大崎裕史×佐々木晶ラーメン対談

大崎裕史×佐々木晶のラーメン対談!ラーメン食べ歩き~ラーメンの未来まですべてを語りつくすラーメン好きには、たまらない夢のラーメン談義がついに実現!大崎裕史さんと佐々木晶さんのそれぞれ独自の目線で語ってもらいました!

ラーメン食べ歩きの面白さ、楽しさ、素晴らしさ

天体観測とラーメン食べ歩きの関係

TVチャンピオン第7回ラーメン王 佐々木 晶

大崎:
国立天文台で天体観測などの研究をなさり、今年に入って岩手県に引っ越された佐々木さんですが、現在の岩手のラーメン事情はどうなんですか?
佐々木:
東京に比べるとやはりラーメン店自体が少なくて、バリエーションが豊富じゃないのは確かです。似た傾向の店が多いですね。ただ、食べたことがない店が多いので、そういう店を回っているとなんだか新鮮な気持ちです。面白いと思うのは、東京にも週の1/3は来ているのに、その時でも古い店によく行くようになったことです。
大崎:
ラーメンの食べ歩きをする時は、どんなことを考えながら?
佐々木:
今まで食べたことがないラーメンに出会えたらいいなという気持ちはあります。だから予め店を決めて行くのではなく、行き当たりばったりで面白そうだと思ったら入るって感じが多いかな。
大崎:
勇気ありますね(笑)。「入る前にその店が当たりかハズレかを判断する方法はないですか」ってよく聞かれるんですけど…。
佐々木:
それは難しい。でも私にとっては「香り」とか「店名」が大事ですね。煮干だしとか和風だしの店は結構当りが多い。店名は今ではあまり使えない技だと思うんですけど、以前は「○○食堂」とかっていう名前にそそられた時期があった。和歌山の「山為食堂」とか、喜多方の「まこと食堂」とか…。

予期せぬ出会いから超新星を発見!

利尻島『居酒屋 魚勝』のラーメン

大崎:
ラーメンの食べ歩きのどこに面白さを感じるんでしょうか?
佐々木:
ガイドブックを見て食べに行った結果が本に書かれたとおりだったらつまらない。「店に行ったら味が全然変わってた」「新しいメニューが出てた」とか、なんかそういう予期しないことがあった方が面白い! あとは地方に行くと、なんとなくラーメン店のある風景ってのにも惹かれますね。
大崎:
私は会津の出身なんですけど、喜多方なんかは朝にラーメン食べるのが当たり前だったりします。ラーメンを食べて、野球の練習に行って、帰ってきてから仕事に行くとかってパターンがごくごく普通。「朝ラーメン」っていうのが一種の文化なんですね。
佐々木:
予期せぬ出会いのNo.1は、去年、利尻島に行った時のこと。海鮮ラーメンを食べに出かけたんですが、目指した店がつぶれてた。困って地元の人に相談したら「近くの居酒屋で食べられる」って聞いて、そのラーメンを食べたら大当たりだった。上質な利尻昆布をたっぷり使った完全昆布だしのラーメン。利尻島以外では絶対に成り立たない、ご当地ラーメンの真髄のようなもの。
大崎:
超新星を発見したような感じですね。ミシュランではいい店に三ツ星とかをつけますけど、そういう食べ歩きは佐々木さんにとってまさに星探しですよね。
佐々木:
そうですね。その時は「おお、ついに我々も新しいご当地 を1つ発見したぞ!」って感じでした。

「中河」のスープはいつでも視界良好!

岩手県『中河』の外観
岩手県『中河』の外観

『中河』の中華そば
『中河』の中華そば

大崎:
最近食べ歩いた店の中で印象に残っている店っていうと?
佐々木:
意外にいいなぁと思ったのは古くから有名な新宿の「満来」ですね。あまり時間のない時でも昼時を外せば案外ぱっと食べられる。麺のよさを指摘する人は少ないんですけど、満来は手打ち風でピロピロしてていい感じ。改めて食べても非常においしい!
大崎:
荻窪方面には行かないんですか?
佐々木:
この前久しぶりに「漢珍亭」に行ってきました。荻窪の煮玉子の元祖とも言われていますが、その煮玉子をひき肉の入った煮汁ごと加えることで、スープに絶妙な味を出している。ただ、もともとのスープはとんこつ鶏ガラベースで飲みやすい。荻窪の他の店は魚を使ったり、「春木屋」なんかは煮干をガンガンといった感じですけど、漢珍亭はわりとさっぱりしてる。
大崎:
そんな中でも佐々木さんの一番のお気に入り店は…?
佐々木:
日本で一軒っていうならやっぱり「中河食堂」なのかなぁ。地方の店を挙げるとなんだかかっこいいじゃないですか(笑)。ほとんど家族でやってる店なんですけど、いつ行ってもスープがクリアーで澄んでる。面白いのがあそこは、店に入ると何も言わなくてもラーメンが出てくる。岡山の「丸天」もそうですけど…。
大崎:
佐々木さんはやっぱり、昔ながらの店とか懐かしい店とかが好みなんですね。最近のラーメン好きの若い人は、どちらかというと話題の新店を一生懸命食べ歩く傾向が強いんですけど、それについてはどう思いますか?
佐々木:
それもひとつの楽しみ方としてはいいと思います。ただ、店ができたばかりの時は、味が落ち着かないことが多いので、やはり2~3ヶ月経ってから行くのがいいのかなと思います。
大崎:
先程の話で出た新宿の「満来」とか荻窪の「漢珍亭」とかって店も、そういう人は知らないかも…。若い人は昔のラーメン本に載っていたようなお店をまわってみるのも、新しい発見があっていいかもしれませんよね。
佐々木:
かなり面白いと思います。昔から続いている人気店ってのはそれなりの個性がある。先日も銀座の「共楽」に久しぶりに行ったら「こんなに煮干の味が強かったっけ?」って驚いた。もちろん新しい店をドンドン巡っていくってのは楽しいし、新しい店ができてこそラーメンの人気も続いていくってのは確かですけど…。

ドクター佐々木の究極の選択!

大阪府『麺乃屋』の紀州梅塩ラーメン
大阪府『麺乃屋』の紀州梅塩ラーメン

大阪府『麺乃屋』のひやあつ18番(つけ麺)
大阪府『麺乃屋』のひやあつ18番(つけ麺)

大崎:
お待たせしました、最後はぐるなびユーザーに向けてすっかり恒例となった「ラーメン王オススメの店」!
佐々木:
一軒は紀州梅塩ラーメンで知られる大阪の「麺乃家」ですかね。文字通り、梅の味をした塩ラーメンなんです。ところが、関西ではまだ珍しい、つけ麺がうまい。研究熱心なご主人が、今年の夏から自家製麺に変えたんですが、これが非常にうまい! 続いては宮崎の「こむらさき」の本店。ラーメン好きのみなさんは「こむらさき」といえば恐らく新横浜ラーメン博物館に入っている熊本の「こむらさき」を想像するでしょうが、これは宮崎の店。昔から有名なのにしばらく閉店していたんです。 あっさりした豚骨ベースのラーメンで、蒸した麺を使って麺自体に風味がある。それがとても独特でいいな~と思います。
大崎:
首都圏では?
佐々木:
「光江」にしましょう。ちなみに「光江」は私がラーメン王になった時の選手権で最後の答えとなった店なんです。
大崎:
なるほど、TVなどで有名になった支那そばの佐野実さんをもってして「これは俺には作れない」と言わしめた店ですね。
佐々木:
確かに佐野さんも絶賛してましたね。ただ、私が好きなのは雑誌などでよく紹介されているラーメンとかチャーシュー麺ではなく、塩味の五目あんかけそばの「光江そば」なんです。
大崎:
今後、行ってみたいな~と思ってるところは?
佐々木:
利尻島は別格として、やっぱり島には惹かれますね~。

宮崎県『こむらさき』の外観
宮崎県『こむらさき』の外観

宮崎県『こむらさき』のラーメン
宮崎県『こむらさき』のラーメン

大崎:
島が好きなのは、星がきれいだからじゃないんですか?(笑)
最近は宇宙でもラーメンを食べられる時代になってきましたから、今後どこかに探検された時にはぜひ報告してください!
佐々木:
ラーメンの食べ歩きには、まだまだ面白いことがいっぱいありそうですもんね(笑)。

ホストプロフィール
大崎裕史
株式会社ラーメンデータバンク

自称「日本一ラーメンを食べた男」。2005年8月現在6,200軒13,500杯を食破。ここ数年は毎年850~900杯を食べている。東京一週間でラーメン連載中。携帯の「超らーめんナビ」担当中ラーメン複合施設をいくつか監修。他、TV、ラジオ、雑誌などの登場多数。2005年4月株式会社ラーメンデータバンク設立。代表取締役に就任。