同店で提供するのは、飯塚市（旧筑穂町）のブランド牛として、数少ない生産者が育てる「筑穂牛」。地元の生産者が、最適な飼育環境を保ち、約十種の穀物をブレンドした飼料で育てている。筑穂牛は、人肌で溶けるほどの融点の低さで、まろやかな脂の甘みが特徴。また、赤身部分もしっかりと肉の旨味が凝縮している。

しゃぶしゃぶなどに添えられる白菜や大根などの野菜は、自家農園で採れたものを使用。ステーキと相性の良いゆず胡椒は、農園内で収穫したゆずを一つひとつ丁寧に加工してつくられている。醤油や米も地元のものを使用する徹底ぶり。米に関しては水が美しい標高の高い土地でできた希少な銘柄を仕入れている。

2014年で創業50年を誇る同店。祖父の代から始まり、現在は3代目が店を切り盛りする。開業当初は川魚料理などを提供していたが、地元のブランド牛である「筑穂牛」を扱い始めてからは20年ほどだ。シンプルな調理法で素材の良さを引き出した料理は、親子3代に渡って地元はもちろん遠方のファンからも愛されている。

のどかな田園風景と深い山々に囲まれた同店は、一見普通の民家のような佇まいだ。建物自体には看板や暖簾はなく、隠れ家的な雰囲気が漂う。1階、2階の座敷からは庭が眺められ、落ち着いた空間の中で寛げるのが魅力だ。四季によって表情を変える周辺の景色も心和ませる。

接客を取り仕切るのは女将。明るく、心配り行き届いたもてなしが評判。また、10名以上の予約なら飯塚や二日市など特定エリアへの送迎バスのサービスもあり、1階、2階に設置されたカラオケセットも追加料金（1,000円税抜）で利用可能だ。50名まで収容できる個室も完備されているため宴会にも最適。