毎年のことだけどつい忘れてしまう・・・ひな人形の飾り方、しまい方。

ひな人形に適した場所はどこ?方角は?

内裏ひなのみの小さなひな人形の場合棚やピアノの上に置けますが、段飾りとなると多くの家庭でスペース確保が問題になってきます。ひな人形の代わりにいつも置いてあるものを押し入れにしまうなど、工夫して一時的なスペースを創りましょう。方角などは特に気にする必要はありません。

重要なのは、高温多湿と直射日光を避けるということです。絹を使ったひな人形にとってこれらは大敵。エアコンの風や加湿器の湿気、窓からの太陽光には注意しましょう。

地域によって異なる内裏ひな左右の位置

陰陽説の考え方に従い、陽である男性は同じく陽の方向である左に、陰である女性は同じく陰の方向である右に置く、というのが古来日本文化の習わしでした。今でも京都をはじめとする西日本では、向かって右に男ひな、左に女ひなを配置すること主流です。

昭和初期頃から東京を中心に、左に男ひな、右に女ひなという新式の配置が広まりました。この背景には、西洋式の考え方を採用したとする説、昭和天皇の即位礼にならったという説、など諸説あります。結婚式でも左に男性、右に女性が並びますので、わかりやすく新式で配置する家庭が増えているようです。

内裏ひな以外の人形や飾りは?

その他の人形や飾りについてはすべて陰陽説からなる古式に従います。三人官女は向かって左から「加銚子、三方、長柄銚子」、五人囃子は向かって左から「太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡」と並べます。

間違いやすいのが桜橘と右大臣、左大臣です。「左近の桜、右近の橘」という言葉通りなのですがこれは自分を基準とした左右なので、桜は向かって右、橘は向かって左に飾ります。同じく呼称と逆に、右大臣は向かって左、左大臣は向かって右に飾ります。

片付けはよく晴れた乾燥した日に

片付けはよく晴れた乾燥した日を選びましょう。雨や曇りの日は湿気が多く、作業中にカビの原因を作ってしまいます。人形をしまうときは、まず毛箒などで目に見えないホコリを払います。人形の持ち物や小物、道具などは柔らかい乾いた布で拭きます。

人形の顔にはできるだけ触らないよう、髪型も崩さないように注意しましょう。箱に入れるときは顔を柔らかい布や和紙、ティッシュペーパーなどで軽く包み、丁寧に保護します。湿気防止のため、保管にはビニール袋などは使わず、布や紙を使いましょう。

和服と同じように保管 乾燥剤、天然防虫剤も必要

人形の材質にもよりますが、基本的に和服と同じように扱います。湿気、結露には十分な注意が必要です。乾燥剤を入れておくのも有効です。虫喰い予防のため、防虫剤も必要となりますが、一般の防虫薬剤は化学反応を起こす可能性があるので、天然樟脳が適しています。緩衝材として新聞紙を使うと、インクが防虫効果を発揮します。

保管場所は高温多湿にならないところを選びましょう。桐箱に保管できれば、なお安心です。