今回は昔から伝わる言い伝えを参考にしながら、春を楽しむ色鮮やかでおいしいひな祭りにぴったりのメニューをご紹介します。

ひな人形をお料理で作ろう 食べられるひな人形

災いの身代わりになってくれるというひな人形ですが、最近は飾るスペースがなく、ひな人形を飾れない家庭も多いといいます。そんなときは食べられるおひな様を作って食卓を彩りましょう。

【用意】
薄焼き卵を焼く(焦げ目はつけない)
きゅうりを細長くスライスする
ブロッコリー、三つ葉、細長くスライスした人参、フランクフルトを茹でる
小さめにおにぎりを握る
ハムを半円型と短冊形にカットする
茹でたにんじんの一部を扇子のようにカットする
海苔を細長くカットする

【作り方】
・座りひな風
おにぎりを土台にし、卵やハムを巻いて飾り付ける。
・立ちひな風
フランクフルトを芯にして卵を巻き、巻き終わりに人参やキュウリを挟んで飾り付ける。立てられるように足元の部分はカットする。ブロッコリーは差し込む前に竹串等で穴をあけるとよい。

あまった薄焼き卵やにんじんを型抜きしたり、くるくると巻いたりして飾りに使うと華やかになります。

桃の花のオードブル

ひな祭りは桃の節句とも呼ばれ、ひな人形とともに桃の花が飾られます。桃の花には厄除けの意味が込められており、花言葉のひとつである「チャーミング」も女の子の成長にぴったりの言葉です。桃の花をモチーフにしたオードブルで、ひな祭りを飾りましょう。

【材料】
はんぺん:1枚
クリームチーズ:50g
生クリーム:小さじ2
塩・こしょう:適量
食紅・水:適量
ぎんなん:1個
枝豆:適宜

【作り方】
1.はんぺんを花型で抜く
2.食紅を適量の水でとき、はんぺんをくぐらせて色付けする
3.室温でやわらかくしたクリームチーズに生クリームを入れて混ぜ、塩・こしょうで味を調える
4.はんぺんを2つに切り、間に3のチーズを塗って重ねる(絞り袋を使うとやりやすい)
5.上に細かく切ったぎんなんをのせる

お皿に盛りつける際は、冷凍の枝豆を解凍して散らすと彩りがきれいになります。

牛乳パックで作るひし餅型お寿司

ひな段に飾られるひし餅と、ひな祭りの定番ちらし寿司が合体!鮮やかなひし餅形のお寿司を作ります。
ひし餅は赤・白・緑の3色が一般的ですが、花、雪、若草のイメージが込められているといわれます。それぞれに魔除け、清浄、穢れを払うという意味もあるそうです。ひし餅を飾り、すこやかなる成長への思いを込めました。
また、お寿司は昔からハレの日の食事として一般的ですが、錦糸卵や海老、桜でんぶを飾るちらし寿司の春らしい華やかさがひな祭りにぴったりで定着したといわれています。えび(長生き)、れんこん(見通しがきく)など、縁起のいい食材も使われます。
今回は牛乳パックを使って、ひし餅の形を作ります。

【材料 ひし形1個分】
牛乳パック(5cm程度の高さにカット)
酢飯:180g
桜でんぶ:小さじ1
ガリ(細かく切ったもの):小さじ1
炒りゴマ(白):小さじ1/2
大葉(細かく切ったもの):小さじ1
飾り:刺身、いくら、錦糸卵、甘酢れんこん、大葉、さやえんどう等お好みで

【作り方】
1.酢飯は60gずつ3つに分けてボウルに入れる
2.赤飯を作る。桜でんぶと細かく切ったガリを入れて混ぜる
3.白飯を作る。炒った白ごまを入れて混ぜる
4.緑飯を作る。細かく切った大葉を入れて混ぜる
5.盛りつける皿に牛乳パックを置き、緑、白、赤の順にご飯を入れる。各ご飯を入れた後、ラップをあててしっかりと押さえてかたちを作っていく
6.ラップで抑えながら牛乳パックをはずし、お好みの具材で飾り付ける

赤飯には身体を温めてくれる女性におすすめの食材しょうが(ガリ)を細かくカットして入れることで、甘さを控えて色を出しました。赤には鮭フレーク、緑には青のりなど、お好きな食材を使ってアレンジするのも楽しいです。
刺身のお花は薄い方が作りやすいので、市販の刺身よりも柵で購入して薄く切り分けた方が作りやすいです。
透明なカップに3色ご飯を詰め、上にお刺身等を盛りつけたカップ寿司にすれば、型を用意する手間が省ける上、そのまま食べられるのでお手軽です。

お子さま向けはまぐりチキンライスプレート

はまぐりは『貝合わせ』として遊ばれていたように、もともとの組み合わせでしかぴったりと合わないことから、一生一人の人と添い遂げられる=よい伴侶とめぐり合えるようにという願いがこもったひな祭りのはまぐり料理。潮汁が一般的ですが、子どもが喜ぶオムライスにしてみました。

【材料】
チキンライス:1人分
丸型の薄焼き卵(少し厚みがある方がいい):2枚
ウインナー:1本
卵黄:1個分
ハンバーグ、にんじんのグラッセ等:適宜

【作り方】
はまぐりチキンライス
1.チキンライスを丸く握る
2.薄焼き卵を半分に畳み、もう一度半分に畳んで、扇型にする
3.薄焼き卵をめくって、にぎったチキンライスを入れる
4.金串を火であぶってから薄焼き卵にあて、焼き目を付ける

お花の目玉焼き
1.ウインナーを縦半分にカットする
2.細かく切り目を入れる
3.2つで円を描くようにつまようじで仮止めし、フライパンで焼く
4.円の真ん中に卵の黄身を落として焼く

子どもが大好きなハンバーグに花型目玉焼きをのせ、人参のグラッセとプチトマト、パセリを添え、ワンプレートに仕上げました。小さなお子さま用のひな祭りワンプレートとしておすすめです。

手作りひなあられ

ひな祭りの代表的な和菓子といえばひなあられ。赤、緑、黄、白の色で四季を表しているといわれ、1年を通して女の子が健康で過ごせるようにとの願いが込められています。
ひなあられは、関東と関西で思い浮かべるものが違い、関東版はポン菓子を砂糖で甘くコーティングしたもの、関西はあられにしょうゆや青のり等で味付けしたものなのだそうです。
今回は切り餅を使って、家庭で簡単にできるひなあられをご紹介します。

【材料】
切り餅2個

白(プレーン)
シロップ(砂糖大さじ2、水大さじ1)

赤(いちごミルク)
いちごジャム:大さじ1
粉末コーヒーミルク:大さじ2
水:大さじ2

黄(カレー)
カレー粉:小さじ1/2
塩:少々

緑(のりしお)
青のり:小さじ1/2
塩:少々

【作り方】
1.切り餅5mm角に細かくカットしてバット等に広げ、2日ほど乾燥させる
2.クッキングシートに並べ、150度のオーブンで20分焼く
3.プレーン、いちごミルクの材料はそれぞれ鍋に入れ、少しとろみがつくまで煮つめておく
4.カレー、のりしおの材料はそれぞれビニール袋に入れておく
5.焼き上がったら1/4にわけ、甘味系は鍋に入れて絡め、重ならないようにクッキングシートに並べて乾燥させる
6.塩味系は焼き上がった餅に霧吹きで軽く水をつけ、それぞれの袋に入れて振って絡める(水分量によってはこれも乾燥させる)

甘味系2種、塩味系2種の4色あられの完成です。食紅を使うと赤がもっときれいに表現できます。