐石):蕎麦とワインという意外な組み合わせ
年配の方や、接待疲れのお客さまも、自信を持ってもてなすことができる「そば懐石」の名店です。
「お肉はちょっと、あっさりしたものを…」、そんな年配の方や接待疲れのお客さまの接待、どうしますか? そんなときにおすすめしたのがこちらのお店。江戸っ子にかかせない、お蕎麦を軸に季節の和食を味わうことができるそば懐石のお店です。
ホヤの茶碗蒸しや、鱒のお寿司、穴子の天ぷら……。おそば屋さんの一品とは一線を画したお料理に、じわじわと満足度が高められ、お酌の回数も自然と増えいくのがこのお店の魅力。お料理とお酒を堪能したあとに、極細のもり蕎麦がさっと出されます。
十割蕎麦とは思えない、なめらかさでぺろりと完食。サプライズなのは、このあと大根おろしがのった辛味蕎麦が出されるところ。なかなかの辛みですが、お客さまに「接待」の印象を強く残す効果にも一役かってくれるような気もします。
日本酒やビール以外にもワインも充実しているので、ワインとお蕎麦という、ちょっと変わった組み合わせをお客さまに提案してみるのもおすすめです。
懐石 仁行 (そば懐石)
TEL:03-5695-8117
住所:〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町6-16 日本橋グリーンビル4F
営業時間:昼の部 11:30~13:30 夜の部 18:00~21:30(日曜定休)
※月曜は昼の部休業
仁行でランチ・ディナー予約-プレミアムレストラン(高級レストラン予約)
4. 西洋料理 島:お肉を食べて、みんなで幸せに
至福物質、アラキドン酸効果で今晩の接待は大成功間違いなしっ! なんかの医療ドラマでありましたよね。鉄板にジュージューの牛肉をほおばり赤ワインのグラスを手にする大学病院の教授陣……。
そんなステーキをとびきりのグレード感と家庭的な明るさを兼ね備えた、高級店がこちらの西洋料理 島さん。店名に洋食とあるだけにメインのステーキだけでなく、ズワイ蟹スープや、ホワイトアスパラガス、カニクリームコロッケなどのアラカルトメニューも、ひとつひとつが絶品!! 盛りつけも豪華でとにかくテーブルが華やぎます。
何よりほら、牛肉のアラキドン酸は脳内で「至福物質」といわれる物質に変化するとか。お客さまの「幸せ」度をおのずと高め、今夜の接待は成功まちがいなし!! 残したお肉は食パンにはさんでサンドイッチで土産にしてくれるなど、女将さんの気配りも細部に行き渡り、とにかく、安心して大切なお客さまをお連れできるお店なのです。
西洋料理 島 (ステーキ)
TEL:03-3271-7889
住所:〒103-0027 東京都中央区日本橋3-5-12
営業時間:昼の部 12:00~13:00(L.O) 夜の部 18:00~21:00(L.O) (日曜定休)
ぐるなび - 西洋料理 島(日本橋/ステーキ)
5. 日本橋橘町 都寿司:気さくに絶品お寿司が楽しめる
頑固鮨職人は、接待にはいらない……気さくなご主人が握る老舗の江戸前鮨を味わうならここ。日本橋の接待で、絶対に外せないのは「お・す・し」。なんていったって江戸前食文化の華ですから。
日本橋のお鮨屋というと、うっかり会話に気を取られていると「鮨が痛む」と頑固な鮨職人に𠮟られたりと作法にうるさいお店も多いですよね。プライベートならそれも楽しいのだけれど、接待となるとそんな余計な気遣いはしたくないのが本音です。
そんなときにおすすめしたいのがこちらのお店。気さくなご主人と奥さまと、若い衆できりもりされているこちらのお店。ご主人の優しい物腰は、高級鮨店にありがちなお客を緊張させる要素は皆無で、とにかくリラックスして「鮨」接待をくりひろげることができます。
個室こそありませんが、ほどよい広さのカウンターで商談を進めつつもご主人のとにかく丁寧で美しい握りの技をお客さまに堪能していただけます。日本酒の種類も豊富で、次に出るネタと相談しながらお酒を選べるのも、お酒好きのお客さまには満足度120%ー。ネタについては語りませんが、ラストの「たまご」まで妥協ありませぬ!!
日本橋橘町 都寿司
TEL:03-3669-3855
住所:〒103-0004 東京都中央区東日本橋3-1-3
営業時間:火~金 17:30~22:00(L.O)
土 17:00~22:00(L.O)
日・祝日 昼の部 12:00~13:00(L.O) 夜の部17:00~21:00(L.O)
(月曜定休)
ぐるなび - 都寿司(人形町・小伝馬町/寿司屋)
いかがでしたか? 日本橋で接待にはずせないお店たち。
たかが接待、されど接待。囲んだテーブルがお客さまの記憶に少しでも残るお店を考えたいですよね。
日本橋は、なんといっても多くの日本食文化の発信地。料理そのものに人を感動させるエンターテイメント性が仕掛けられたお店がきちんと残っているように思います。
ぜひぜひ、そんな日本橋エリアを活用してワンランク上の「Happy 接待 Life」を送ろうではありませんか!!
社会人と二足のわらじの料理研究家アキヒラ。これからも日々せっせと、接待でお客さまをお連れしたいお店情報を蓄積してまいりたいと思います。
作者 あきひら料理堂 アキヒラ
会社員をしながら、料理研究家はじめました。社会人生活も15年目。アラフォー大人女子の強みを生かして、多様なアプローチで「食」の世界と向き合っています。現在は「絵本」「子育て」「家族」をキーワードにした料理本を絶賛企画中。
twitter:あきひら料理自習室 https://twitter.com/akihira416
blog:あきひら料理堂 近日開設予定