こだわり1 職人技
開店していない時にこそ手間をかける
店の奥には、契約農家から届く玄蕎麦を保存する冷蔵室。広々とした製粉室、そして打ち台がある。それはまるで店主のラボラトリーのようだ。そこで毎日、玄蕎麦の石抜き、選別、殻剥きなど一連の作業をする。中でも自分に合った碾き方ができるという重い石臼を手で碾く。1日に碾ける量は1kgが精一杯。約8~10人前分だ。
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季節や粉の状況を見ながら、碾き方を変える。それは店主の毎日の鍛錬で築き上げられたリズムだ。丹精込めた手碾きの粉は、せいろと蕎麦がきとで味わえる。丁寧に茹で上げ、たぐるゲストが食べやすいようにと、最後まで気を抜くことなく左上から右下へと盛りつける。一口含むと、蕎麦特有の穀物の香りが口の中に広がる。
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唐箕の上に、その日の蕎麦の産地が記され、蕎麦の実が並ぶ。毎日打つ蕎麦は、基本的に十割蕎麦2種類と二八蕎麦が1種、そして手碾きだ。それは一人で厨房を守る店主には大変な作業に思える。しかし「自分も愉しみたいから、苦にはならない」という。刈り入れ時期や、粉や水の温度で変化する蕎麦に対する想いは常に熱い。
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